ネットワーク分析とマーケティング

先日、「セグメンテーションとノード間の隔たり」のエントリーで、

さて、昔からマーケティングではセグメンテーションということが言われる。
しかし、こうしたネットワークを考えると、従来のセグメンテーション~ターゲティングというマーケティング手法が、選択権が需要側に移り、かつアテンション・エコノミーの時代となり、マス的な手法の効力が弱くなっている現在では、すこし見直しが必要なのではないかと思える。

といったことを書き、「グローバル化、インターネットによるつながり、そして、ブロゴスフィアやSNS。そうした要素を考えると、マーケティングにもネットワーク視点の発想が必要になってくるのは間違いない」などと指摘したが、ちょうどタイミングよく昨日からスタートしたCNET Japanのブログ「先端研ブログ」でも下記のような記事を見つけた。

マーケティングなどでは、その人の属性(年齢、性別、等)で分析するのが一般的であったのだが、それだけではなく、その人に影響を与えている大きな要因として、人とのつながり(消費情報を発信する情報発信者間の伝達関係)が重要ではないか、というのがネットワーク分析の出発点です。


先のエントリーではなんとなく直感的に感じたことを自分のためのメモとして書きとめたおいたのだが、外部からも似たような考えがあるのがわかるとちょっと安心する。この分の続きには、「今まで属性に偏った手法が用いられていたのですが、実際には両方組み合わせることが大事」という記述もあるが、確かにそうだろうなと思ったりもする。

さて、Webのネットワークをマーケティング的な視点でとらえるとき、ちょっと考えなくてはいけないだろうなと思っているのが、Webページの情報として表出された人物像を「人」そのものとして見るか、「人」に関連した情報として扱うのかという点ではないかと思う。
前者は文字通り、人という集合として扱うのに対して、後者は、他の情報と同列の集合として扱うことを意味する。ようするに、その集合には、ニュース情報、商品情報、イベント情報、商品のレビューなどと同列に、人に関する情報として扱うことになる。
そうすることのメリットは、mixiなどのSNSを除けば、必ずしもネット上に可視化されない人と人とのネットワークをそれそのままの形で単純に取り扱うのではなく、情報間のつながり、つまり、リンク関係で可視化された形でとらえることが可能になるという点である。
そして、そうとらえたほうが「なんとなく」有益なこともあるかなと思えるのは、人は必ずしも自分のことを客観的に認識できないという点があるからです。

『ティッピング・ポイント』でも有名なマルコム・グラッドウェルの新著『第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』を半分くらい、読み進めたところですが、ネットワーク科学における「つながり」において意識的なつながり/無意識的なつながりは分けて考えたほうがよいだろうなという予感を持っている。

これが無意識から湧いてくる考えや判断についての、2つめの重要な事実である。瞬時の判断というものは、まずごく短時間に起こる。判断に使うのは体験したうちのごく薄い輪切りの部分だけ。またそのような判断は無意識に起こる。アイオワの実験では、カードめくりの被験者は自分で気づかないうちに危険な赤いカードを避け始めていた。何が起きているのか脳が意識的に理解したのはカードをさらに70枚めくったあとだった。
マルコム・グラッドウェル『第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』


あなたがソーシャルブックマークであるWebページをブックマークする際のことを考えてほしい。意外にブックマークすると決めるのはそのページを見た際のファーストインプレションによってだったりするのではないだろうか? もちろん、中身を読んでからブックマークする場合もあるだろうが、その場合でも第1印象でのブックマークするかどうかの判断が基準になったりしているのではないだろうか?
しかし、一方で自分のブログなどで他のWeb上の情報について言及する場合などはそれとはまったく異なる判断になるだろう。
そんなことを思うと、可視化されたWeb情報のつながりにも2種類あって、それをごっちゃしして分析する場合には、ちょっとした注意が必要な気がしている。おそらく、何らかのレイヤーで区別するか、カテゴライズした上で「つながり」を評価したほうがいいのだろう。

まぁ、今のところ、「なんとなく」の思いつきで書いているが、たぶん、最初の「なんとなく」は正しい。


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