不勉強さの自己検証

学ぶ必要があるのに学ぼうとしないこと。
覚える必要、できるようになる必要、理解する必要があるのに、そのための勉強を怠ること。
いや、本人には怠っているつもりはなくても、本を読んだりセミナーに顔を出したりするだけで自分は勉強しているというつもりになってしまうことはあるでしょう。
本人はそんなつもりはなく、むしろ自分はやっていると思っているのに、結果として不勉強丸出しで、役に立たなかったり。

どうして、そんなギャップが生まれてしまうんでしょうか。

進んで実践に身を投じないといけない

それはテキストとして書かれた情報と実践の場にある情報にそもそもギャップがあるからです。テキストのうえの情報量と実践の場で起こることの情報量の圧倒的な差異に気づいていないのです。
たいていのひとは実践の場にはじめて身をおくとその情報量の圧倒的な違いに呆然として、身動きができなくなります。勉強のなかにはその圧倒的な情報量の差に慣れるということも含まれているということを知っておかなくてはなりません。

だから、勉強するには、本や他人の話から得る知識ではなく、実践的な練習・訓練が欠かせないのです。
言葉として得る知識は、その場で起こること、交される言葉を理解するために必要ですけど、それだけではなんら実行力をもつものではありません。

自分がちゃんと学べているかを検証するには実践の場に身を投じてみればいいのです。そこで戦える目処が見えたら、それは勉強が進んでいるということ。そうでなければ、いくら勉強したつもりでも、そのコストにみあったリターンは得られていないということになります。そうであるなら投資戦略としての勉強方法を見直すことが必要かもしれません。

インタラクションのうえに成り立つ知識

実践的な知識を得ようとするなら進んで実践の場に身を投じるしかないんです。場数は必要不可欠です。
手に入れた知識は使ってみないと身にはつきません。知識を実際に使ってみることで身につくようにする場が実践的な練習の場です。知識という道具を使いこなせるよう慣れる必要があるのです。

実践の場においては自分が学ぼうとしていた以上に広い知識・スキルが実行のために必要になることに気づくはずです。テキスト化する際には捨象されたディテールとしての情報が現実の実践の場には満ち溢れています。その豊富な情報を含めて学ぶのが実践的な勉強です。

そんなことは本には書かれていないし、他人の話からも学べません。テキスト化、言語化する際には、実践の環境に存在する豊富な情報は捨象して、ある程度抽象化するしかないからです。
また、その知識はインタラクションのうえに成り立つ知識だからです。インタラクションのうえに成り立つ知識は、関係性のなかにしか存在しないものです。それをわかりやすくいえば「解釈」と呼んでもいいでしょう。

Fw:本当に考えたの?(それは「考えた」と言わない。)」でも書いたように「「考える」のは頭じゃなくて、目の前の紙と手の組み合わせ」です。それには机に向かった勉強だけではなく、実践的な取り組みを繰り返し行うことが必要なんです。反復的な練習によって知識を身体は覚えてくれるのです。そして、身体知からの気づきこそが実践力を高めてくれるのです。

実行力を身に着けることが勉強

だからといって、「やったことないからわからない」とか「やればわかる」とかいうのは甘えです。よくそういうことを言う人がいますけど、それは学ぶことができないことに対する言い訳でしかありません。
学ぶということにたいする考えが甘すぎます。必死さが足りない。誰かが用意してくれたレールがないと勉強すらできないというのではちょっと困ります。

そんなこと言ってるひまがあったらその「やれる場」をみずからつくって、「やる」を実現することに尽力すべきです。その場をつくることもふくめて勉強なんです。勉強とはそうした総合的な実行力を身に着けるために行う訓練なのではないでしょうか。

とにかく実践の場を何度も何度も歩き待って、その環境からいろんな情報を読み取れるようになる感度を磨くことです。そして、入手した情報を整理して自分の知識を組み立てていく。
結局、勉強も情報デザインです。そして、情報を整理するということは「玩物草子―スプーンから薪ストーブまで、心地良いデザインに囲まれた暮らし/柏木博」で書いたように、自分の部屋を整理し暮らしが心地良くなるように家事をすることにリンクしているのだと思います。実践の場としての、暮らしの場を整理することがそのまま自分の知識の整理にもつながっていくだろうと考えます。

どうも勉強している割には、できるようにならないなと思ったら、一度、そのあたりを見直してみてはいかがか、と。

  

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