不祥事の際の企業の対応にあらわれる企業の基本姿勢

最初に断っておくと、当エントリーはいわゆるマスコミを騒がすような大企業の不祥事に関わる内容ではありません。
ここで取り上げるのは「クリエイティブと著作権」で取り上げた、ある企業ブログにおける該当企業の取締役による、当ブログのエントリーに酷似する内容の記事に対し、私が「酷似しているのではないか。どのようなお考えですか?」と指摘した後の、その企業の対応に関してです。

事の次第

結局、その企業は該当記事を削除するという対応を行いました。

しかし、その企業の該当記事に対しての反応は、私の指摘によるものだけでなく、私以外にも数人のネットユーザーの方がはてなに[パクリ]や[これはひどい]というタグ付きでブックマークをしていたり、ある方は私の記事の一部と該当記事の一部をそれぞれ引用して、いかにそれが酷似しており、かつ、微妙な言い回しを変更することで明らかに意図的に同一の文章であることを隠そうとしている点などを指摘したブログエントリーなどを書かれていました。

私はそのことを次のようなメールで、該当企業に知らせるとともに、「削除」という対応だけではマズいのではということを書かせていただきました。

○○様、

まずはご返信ありがとうございます。

私のほうで特に削除依頼はいたしません。

ただ、下記のようなことがすでに起こっていることは、
貴社としてご認識されたほうがよいのではないかと存じます。

http://b.hatena.ne.jp/entry/○○○
http://d.hatena.ne.jp/○○○/○○○

上記は私が把握している範囲であり、他にもすでに影響が出ているかもしれませんし、
私が認識している中ではmixiでもすこし話題にはなっています。

私としては、削除ではなく、公開された形で弁明されたほうが
よいのではないかと考えますが、
それに関しては、私が判断すべき問題ではなく、
貴社の信用の問題だと認識しておりますので、
貴社にゆだねます。

○○様も一企業の取締役というお立場ですので、
○○会社としての信頼を考慮のうえ、対応をお考えくださればと思います。

以上。
よろしくお願いします。
私からの指摘メールを全文掲載
(ただし、具体的な企業名、個人名、URLは伏字に)

いったん、インターネットという公の場にブログエントリーとして公開した以上、問題は著作者である私だけにとどまりません。
上記にあげたような目に見えるほかのユーザーの反応や、表には出ないユーザーへの影響も考慮して、適切な形で、会社として今回のことをどう受け止め、今後、どう対処していくのかを明示したほうが、企業の責任としてよいのではないかと思ったので、上記のメールを書いたわけです。

消しても消えない。消したくても消せない

しかし、結果は単なる「削除」のみの対応でした。
著作権を侵害しても、指摘を受けたときに、なかったことにすればよいということなのでしょうか? そう思いたくなります。
何か外部に不利益を生じさせるようなことを起こしても、うやむやに終わらせるというのが、その企業のやり方なの?と思ってしまいます。

インターネットという公の場に一度、公開したものは、自社で削除したつもりでも完全には消せません。
先に書いたように、たとえリンク先が404エラーになったとしても、はてなブックマークにブックマークしたあとは[パクリ]や[これはひどい]というタグとともに残ります。
また、先の別のユーザーの方のブログエントリーにも一部の記録として残っていますし、私も証拠となるキャプチャ画像とテキスト全文のコピーを保存しています。
自社のエントリーを削除したからといって消えたわけではないのです。

そういう意味でも、企業のアカウンタビリティが問われる時代に、あまりに無自覚な対応だったのではないでしょうか?
小さい企業だからといって、企業の社会的責任が問われないわけではありません。
そうした企業姿勢では仮に企業が成長した際にも、小さなときの姿勢や文化をひきずってしまう可能性は高いのではないかと思います。
むしろ、小さなときだからこそ、企業の社会的責任を意識した企業文化を社内に浸透させることは容易ではないかと思います。

あらためて問われるブログ時代の企業のマネジメント

今回のことで、まず最初に私のブログエントリーを乱用したこと自体は、別に大した問題ではないと思っています。
しかし、その後の企業としての対応は、大した問題ではないというものではないと思います。
それはこのエントリーのタイトルどおり、不祥事の際の企業の対応にあらわれる企業の基本姿勢を示しているものだからだと思うからです。

無い袖は振れない」のエントリーで、

情報って誰が生産するものか知っていますか?
人が生産するものです。人が発信するものです。
いままでの従業員の動かし方じゃ、情報を生産し発信するようには人は動いてくれません。
人に神輿を担がせるのではなく、むしろ個々人を舞台に送り出すようなマネジメントがなければ、情報の継続的生産~発信のプロセスは生まれません。

と書きました。
(ちなみに「人に神輿を担がせるのではなく、むしろ個々人を舞台に送り出すようなマネジメント」といった一文は、うちの社長の受け売りです)

企業ブログを通じた社外に向けてのコミュニケーションは、まさに「個々人を舞台に送り出す」ことです。
その際、企業の基本姿勢として、きちんとしたマネジメントがないと、今回のようなことが起こりますし、さらにもし万が一起こった場合にどう対応するかというリスク管理ができていなければ、今回以上に大きな問題にだって発展しかねません。

当ブログではこれまで、企業がブログを使ってコミュニケーションすることの利点ばかりを取り上げてきましたが、こうしたリスクもあるということをあらためてここで取り上げさせていただこうと思った次第です。
私も今後、クライアントにブログの話をさせていただく際には、こうしたリスクもあることをあらためてきちんと説明しなくてはいけないなと思った点で勉強させてもらった出来事でした。

 

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