マーケティングが科学的で、全社的な活動だというのなら・・・

「マーケターの失敗につながる3つの能力欠如」で取り上げ、面白そうだと書いた『利益を創出する統合マーケティング・マネジメント』ですが、読み進めてみると、いまひとつ面白くなかったです。 あんまり面白くないなと感じた理由は2点あります。 理由1:「マーケティングはアートではなく科学である」とchapter1で大々的に掲げておきながら、以降の記述に科学的な要素が希薄である点理由2:マーケティングを全社的な問題であると捉えつつも、現在、マーケティング部門が社内で孤立しているという問題を、単純に他の部門と連携できるようにするという改善案のみで解決しようという記述で終始してしまっている点 まぁ、僕の理解力が足りないだけだったり、単純に僕の興味と違っているというだけかもしれませんが、感じたことを書き留めておくことにしましょう。 マーケティングはもっと科学であるこの本を読んでて、科学的な記述に欠けるなと感じるのは、僕がポピュラーサイエンス系の本ばかり読んでいるからでしょうか? いや、そればかりとはいえず、世の中にはビジネスの分野でも科学的な手法を用いた改善ツールはいろいろあります。「ブランドのつくりかた:1.シックスシグマを使う」や「ブランドのつくりかた:2.戦略マップとバランススコアカードを使う」で取り上げたシックスシグマやバランススコアカードなどはその代表的ツールですし、それこそ双方とも経営革新ツールなのですから、マーケティングを全社的な活動として捉えることを主張している本書にはピッタリのツー…

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マーケターの失敗につながる3つの能力欠如

ここ1年以上、マーケティング系の本を買うことはなかったんですが、今日、『利益を創出する統合マーケティング・マネジメント』という本を本屋で見かけ、表紙を見ただけで何故だかわからないが、なんかいい匂いのする本だと思い、目次をめくったら「chapter 01 マーケティングはアートではなく科学である」というタイトルが目に飛び込んできたので、もうその時点で、これは買わなきゃ後悔すると思って買ってみたのだけど、こりゃ納得ですわと思ったのが以下の箇所。 マーケターは次の3点で失敗することが多い。すなわち、(1)ブランドをポジショニングするため、顧客に関する知識を利用する能力の欠如、(2)従来型のメディアを超えてブランドを広める能力の欠如、(3)ブランド・マネジメントのために組織・文化・情報を支援するのに必要な、顧客視点でのプロセス形成能力の欠如である。 デイブ サットン 、トム クライン『利益を創出する統合マーケティング・マネジメント』 どうよ、この3つのポイントでの簡潔な指摘! 今までさんざん言われてきたのと何が違うの?と思ったマーケターなあなた。ちょっと感覚的な鈍ってないですか? おっしゃるとおりこの3つの指摘がバラバラになされることはこれまでもあったでしょう。さらにもっと長ったらしいリストの中にこの3つが含まれていることもあったかもしれません。でも、この3つがこの3つの組みで指摘されたことはおそらくなかったはずです。 特に(3)が重要で、「ブランド・マネジメント」と「顧客視点でのプロ…

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ブログやRSSなどの利用率を他のスタンドアローンなサービスと同じ基準で図るのってどうなんでしょ?

実は前々から思っていた疑問。 ブログやRSSなどの利用率を、いわゆるほかの普通の商品(例えば、洗濯洗剤やペットボトル入り緑茶、バイクなど)と同じ基準で図るのってどうなんでしょ?って思うんです。 測る尺度が間違ってるんじゃないですか?なぜ、そんな疑問をもつかといえば、前者の利用者って実は情報を発信する側と受け取る側の両方にまたがるネットワーク型のサービスであるわけで、それに比べる後者は基本的に利用者本人のみが利用するサービスなわけです。 なので、後者であれば単純に利用者を1人2人と数えることが比較的、意味をもつと思われますが、前者はそういうわけにはいかないんじゃないでしょうか? 『インターネット白書2006』のデータによれば、RSSリーダーの認知率は64.8%、利用率は前回の9.5%から14.8%となったとされています。 この14.8%が少ないと考えるのは、これまでのスタンドアローン(つまり本人のみ使用)で機能するサービスと同じ尺度でみて、多い少ないを判断してるからだと思います。 でも、それって測る尺度が間違ってるんじゃないですか?って思うわけです。 リーダーを使うような人の影響力と、使わない人の影響力って同じように1人という単位で測ることに、また、普及率を全体に対する比率としてあらわすことに意味があるんでしょうか?ってことです。 利用者1人? でも、その影響度は大きく違うよねさっき「人間はちっぽけだけど、儚くはない」というエントリーで尺度の違いがそこから得られる判断…

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文化としてのメディア

実はさっきテレビCMをみていて、ふと思ったことがあったのでメモ。 いわゆる「テレビCM崩壊」的な話がありますが、アメリカで起こっている話をそのまま日本に持ってくる前に一旦疑ってかかってみるべきなのではと思いました。まだ、アイデアレベルで思いついただけなので、現時点では何の答えも出していません。ただし、疑う視点として次のようなことを考えてみてはどうかと思ったわけです。 それはメディアに関して考察する場合、経済的側面からのみ捉えただけではダメではなかということです。メディアはおそらく文化的側面も同時にもっています。グローバル経済の上で、日本とアメリカは同じシステム上で稼動しています。しかし、文化的には異なるシステムをもっているでしょう。このシステムの違いが日米での結果に影響するのではないか? 実はこのあたりの考察がまだなされておらず、現在、語られているのは経済的な側面からの考察です。 もちろん、経済的側面の変化だけでも大きなものです。ですので、これまでのマスメディアに頼っていたマスマーケティングが大きな影響を受けることは間違いないでしょう。僕自身、そう考えるからこそ、「企業のWebマスターのせめこれ8:忙しくて(ブログ、Web)を更新できないなんてウソだよね」などでも書いているとおり、一般の事業会社でもこれまでのような外部に頼りきったマーケティング・コミュニケーションから、自社メディアとしてのWeb、ブログを使って自分たちでマーケティング・コミュニケーションを模索することをはじめるこ…

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Œil de bœuf 2:まな板に乗っているものは何か?

競争の本質はどこにあるのか? 確かに間違っちゃうことは多いし、多くの場合、それは意図的な間違いだったりする。 ゲーム業界が争うべきパイは、台数でもない。売上げでもない。 ユーザーの時間、だ。 これはゲーム業界だけではない。娯楽業界だけですらない。 エンドユーザーに対して必需品以外のものを売っている業界は実はすべてそうなのだ。 404 Blog Not Found:本当は比べるべきなのについ比べてはいけないと思い込む これを弾さんに指摘されちゃうのは、ちょっとツライが、実際、弾さんのいうとおりだと思います。 共感するのは、すでに「作業を増やすことが価値を増やすことがある」というエントリーで「ユーザーの時間」については言及させてもらっていたからです。 弾さんはすこし控えめに「必需品以外」と書いているが、実は「必需品」でさえ、競争の本質がそこに移っていると思えるところもあったりします。 商品のマーケティングだけじゃなく、Webサイトの構築の際にも感じることですけど、目的論(ユーザーは○○の目的のために□□を利用する)だけで考えてしまうと、やたらと機能的観点からの考察が多くなり、結構見落としが多いわけです。特に「楽しい時間」のような経験価値的な部分で。 業界のシェフはためらっても、家庭の主婦はためらわない実際、僕らのような企業側に立つ人間が比較をためらおうと、ユーザー側がそれをためらったりすることはありません。 時間的にも、金銭的にも、ユーザーの使えるコストは限られているの…

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あらためて「費用対効果」って何なのでしょう?

Webでのマーケティングのサポートなんかをしてると、「費用対効果」って言葉をよく耳にします。 たまにROIなんていう人もいますけど、意味するものは投資対効果じゃやなくて、やっぱり「費用対効果」だったりします。 で、実は僕はこの言葉が嫌いです。 だって、多くの場合、その言葉が意味するものが空っぽの場合が多いから。 その意味では言葉が嫌いというより、安易にその言葉を使って満足してる人がイヤなのかな。おんなじ意味で「戦略」って言葉を安易に使いたがる人も苦手。意味わかって使ってます?という感じ(笑) 効果を定義できてないでしょ?さて、費用対効果。 なんで、その言葉がイヤなのかというと、効果のほうが明確にされないまま、用いられることが非常に多いからです。 マーケティングだから売れるのが効果だろと言ったりしますが、実はその先があいまい。 同じ1万円のモノを何らかのWebマーケティング的施策で売れるようにするにしても、たとえば、過去3ヶ月で1万個売れてたものと、3個しか売れなかったものを、売れるようにするのでは難易度とかがたぶん違います。 1万個売れてたものをさらに次の3ヶ月でもう1万個売りましょうというのと、3個しか売れなかったものを同じように3ヶ月で1万個売りましょうっていうのを、売れた金額とそれにかかったプロモーション費用で比較しても、それはおかしいでしょう。 あいまいだっていうのはそのへんなわけです。 で、何を言いたいかといえば、昔からマーケティングの4Pと言われる…

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作業を増やすことが価値を増やすことがある

実はこれmixiの日記のある意味で続き。 でも、mixiの日記を読まなくても、話は通じると思うので、これだけ読んでくれてもOKです。 作業を増やすことで価値を増やす商品があるさて、「作業を増やすことが価値を増やすことがある」。 というか、マーケティング的な発想だと、たぶん「増やすことがある」というか、ほとんどの場合、そうなるのかもしれないなと思うくらい、こういう商品って実は多いと思います。 たとえば、いま読んでる『ダメなものは、タメになる テレビやゲームは頭を良くしている』で扱われてるゲームやテレビ、インターネット、映画なんかはほとんどの場合、ユーザーの作業を増やすものです。そして、その本では対照的なものとして扱われている本にしてもそうです。 読む作業、見る作業、プレイする作業、調べる作業など、どうみても余計な作業を増やすものです。 ビジネスシーンでは作業を減らすことが価値を増やす?それは仕事で行う作業とは似ても似つかないところがあります。 会社からは効率化しろと言われるし、自分でもできれば仕事ははやく終わらせたい。仕事の現場では、作業はどちらかというと減らすことに価値があるものです。業務でやることなんて、できる限り減らしたいと思うのが、企業的にも従業員的にも考えることだと思います。 業務を効率化するためにITの導入やリプレイスが検討されたり、業務プロセスの再設計や、もっと単純なところでは業務ルールに何かしらの変更指示が出されたりします。 ビジネスシーンで…

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住さんのブログエントリーと渡辺さんのセミナーでの講演の紹介

僕も「月間100万人ってサイトの訪問者数としては多いの?」で扱った、Japan.internet.comの「月間100万人以上が訪問する「メガメディア」も、ネットレイティングスの企業サイト調査」を元ネタに、住さんが面白い記事を書いてます。 住さんのブログを読んで考えたこと内容は、きちんとオチまでついてて楽しめると思いますので、ここでは触れませんが、下記の一文だけ、ちょっと紹介。 逆に言えば、まだまだWebの世界では零細企業や個人は冒険ができる、ということであり、ここでの僕の結論は、「やっぱりまだまだWeb上ではイケイケの零細企業や個人が有利だ」といったところです。 月間100万人が訪れるサイト群とAlexaデータに関する考察 | 住 太陽のブログ 確かに、住さんが言うように、マーケティング効果を期待して大企業が、オンラインで思い切ったことをやるにはちょっとハードルが高いだろうなというのは、実は僕自身、普段から感じているところです。 思い切ったと書きましたが、実は普段、ネットを利用していて、自分でブログを書いたり、RSSで情報を取得したりしている人にとっては、まったく「思い切った」ことでもなければ、住さんが「尖りすぎた」と表現しているようなことでもなくて、普通にブログで自分の考えてることを書きましょうだったり、ほかの人のブログで気になるものがあればトラックバックして自分の意見を伝えて上げましょうとか、そんなレベルのことなんですけど、実はそれが大企業にとっては、「思い切った」「尖…

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数字は活動の結果を特定の文脈でしめすもの

「月間100万人ってサイトの訪問者数としては多いの?」で、どうも僕が単に数字の話をしているような書き方をしてしまったようで、誤解を招いてしまったようなので補足です。 基本的に、僕は数字は活動の結果だと思っています。 特にビジネスシーンでは、数字の測定は効果測定という意味合いが大きいと思います。 会計データなどはもちろん企業活動の結果報告や自社内での分析を行うためのツールです。 ですので、論じるべきはやはりその活動が有意なものであったかが主であると考えています。 というわけで、先のエントリーの主旨はあくまで「もっとWebサイトを使って、企業ができることはあるでしょう」というところで、会社規模、利益や売上、ブランドとしての知名度などにおいてかけ離れた企業のサイトの訪問者数が大雑把に数字が近いというだけでも、あれ?っていう感じが見て取れるのではないかと思い、比較対象として数字をあげさせていただいたのにすぎません。 ようはWeb上での活動いかんによっては、知名度のない会社でも、知名度を高め、多くの訪問者を集めるような有意なコミュニケーションも行うことができるというのが伝えたかった部分です。 もちろん、コメントでご指摘いただいたように、数字を用いる際には測定の問題があります。 それは僕も無視できない問題だとは考えていて「尺度:Webマーケティングの効果測定を見直す」というエントリーも書いています。 しかし、それはどういう文脈において何を測るかという問題であって、文脈は企業が目的…

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月間100万人ってサイトの訪問者数としては多いの?

多いの? あんまり、そんな感じはしないな。 月間100万人以上の訪問者を集める企業サイトが増えている――。ネットレイティングスによれば、2000年以降の6年間で企業サイトへの訪問者数は増加傾向にあるという。 Japan.internet.com:月間100万人以上が訪問する「メガメディア」も、ネットレイティングスの企業サイト調査 記事によれば、 sony.co.jp:228万人sony.jp:120万人 で、以下、 toyota.jppanasonic.co.jppanasonic.jpnational.jptoshiba.co.jpasahi.co.jpajinomoto.co.jp などがいずれも100万人前後の訪問者を達成しているそうです。 でも、それってすごいの?って思うのは、うちの会社のような完全にB2Bのサイトでも、企業サイト+ビジネスブログで、月間で100万弱の訪問者が来てるから。 先にあげたような大企業のサイトは、ブランドの力で集めてるんだろうけど、そうじゃなくても訪問者を集めることはできるのがWebってこと。 しかも、うちなんてリスティング広告だって、そんなに出してるわけじゃないし。 逆にいえば、それだけのブランド力持ってて、100万強しか月間訪問者がないってどうなの?って気さえします。 100万強のアクセスなんて、しょせん、こんなもんですから。 多くないんです。 そして、まだまだ、いくらでもできることがあるってことです…

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Webは既存のビジネスを代替してる?それとも・・・

Webは既存のビジネスを代替するものと理解することができるのでしょうか? Webは既存のビジネスを代替してる?先日、実はある編集者の方とそんな話をしました。 すぐに思いつくところでは、オンラインショッピング。これはリアルの店舗をある意味では代替しています。 オンラインマーケティングの話の中で、よく言われるのは、Webサイトを営業マンにってこと。新規顧客の開拓にWebを使って、問い合わせや資料請求などを増やしましょうって考え方ですね。 あと考えればいろいろ例はあって、ネットトレーディングみたいなものもそうですし、オンラインバンキングもそう。マス広告を代替するオンライン広告も含めてもいいですし、WordやExcelなどのOffice製品や最近ではブラウザベースのOSなんかもありますね。雑誌やテレビの代わりにWebで情報を得るといった基本的なこともそれに含まれるでしょう。ニュースや天気予報、お店の情報、商品の価格、知人の口コミの代わりにネットの口コミ。考えればいろいろあるわけです。 でも、それは他のものを単に代替して、それらにとって代わっているというよりも、むしろ、それらの利用されていた頻度を広げているというほうが現実にあった理解なんでしょう。 オンラインショッピングが増えたからといって、リアルのショップがなくなったわけではないし、オンラインバンキングがあるからといってATMがなくなるわけでもありません。ネットで情報を得るようになって、廃刊になる雑誌やテレビの視聴率が落ちてき…

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口コミの舞台設計

ネットの世界に顔を出してくれないと口コミすることもできませんよ、ということですね。 肝心の基調講演がネットで見つからない以下は、東京ゲームショーでのソニーの久夛良木氏の基調講演についてブログに書こうとしたら、肝心の基調講演がネット上に存在してなくて書くことを断念したという、中島さんの体験談+ソニーへの提案という形をとったエントリーからの引用。 当然、ジョブズのプレゼンも岩田氏のプレゼンも見ただろう久夛良木氏が、それに対抗して「ソニーのリビング・ルーム戦略」をどう語るのか、私なりの視点で解説を加えてみたかったのである。 ところがである、肝心の基調講演がネットで見つからないのである(ひょっとしたらどこかに存在するのかも知れないが、私が探した限りでは無い)。これでは何も書けない。 中島聡・ネット時代のデジタルライフスタイル:ソニーのマーケティング部門の人に提案 この感覚、ブロガーだったら非常に共感できるんじゃないでしょうか。 実は僕も先日似たようなことを感じました。百式の田口さんの主催によるブログマーケティング勉強会議でです。その夜に参加の報告もかねて、「百式×BRAUN ブログマーケティング勉強会議」なんてエントリーを書いたんですが、やっぱりブロガーだけが40人強集まったイベントの模様は、その日の夜から次の日くらいにかけて、僕が見つけられたものだけでも10くらいのブログが取り上げられてました。そのときも実は、田口さんがはやく当日の資料をあげてくれないかな、そうすれば詳細の説…

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コンバージョン率絶対主義は脳を退化させる?

測ることは理解することの第一歩でしょう。 測る意思、理解する意思正確な測定こそが科学法則であり、正確な測定が不可能な環境は、法則を欠いたものなのだ。 ロバート・B・ラフリン『物理学の未来』 物理学の現場における、最高では10の-23乗くらいの誤差しかないような正確さには到底及ばないまでも、オフラインからオンラインになってマーケティングの効果測定も正確さの度合いは増してきているといえるでしょう。とはいえ、それはあくまで一般論で、それぞれのマーケティングの現場によって、測定に関する意識や実行の度合いは大きく異なっており、最悪の場合、単純なログ解析さえ行っていない場合もあったりします。それはまったく理解に対する意欲を欠いたものであるとしか思えず、一見、カオス的な事象から一定のパターンを示す法則性を読み取り、そこに集団としての顧客の組織的原理を見出し、マーケティングの成果を向上させようという努力が見えません。 理解への意欲を欠いた選択がどこに向かうかといえば、昨夜の「尺度:Webマーケティングの効果測定を見直す」でも触れたようなコンバージョン率絶対主義のような、ほとんどのシーンで無意味な尺度に乗っかることであたかも測定の義務を果たしているかのように見せかけることかもしれません。しかし、そうした行動のあとに出る言葉といえばほとんど決まって「○○とコンバージョン率の相関がわからない」というものだったりしますが、そもそもコンバージョン率があらゆるものと相関するなんて法則性をいったい誰が見出したん…

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変化に学ぶ

過去のある時点Aと現在の時点Bを比べた場合、そこに変化を見るのか、何も変わっていないと見るのか。そこに正解はないと思っています。それはどういう視点に立脚して比較を行うかに関わってきますから、測定する人の主観に依存します。 ただ、ちょっと思うのは変化を見るほうがその人にとっては有益なのかなということ。変化を見るということはそこにAとBの間に生じた違いという差に関する情報を得ることです。その人にとっては知識が増えるわけです。もちろん、有益と書いたのは、知識が増えることを有益と見た場合です。 例えば、Web2.0というものを見る場合、それが以前から変わらないと見るか、変わった点を見るかということにやっぱり正解はない。でも、後者のほうは新しい情報が得られるわけです。 例えば、僕はユーザーのWebに対する見方や利用シーンが変わったという点でWeb2.0という時代を評価しています。 それがお金を生み出しているのですし。 変化を見る人はそこからお金を生み出す仕組みにつなげられているのかなと感じます。 それは些細な情報かもしれないし、何か大きな発展につながる知識の獲得かもしれない。でも、それを得るのは両者の間に差異を測定できた人だけじゃないのかな?と思うわけです。 そんなことを考えたのは、昨日も書いた標準化プロジェクトのことを考えていたからで、そこに変化を見る人とぜんぜん変わっていないと見てしまう人の間には、温度差があるなと思ったから。変化を起こそうというのだから、変化を測定する視点…

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標準化

いま、仕事でいくつかの標準化プロジェクトに関わっています。 昨日書いたユーザビリティの話もその1つですし、他にも僕自身が関わっていないものも含めて、社内の業務プロセスだったり、お客さんに提出するアウトプットだったりを、ある程度、標準化してバラつきをなくそうというものです。 また、標準化は自由をなくすものではなく、標準化された層と自由にカスタマイズ可能な層を分けることで、標準化された部分の効率化を図り、自由に考えられる部分にあてられる時間を増やすことで自由の余地を広げるものだったりします。 ブログがテンプレートに沿ってコンテンツを入力することで、その他の手間を省けて、コンテンツの内容のみに専念できるのと同じことです。 「「私にしかできない仕事というのは組織では幻想」というのは幻想」で書いた「私にしかできない仕事」を可能にするのも、社内にそうした標準化された層があってはじめて成り立つのかなと思ったりもします。 最初から完璧を目指さないプロジェクトを進める中で時々、標準化はむずかしいといった声も聞かれますが、僕自身は簡単ではないが、そんなにむずかしいものでもないと感じています。というのも、先にも書いたとおり、標準化はすべてを標準化するものではないと思っているからです。また、最初から完璧を目指さないという割り切りも重要だと思っています。 むずかしいと感じてしまうのは、どうやってもむずかしいようなところまで標準化しようと考えてしまうからではないのかなって感じます。それに無理していろん…

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管理と自由

昨夜の「「私にしかできない仕事というのは組織では幻想」というのは幻想」というエントリーにいただいたコメントの中で、「それを幻想としなければ生産管理が難しくなる」だったり、「第一 そんな仕事ばっかの企業って企業として成り立たない」といったコメントをいただきました。 おっしゃりたいことはわからなくもないのですが、ちょっとそれは企業だとか、経営だとかを悲観的にみすぎなのではないだろうかと感じました。本当に企業がそんな風にしか活動できないとすると、ちょっと未来が感じられません。 しかし、別にちょっとくらい個の自由を認めたくらいで、生産管理やその他の面で企業が困ることなんてありません。実際、そういう会社で働いてますから、それは断言できます。それにすべてが自由だというわけでも、昨日もアウトプット要求とサービス要求の分類で説明したように、すべての人が「私にしかできない仕事」をするなんてことを想定していませんから、そういう面でも従業員には選択肢があるわけです。 個を活かす企業文化さて、企業なんて経営次第で如何様にも強くなれるものだと感じています。 じっくりと確かな企業文化の基盤づくりからはじめれば、共通の企業文化と基盤となるプロセスを共有した上で、個を活かすくらいの自由さを個人に与えるくらいは決して不可能ではないし、それで生産管理がむずかしくなることも、ましてや企業として成り立たないことなんてありません。 それこそ、必要以上の管理が必要だったり、個人の自由裁量も認められない企業こそ、逆に確固たる基盤…

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May the Force be with you.

具体的なものがない? 何? かならず成功する答えが欲しいの? 例えば、マクドナルド、スターバックス、ケンタッキー・フライドチキンが役に立つのは、その製品が安定しており、信頼性が高く、何が出てくるかが前もってわかるからだ。しかし同時に、これらの店だけを贔屓にしていると、新しいレストランを発見する可能性が閉ざされてしまう。 ロバート・B・ラフリン『物理学の未来』 答えなどない。すくなくとも安定した答えなどありません。 W3Cにしたがい、Web標準に準拠することで、どんなメリットがあるか?って。 「結局はコンテンツが大事」って言うことが大事だって? 概念や方法論だけじゃなくて、具体的なアイデアが欲しいって? ケーススタディでは不満足なの? 「あなたの力が必要」ですって? じゃあ、あなたは何するの? 答えなどないんです。 もし仮にあったとしても、あなたに事を起こす信念と勇気と忍耐がなければ、何も起こりません。 それなのに、なぜ、ありもしない答えばかり探して、おどおどしてるんでしょうか? だが、私は、(中略)たとえ空港で耐えられなくなったとしても、チェーン店のフローズン・ヨーグルトを食べたいとは思わないし、自堕落な生活を送る人に対しては、地獄で椅子に縛られて、チキン・シーザーサラダだけを永遠に与えられる報いを受けることになると警告したい。 ロバート・B・ラフリン『物理学の未来』 ロバート・B・ラフリンの『物理学の未来』の「第12章 保護のダークサイド」はものすごく示唆に…

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企業の未来のための企業Webサイトの見直し

昨日、非常にありがたいことがありました。今泉大輔さんのブログ・シリアルイノベーションで、僕がこのブログを含め、あちこちに"ベキ分布"に関する記事を紹介していただき、非常に簡潔に要約していただきました。紹介していただけたのはもちろんのこと、自分で書いたものの要約が苦手なのですごくありがたいです。 シリアルイノベーションでの紹介記事 メモ:棚橋弘季氏のベキ分布の考察が非常におもしろい追加メモ:「リンク製造者」という捉え方再追加メモ:ひたすら禿同な箇所 そんな今泉さんが想起された「未来の企業の姿」というのも非常に納得感のあるものでした。 ・社内は”同士”的に結束している。そのなかでも主だった人は、いわゆるEmployee Generated Mediaを使って、外部とインタラクションを行う。 ・EGMを通じて、社外で”同士”が集まる(”同士”に相当するコミュニティが自己組織化する)。彼らはCGMを使って彼らに同調する消費者に影響を与える。 ・社内の”同士”と社外の”同士”とはウマが合う。従って、Consumer Focused Innovation(または民主化するイノベーション)をうまく機能させることもできる。 ・双方納得してイノベーションを連続的に敢行。市場がうまく受容してくれれば企業価値がいや増す。 未来の企業が少し見えた - シリアルイノベーション 以下、今泉さんに非常によい刺激をいただいたので、ここ最近、考えていたことをまとめる意味もふくめて、これからの企業や企業サイ…

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ブロガーと企業のWebマスター

昨日、ブログマーケティング勉強会議に出席してみて、いろいろブログマーケティングだとかSMOだとかについて考えています。 ブロガーなんていうと何か特殊な人種のように思えますが、「SMO:ウェブをブログ化する(ついでにここのトラフィック・データも開示)」のエントリーでも引用させていただいた、シックスアパート関さんの「わたしは日頃からブログはウェブそのもだと考えています」を前提とするなら、企業のWebマスターを含め、Webでの情報発信に関わる人すべてがブロガーなんじゃないのって思いました。 同時にインターネット上にはブログしかない、と。w ブロガーとWebマスターの思いそうやってとらえてみると、ブログマーケティングだとか、SMOだとかも、もうすこしわかりやすくなるんじゃないかなと思いました。 ようするに、ブロガーは企業のWebマスターに学ぶべきことは多いし、Webマスターはブロガーから学ぶことは多いはずだと思うわけです(というか、基本的に人は他人からは学んだほうが得策で、相手を批判してるのは有限な人生の浪費でしかないと思います)。 企業のWebマスターは、それなりに自社の商品をもっとアピールしなきゃいけないとか、自社に対する信頼を高めようと自社で行っている取り組みを伝えようとしていたりするわけです。より多くの採用希望者も集めたいし、投資家にも注目されたいと思っているわけです。企業でWebマスターなどやっていれば、それがミッションなのだから、Webマスター個人に対していい悪いを言って…

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SMOに関する補足

「SMO:ウェブをブログ化する(ついでにここのトラフィック・データも開示)」のエントリーに、aratako0さんからご意見をいただいたのでちょっと僕の考えを補足してみます。 ただし、SMOを単に被リンクを集めて、その上でページランクを上げるための施策として捉えるのなら、話はすっきり理解できる。要はアーリーアダプター層にうまく自社コンテンツを利用してもらい、ソーシャルブックマークやらマッシュアップとして利用してもらうことで、大幅な被リンクの増加を目指す。そして、ページランクを上げ、できればそのままアクセス増加にも。。。こういう話なら、今までのSEOから来ている流れとしても分かりやすい気がするんだけど。 TRANS - SMOの議論に若干の違和感を感じる。 頭が昔風な人を説得するには確かにそれが有効でしょう。 aratako0さんは、<「RSS リーダー」の利用率は14.66%>だったり、「ソーシャルブックマークサービス」の利用率についての<「利用している(利用したことがある)」と回答した人は3.74%>だったりといったといった根拠に違和感を示してらっしゃるのですが、その感覚はなんとなく理解できます。僕も以前にその数字をみたときは「少なっ!」と思いましたから。 でも、その数字だけを根拠にSMOを懐疑するのは、ちょっと想像力の足りない部分もあるのではないかと思っています。もちろん、SMOがまったく効かないセグメントがあるのは確かだと思いますが、すくなくとも一般の人が悲観する以上には効くと思…

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