約2週間、総勢50名を対象にしたユーザー調査マラソンもようやく今日が最終日。
ユーザー調査は内容的にはいろんな発見があるので好きですが、新しいことを発見するのにはそれなりの集中力も必要で体力的にはきつい。緊張感も保った状態でいないといけないので自分がインタビュアでなくて裏からモニタリングするだけでも気づかれします。その意味ではやっぱり、やっと終わると思うとほっとしますね。
そんな状態ですので、ブログの内容も自分が考えたことというより、前回の「格差社会とは」と同様に本を読んでおもしろかったことをご紹介することでお茶を濁しておきます。紹介する本も前回同様で田中優子さんの『カムイ伝講義』。
ギークとしての江戸の農民この『カムイ伝講義』を読んでいると、江戸時代において農民とは現代でいうギークにほかならなかったことがわかります。しかも、以下の引用にあるように、その技術を秘密にするのではなくオープンにしていたあたりがギーク的だなと感じました。
江戸時代は農書が盛んに書かれた時代であった。農民が積極的に農業技術マニュアルを書き、決して閉鎖的にならず、技術を共有しようとしたのである。
田中優子『カムイ伝講義』
もちろん、前回書いたように、江戸時代というのは階級内格差が大きかった時代ですので、ひとことで農民といってもアルファギークのように新田開発や塩田、砂糖絞り、煙草や茶、綿花の栽培、飢饉の際の救援植物としてのサツマイモ栽培、薬としての朝鮮ニンジン栽培、灌漑設備の工夫など、それまで成しえなか…