このヒトを見よ 03:リソース

前回、「02:内部と外部/境界線の相対性」では、内部と外部は常にその境界線を組み替えながら、両者のあいだに関係性を構築することについて考えてみました。 とはいえ、この場合の関係性という言葉は、必ずしも両者の良好な関係ばかりを示すものではありません。 競争関係前回、企業のマーケティングにおける関係性構築を例にしましたが、企業は外部の顧客との関係性において良好なものを目指す一方で、同じく外部の競合他社との関係においては主に競争関係におかれる場合のほうが当然、多くなります。 同じように、生物が環境適応のための自然淘汰を通じて進化を遂げる際も、内部(生物)と外部(環境)の関係は、協働関係である場合もありますが、競争関係が進化のエンジンとして機能することが多くあります。 例えば、捕食者と餌生物の関係に多く見られるように、捕食者の側が研ぎ澄まされた牙や強力な顎を進化させる一方で、餌生物の側ではより硬い甲羅で体表を覆ったりします。 また、逃げる側と追う側で、まさに追いかけっこよろしく互いにより早く走れるように生体のデザインを変化させたりします。 変化にはリソースが必要しかし、変化するといっても、何もないところに突然、羽根が生えたり、アゴができたりするわけではありません。 脊椎動物に顎がなかった時代を思い浮かべてみよう。口の孔は開いているが、そこに開閉する顎構造は存在しない。口の周囲を見れば、そこには顎よりもはるか昔から存在する鰓弓(鰓)が陣取っている。(中略)もしこの鰓弓の前方部分…

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このヒトを見よ 02:内部と外部/境界線の相対性

Web2.0を語る言葉の1つに「サイトの垣根を越えたシンジケーション」というものがあります。 その言葉は、具体的には、APIをオープンにすることでマッシュアップを可能にしたり、RSSやトラックバックなどのXML技術によりサイト間の情報のやりとりを簡便化することによるつながりを指していたりします。 Web2.0という環境私はWeb2.0というものを現在のWeb環境とそれを取り巻く外部環境そのものの変化を指す言葉だと思っています。 ですので、「サイトの垣根を越えたシンジケーション」に関しても、「サイトの垣根を越えたシンジケーション」を行うことよりも、「サイトの垣根を越えたシンジケーション」が行われる環境であること、そして、それによってどんな変化があったかを重視します。 私自身は、Web2.0とは何らかの技術を指す言葉でも、それが儲かるのかと論議する対象でもなく、そうした技術や新しい儲けのスタイルが確立される環境、そして、その環境の以前の環境との変化自体が、Web2.0であると捉えています。 儲けのスタイルと環境といえば、やはりSWOT分析を思い出します。 企業の強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の全体的な評価をSWOT分析といいます。SWOT分析は外部環境分析(機会/脅威の分析)と内部環境分析(強み/弱みの分析)に分けることができます。 外部環境分析とは、企業あるいは事業単位が自らの利益をあげる能力に影響を…

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このヒトを見よ 01:1.0と2.0

このヒトを見よ。 ヒトとは何か? 人はヒトの何を知っているのか? ニーチェの『この人を見よ』(Ecce Homo, 1888)から拝借した、このテーマはしばらく続きそうなので、最初からシーケンシャルナンバー付で書くことにします。 とはいえ、結論となるものは見えていないので、書き連ねていくうちにGOALが見えてくれば幸い。 うしろが見えているか?今日、名古屋駅のエスカレータで「ちょっとどうなの?」と思うシーンに出くわしました。 僕は仕事の関係で急いで移動しなくてはいけない状況でした。 ところが、なにやらチンタラと緩慢な動きでエスカレータの前をふさいでいる集団がいて、なかなかエスカレータに乗れませんでした。 何をやっているのかと苛立ちながら見てみると、2人1組の片方が目隠しをし、もう片方が目隠ししたほうの手を引いていました。そんな組が5組ぐらいあって、エレベータの前を完全にふさいでしまっていたのです。 ようするに、目隠しをしてエスカレータに乗ることを体験することで、視覚に障害のある人の世界を体験しようという主旨なんだと思います。 まぁ、それ自体はいいでしょう。 目隠しをしてまわりが見えない状況でエスカレータに乗ったりすることがどれだけ大変なことか、それでわかるのかもしれません。 ただ、いただけないのはモノが見えていないのは、目隠ししていないほうだということです。 うしろがつまっているのに、目隠ししていないほうがちゃんとエスカレータに乗れるかとか、そんなことばっかり気にし…

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