『ペルソナ作って、それからどうするの? ユーザー中心デザインで作るWebサイト』:amazonにて予約開始

さて、突然ですが、本を書きました。

『ペルソナ作って、それからどうするの? ユーザー中心デザインで作るWebサイト』という本です。初の単著になります。
発売は5月30日。気合の詰まった384ページ、¥2,940です。

追記(2008/05/02 23:25):
情報デザインフォーラムのほうにも関連情報を掲載しました。http://informationdesignforum.blogspot.com/2008/05/web.html

さて、内容と構成は、というと、
具体的にはベースになるものとしてユーザー中心設計の方法論を用い、その中心にペルソナ/シナリオ法を置きます。ただ、それを海外で用いられているそのままの状態で使うのではなく、日本型に変換します。どう変換するかというと、従来ドキュメントベースで進められていた作業のプロセスを「みんなで手を使って考える」ワークショップベースのデザインプロセスへと変換します。従来、日本の伝統文化においては、連歌会や茶会、香道における聞香など、少人数のグループの寄り合いによる「遊び」の会が催されましたが、ワークショップベースのデザインプロセスのお手本にするのもそうした少人数での場の共有によるコラボレーションになります。
(中略)
日本庭園で大きな石と白砂で大海に浮かぶ島を表現したり、茶会において道具や花などで和歌や漢詩の情景を表現したりするのが見立ての技法です。別のものをつかってイメージを共有する技法は、本書で紹介する日本型ユーザー中心デザインの技法でも頻繁に用いられます。ペルソナによるターゲットユーザー像の見立て、シナリオやプロトタイプをつかったユーザーとのインタラクションの見立て、など。場を共有した人びとにより見立ての技法を用いてデザインを徐々に具体化させていく。そうした手法について紹介していくのが本書の内容となっています。
「はじめに 人びとの暮らしから考えるウェブデザイン」より

というように、ペルソナ/シナリオ法やユーザー中心デザインの手法を使った、Webサイトのデザインを進めるにあたっての日本的な方法を模索し、それを、

【概要編】なぜユーザー中心のデザインなのか?
  • 第1章 デザインの問題を特定する
  • 第2章 ペルソナ/シナリオ法とウェブデザイン
  • 第3章 ユーザー中心デザインの方法

【実践編】ユーザー中心のデザイン
  • 第4章 体制作りと基礎体力作り
  • 第5章 デザイン問題を定義する
  • 第6章 ユーザー行動の観察と問題理解のためのデータ収集
  • 第7章 ユーザー行動の分析と統合
  • 第8章 ペルソナ/シナリオ法を使ったユーザー行動のリデザイン
  • 第9章 プロトタイピング
  • 第10章 ユーザーテスト法によるデザイン評価
  • 第11章 オペレーションをデザインする
「目次」より

というように、概要編と実践編との2部に分けて、理論と実践方法という2軸から紹介するものとなっています。

その他、本の特徴を書いておくと、

  • いわゆる「ブログ本」ではなく、書き下ろしです。
  • ただ、お上品ぶって大人しく当たり前のことを書いてもおもしろくないなというのは『マーケティング2.0』の時に学んだので、ブログ並みかそれ以上に当り前じゃないことも書いてます。
  • ペルソナスクエアで同タイトル(サブタイトルは違います)の連載をやってますが、それとも内容は異なります。連載のほうはどちらかというと、本の続編で、対象をWebからプロダクトに変えて進める予定。
  • タイトルにもあるとおり、これまでのペルソナ関連の書籍が扱ってこなかった、ペルソナをつくったあとの具体的なデザインへの落とし込みをどうするかというところにも焦点をあてています。手法やプロセスを紹介する実践編では、作業の進め方がイメージしやすいよう、ケーススタディも用意しました。
  • 単なる「技術本」でも、ひたすら「デザインの方法」を紹介した本ではありません。「デザインとは何か」「何のためにどうデザインしたらよいか」を考えるきっかけになるような一冊となってます。
  • リファレンスを目的とした本ではなく、読んでいただける本を目指しました。リファレンスなら検索できるWebのほうが向いてると思ったので。そのため、いわゆる技術本にありがちな横書きの体裁ではなく、縦書きの体裁にしています。
  • 読者対象は、Webサイトのデザイン・制作に関わる方はもちろん、Webサイトの運営やWeb以外のデザインを仕事にしている方も想定したものとなっています。広くデザインに関わる方に読んでいただければ幸いです。

なお、書影や目次の掲載はまだですが、本日より、amazonにて予約可能となっております。



書影や目次の掲載など、追加情報は今後もこのブログで随時紹介していこうと思いますので、しばらくお待ちください。

質問などあれば、コメント欄にお願いします。

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