旬のネタに(火がつく前に)すばやく言及するには、大きく分けて3つの能力が必要だ。
松岡さんは、<タイミングを逃さない>ために必要な<3つの能力>として、
- アンテナ力
- オリジナリティ
- フィルタリング力
を挙げてらっしゃいます。
また<火がつく前に先を読む>力が必要とも。
僕は<火がつく前に先を読む>ためにも、<タイミングを逃さない>ためにも、結局、普段からどれだけ仮説をもっているのかが重要だということかと思っています。
自分の文脈がないと、目の前のヒントにもなかなか気づけないのではないか、と。
世界はもともとヒントで満ち溢れている
結局、人間って、わかることしかわからないんだと思うんですね。金を探していなければ金脈は見つからないし、ダイアモンドを探していなければ目の前のダイアモンドにも気づかないんです。
あらかじめ仮説としての自分の視点がなくては、目の前に何か大切なもが提示されたとしても、その価値を見出すことはできないんです。
つまり、普段からものを考えて、問題意識をもっていなくては、どんなに情報収集をしたところで、<ホットな話題にリアルタイムでからむ>なんてことはできないんだと思います。自分の仮説=問題意識の文脈があってこそ、目の前にあらわれた金脈やダイアモンドの原石を発見し、それを自分で加工=編集してその価値を高めるアウトプットが出せるのだと思うんです。
発見はあくまでパズルのピースを見つけるようなもので、あらかじめ仮説としての問題意識がなければ、それに気づくことなんてできないんだと思います。
ヒントが突然あらわれるのではなくて、世界はもともとヒントで満ち溢れているんですよ。ただ、それを見つけるには自分が何を問題にしているかがはっきり見えていなければ、それにはまるヒントも見出せないってだけのことです。
最初にパッと<映像がしっかり浮かばない>と
なので、<ホットなトピックにいち早くからむ>のは当然のことなんですね。だって、最初から問題の枠組みはできていて、それにはまる最後のピースを探しているだけの状況に近いんですから。編集はおおよそ済んでいて、最後のピースを見つけたら、その意味をもう一度考えて、全体の枠組みを微修正したのちにアウトプットするだけです。アウトプット自体もその時点で頭のなかにはほとんどできていると考えていいと思います。
内田 デザインは最初に「西行より少なく」という映像がしっかり浮かばないと先にゆけない。次にそれを実現する方法論を考え、最後に現場の職人や技術者との打ち合わせと続くんですが、概念化と形態化を一緒に実現するような図ができない人はデザインに向いていないですね。
最初にパッと<映像がしっかり浮かばない>と、あとでどんなに時間をかけてもダメなんだと思います。絵が浮かばないというのは、まだ問題そのものを自分のものにできていない状態です。問題が見えてないのに回答が得られるはずはないんですね。
そして、最初に絵が浮かぶようにするには、何かネタとなるような発見をする以前に、自分の側に仮説が準備できていないといけないんだと思います。その仮説があって、最後のピースを見つかるので、「あっ、わかった!」となるんだと思います。
反射神経のよさだけではタイミングなどはかれない
結局のところ、いかに普段から頭を使って考えているか、ということなんだと思います。人間って、わかることしかわからないんですから。わかるための枠組みを事前に準備できているという前提があってこそ、<ホットなトピックにいち早くからむ>という反射神経につながります。いろんなものごとに興味をもち、問題意識を組み立てられているかです。
さすがに反射神経だけでは<ホットなトピックにいち早くからむ>なんてことはできないんでしょう。
そして、これはもちろんブログ力の問題だけじゃなく、「判断力は情報デザイン力、物語化の能力」で書いたような情報デザインとしての判断力の問題ですし、あらゆるデザインの問題でもあると思います。
意図がないところに問題発見や問題解決というデザインの能力が発揮されることはないでしょう。
関連エントリー
- 判断力は情報デザイン力、物語化の能力
- 何が起こっているのかわからない状態を脱するための9つの工程
- 速度を速めるとゆっくりできる
- スピードを上げたいなら速度を上げるんじゃなくてスタートを早めること
- スタートを早めるためには、意図的に過去の経験の蓄積を増やさなくてはいけない
- 効率よく情報収集をするために必要な5つの行動
- 間違えを恐れるあまり思考のアウトプット速度を遅くしていませんか?
この記事へのコメント
松岡美樹
いつも拝読しております。
この記事の冒頭で私の名前を、
「松浦」と表記されていますが
「松岡」に修正してください。
記事の論旨にはいつも同様、
頷かされました。
今後ともよろしくお願い致します。
追伸
名前の修正が終わりましたら、
このコメントは削除していただいて結構です。
tanahashi
修正いたしましたので、ご勘弁を。
また、これからもよろしくお願いします。