2008年02月07日

自分の視野を広げるためにも他人の意見には耳を傾けなきゃ

判断力は情報デザイン力、物語化の能力」や「何が起こっているのかわからない状態を脱するための9つの工程」では、判断力を高めるためには情報デザインの方法を知っているとよいですねと書きました。

手持ちの情報を整理し、足りない情報は調査で補完する。集めた情報を分析的に構造化し文脈を知る。物語化する。

判断するためにはまず問題がわかる・理解することが必要ですが、それができないために判断ができない場合が多いのでは、という内容でした。

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いったん視野を広げて問題の構造を把握したうえで、適切な解決策を絞りこんでいくわけですよ。

他人の話に耳を傾けられない人が陥る部分情報問題

というわけで前回まではなかなか判断ができない人にとっての処方箋をまとめてみたわけですが、もう1つ逆に、判断が独断になってしまう人にも、おなじようにこのデザイン思考による判断の方法は有効です。

他人の話を聞かなかったり、目の前の情報の偏った一部分のみで独断的な判断をしてしまう人がいますが、それはいけません。情報が偏ってしまうと本来判断に必要なはずの情報の構造に死角を生じさせてしまうからです。不適切な物語からは不適切な判断しか生まれません。

前に「生きていることの科学/郡司ペギオ−幸夫」で、下図のような完全情報問題と部分情報問題の違いを説明しましたが、とうぜん、完全情報問題に比べると部分情報問題を解くほうが判断を間違う確率は高まります。

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実際には、完全情報問題など日常にはないわけで、あらゆる問題が部分情報問題ではあるわけですが、とはいえ、ほかの条件がおなじであれば見えている部分が多いほうがやっぱり判断の精度はよくなるはずです。
情報は単に多ければいいというものではありませんが、このブログでよく書いているように、自分が何がわかっていないかを理解したうえで調査で足りない情報を補完しておくということは大事です。
「自分が何がわかっていないか」の検討を行わず独断的に判断してしまえば、問題の構造を捉え間違えて適切な判断ができない可能性は高いし、独断的な人が1人いると複数の人が関わる問題の判断は混乱したものにもなるし不協和音も起こりやすいでしょう。

他人の話に耳を傾けられない人は情報を得る機会を損失している

生きていることの科学/郡司ペギオ−幸夫」のなかで、僕は<「わたし」という装置にとってはむしろ目の前に見えている選択可能な要素に対して、選択の事前から具体的なアクションによって事後へと移ることで、別の選択肢が見えてくる>と書きましたが、情報収集・整理の段階で視野を広げておかないと、この「選択する」というアクションによって別の選択肢がみえてくるという芋づる式の情報収集が起こりにくくなります。

他人の話に耳を傾けられない人は、ここでその分だけ状況を把握するための情報を得る機会を失うことになってしまうのです。

独断的な判断には、そもそも情報不足、勉強不足という要因があったりしますが、たまに情報収集が足りなくて独断的になってしまう場合もあるという程度なら、その都度反省できますのでまあよいでしょう。

他人の意見に耳を傾けられない5つの原因

問題は、そもそも普段から他人の意見に耳を傾けられずに独断的な判断を行ってしまう人です。これは困りますね。
複数の人が集まってひとつの問題を解くというときには役に立ちませんし、問題発見・解決の場を混乱させたりします。KYとかいいますが、空気なんてあいまいなものは読まなくていいので、情報収集・整理という具体的な作業に参加してもらいたいのですが、それができない。原因はいくつか考えられると思いますが、「他人の意見に耳を傾けられない」主な原因としては次のようなものが挙げられるのではないでしょうか。

  • 不勉強:そもそも相手の言っていることを理解するための知見が足りない。あるいは自分自身の主張のベースとなっているものの知識も不足しているために、さまざまな角度で考えることができず、意見がごり押しになってしまう
  • 謙虚さがない:相手の言葉を受け入れるだけの謙虚さがない。相手が素人だったりすると、素人なりの知見があるということがわからず、自分の側の凝り固まった文脈に無理やり相手の話をあてはめてしまったり、そもそも話をちゃんと聞こうとしない
  • 要約してしまう:話のディテールや生々しさに対峙することなく、既成概念や観念のカテゴリーで話を理解しようとしてしまう。話の背後にある文脈の違いを無視して、象徴的な事象のみで話を要約する形で理解してしまう
  • 相手の話を遮ってしまう:相手の話を聞いている途中で自分が何かを思いついたりすると、話の途中でも自分の話をはじめてしまう。話の流れが中断され、相手の話がそこで途切れてしまう
  • 臆病:わからないことがあっても質問できない。わかってるふりをしてしまう。

こうした要因が単独で作用したり、組み合わさって作用することで、「他人の意見に耳を傾けられない」状況が生まれてしまうのではないでしょうか。
みんなで会話をしてるなかで、ひとり視点のズレた思い込みだけの発言をする人がいると、ちょっとかわいそうだなと思います。どうして自分の意見はもったまま、ほかの人の意見も取り込んで、より総合的な解決策を探りだそうという方向に頭がはたらかないのかなって。どんどん他人の知見を吸収したほうが自分自身の幅を広げることにもなるのに。

もし自分が、他人の話を聞かず独断的な判断をしてしまうことが多いなと感じられたら、この5つの要因にあてはまるものがないか考えてみるのもよいかもしれません。
相手によっては話を聞けないことがあるって人も、おんなじように考えてみてもいいかもしれませんね。

という自戒もこめたエントリーでした。

  

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posted by HIROKI tanahashi at 20:47| Comment(0) | TrackBack(0) | ライフハックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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