縦書き・横書き

さっき気がつきました。

普段、自分が紙などに字を書くときに横書きで書いているってことに。

最近、本は縦書きのほうが読みやすいし、美しいななんてことを思ったり、話したりしていたんですけど、そういう自分が普段、字を書く際に横に文字を書いていることに、いまさら気づいたんです。

気づいたのは、今日、「メモを書く」ことに関する簡易的なユーザー観察調査をやったからで、見ていたときは気づかなかったんですけど、あとで振り返ってみて、あれ、横に書いているって思ったんです。
で、振り返ってみると、自分も横書き。

ノートに文字を縦に書くという違和感

ちょっといま試しに縦書きで文字を書いてみると、もちろん書けないことはないんですけど、なんとなく違和感があります。

まず、文字の間隔がちょっとつかみにくかったりします。
間が抜けた感じになるし、こうやってみると横に並べたときにちょうどいい具合に見えるよう、文字自体を縦長に書いてしまっている気がします。
違和感があるので、ちゃんと書こうとすることに集中するからか、字も間違えやすくて、実は下の写真を撮るまで、冒頭の文章を間違いなく書くのに2回間違えました(3度目の正直)。

縦書き

身体が覚えているクセってこわいですね。急に縦書きにしようとしてもできません。

無理矢理ノートを縦書きに使おうとするのにも、縦に書くこと以上にすごく違和感があります。
縦書きができるよう、横向きに置こうとするのを拒否するアフォーダンスがノートのデザインにはありました。

縦書きの本のほうが読みやすくないですか?

でも、どうして横書きするようになったんでしょうね。
ノートの罫が横に書くようになってるから、子どもの頃からそうなんでしょうね。
でも、どうしてもともと日本語は縦書きで書いていたはずなのに、ノートを横書きにしちゃったんでしょうか。謎です。

考えてみると、小学校の頃の教科書って縦書きだったんだろうか、横書きだったんだろうか。

算数(あるいは数学)、理科なんかは、数式が使われてるから横書きだったんだろうなという気がします。
国語の教科書はどうだったんだろう? 漢文とかが載っているものは縦書きだった気がします。

よく覚えていませんが、いまでも僕は縦書きの本のほうが読みやすく感じます。
このあいだ、会社でも話していたんですけど、横書きの本って見開きになった2ページにまったく見出しも何もないとすごく圧迫感があります。
縦書きだとぜんぜんそんなことないのに、横書きだと1ページに1つくらいは見出しのようなアクセントがないとすごく窮屈な印象を受けるんです。
これはいったい何なんでしょう? でも、だからといって、見出しばっかりの本ってあんまり美しく感じられません。

Webの文章でもそうですよね。適度に見出しがないと、すごく文字がつまってる印象を受けます。
だから、このブログみたいに1ページの文章が長いと、読むのがすごく大変そうな気がします。それでも、本にしたら本の4ページくらいの文章量なんですけどね。

縦書きのほうが読みやすいのも単なる慣れなんでしょうか?

身体とデザイン、そして、精神の関係

で、結論をいうと、これからのデザインってこういうレベルでものを考えていかないとダメなんじゃないかと思うんです。

しばらく文字を書くときも縦書きで書いてみようかなと思いましたが、それを続けていると、何か変わるのかなっていうところに興味があります。

縦書きでも横書きでも変わらないだろって思う方が多いと思いますが、僕はたぶん違うだろうなって予測しています。
具体的に何がどう変わってくるかは自分で人体実験してのお楽しみですが、絵だって写真だって縦横反対にしたり、上下逆さまにするだけで、何の絵(写真)かわからなくなります。
それくらい、人間の認識って自分ではまったく意識しないところで縦横左右というのに依存しているはずです。

これって畳のうえに坐って生活するのと、椅子に座って暮らすのとでも違いがあると思うんですよね。
そして、現在のところ、何が違うか、明確にできていないところが問題なんだと思います。
マニュアル的知識があれば使えるiPhone/iPod touchと練習しないと乗れない自転車のデザインの違いは、結果としてどこにどうあらわれてくるのかな?っていうところに興味があります。

だって、それが正真正銘のユーザーエクスペリエンスだって思うから。

  

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