スピードを上げたいなら速度を上げるんじゃなくてスタートを早めること

怒涛の一週間が終了。

忙しいというか、とにかくユーザー調査やら社内外でのワークショップブレスト、企画書&見積もり作成、顧客対応やならなにやらで、予定がつまっていて、かなりとっちらかった状態です。
来週以降も引き続き、こんな具合に予定が詰まってるので、できるだけ準備は周到に、イメトレなどもしつつ、それぞれの本番を迎えられるようにしたいと考えてます。

で、こんだけ予定がびっしり詰まってる中でもどうにか回ってるのは、やっぱり何より早い段階から準備だけは整えていたおかげかなと思ってます。

必要になって準備をはじめるのではなく、もっと前から準備しておくこと。
そうしないと、スピードをあげることなんてできません。


これが意外とわかってない人が多いんだと思います。
人だけじゃなくて企業も。
そのことについて、ちょっと書いてみようと思います。


使える時間も限られてるし作業速度を上げるにも限度がある

効率よく情報収集をするために必要な5つの行動」というエントリーで、情報収集を効率化するためには必要になってはじめて情報収集をはじめるのではなく、もっと前に情報収集の下地をつくったり、情報収集をやっておくことが大事だと書きました。
また、それはリサーチでも同じで何かわからないこと、知りたいことがでてきてはじめて調査するのでは遅く、必要になる前から調査を行っておくことが必要だと書きました。

結局、効率化とかスピードアップとかいったって、使える時間も限られてるし、作業速度を上げたり無駄を省くといったって限りがあります。効率化、スピードアップと聞いて、文字通り、効率よくするために無駄を省くことを考えたり、作業速度をあげることを考えるのは、実は得策じゃないと思うんです。

そうじゃなく、必要になる前にはじめておく、という準備こそが、効率化においてもスピードアップにおいても大事だと思うんです。

時間の短縮ではなく先取りを考える

もっと早く作業を完了させたい、他社より先に新しい技術を習得したい、あるいは、商品開発の速度をあげたい。そう思うなら、そこに費やす時間を短縮することを考えるのではなく、何よりスタートする時期自体を早めることが必要なんだと思います。

時間を短縮すれば、やる必要があることもやれなくなります。

商品開発に必要なユーザーの利用状況の理解やニーズの把握を十分に行わずに、定められたリリース時期に間に合わせようととりあえず仮説ベースでユーザーのニーズを決めてとりあえず形にしてしまう。十分な検討時間もとれずデザイン評価も行われず、お尻のきまったリリース時期に形だけを間に合わせる。

そんなやっつけ仕事でいいの?って思います。

開発期間を短縮して商品リリースを早めるんじゃなくて、ユーザー調査で利用状況やニーズの把握をする時間もあり、コンセプトの検討やデザイン評価にも時間をかけられる十分な開発期間をもちつつ、リリースを遅らせないためには、開発のスタート時期こそを早めるべきでしょう。

時間の短縮ではなく先取りを考える

ようは必要になってからスタートするんじゃ遅いんです。
必要になる前からはじめていないとダメだと思います。

もっともっとスタートを早めるには、必要になってからではなく、むしろ、必要そのものを生み出すくらいじゃないといけません。

ようは後追いするのではなく、先取りする。
獲物を狩るのではなく、計画的に田畑を耕し実を育てるのです。

そのためには自分たちが何を達成しようとしているのかという明確なフィロソフィー、ヴィジョンがないとダメでしょう。
自分たちの好みや価値観、こだわりを深く知っていて(「自分をつくる:其の3.自分の「好き=数奇」をつくる3つのポイント」参照)、外の価値観にあわせてものづくりを行うのではなく、自分たちの価値観を広く世に分かち合うためのものづくりを行う姿勢が必要なんだと思います。

ようは自分の仕事をつくる、自分たちの仕事をつくる、ことです。
他人の仕事を自分もやってたんじゃ、そりゃ、あまり価値は認めてもらえません。

それができてないから他を追従してばかりの自転車操業になっちゃうんですよね。
しかも他を追随したり同じようなものをつくってたら価格競争で、またもや効率化してどうこうとかいう話になるばかりだし。

それじゃあ、ダメだと思うんですよね。

   

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