なんで、こんな当たり前のこと書いてるかって言うと、「企画屋さんは自分の仕事はデザインだと認識したほうがいいんだと思うよ」への反応をみていて、この当たり前のことを意外と忘れている人が多そうだなって風に感じたから。
なんで広告やキャンペーンだけに頼ったマーケティングに走ろうとするの?
最近、このブログでWebの話やマーケティングの話を書かなかったのは、なんか広告メイン、キャンペーンメインのマーケティングだとか、口コミがどうたらこうたらとかいう話題ばっかりの昨今のマーケティングの話にしらけちゃった感じがあるからなんですよね。そういう話がWeb上で話題になってるのって、そういうものを売りたい人たちががんばって宣伝してるからです。ノウハウとか事例とか出してわかりやすく情報提供してるからこそ、それがWeb上で話題になる。
その意味では広告屋さん自身は広告にたよらない地道なマーケティングをしてるわけです。でも、実際に売ってるのはそういう地道なマーケティング活動のすすめじゃなくて、お金を払ってる期間しか効果の得られない広告だったりするのはいかがなものか、と。
そういう事業なので広告屋さん自体がやってることはいいんですけど、それに乗せられちゃってる側はいったいどうなの?という気はします。
広告屋さんだって自分たちはちゃんと広告だけに頼らず、地道な情報提供で自社のサービスに関する興味喚起、欲求喚起をしてるなかで、なんで広告やキャンペーンだけに頼ったマーケティングに走ろうと思うのか、よくわかりません。
Webサイトへの訪問者はリンクをたどってしか訪れない
Webだけに限って話をすれば、Web上でのマーケティングなんて本当はすごくシンプルなんですよ。ごちゃごちゃした専門用語なんて本当は知らなくてもいんです。
まず、さっきの「企画屋さんは自分の仕事はデザインだと認識したほうがいいんだと思うよ」と絡めた話でいうと、コンテンツの企画屋さんは結構「サイトを訪れたユーザーが○○って感じてくれるように・・・」みたいな話をするわけですけど、その何の疑問もなく前提としている「サイトを訪れた」という状況はいったいどうやって現実化するの?と疑問に思うことが多々あります。
一方でリスティング広告なんかを売ってる人たちだと逆に「サイトを訪れる」ことばかりにしか考えがおよぼなかったり、もうすこし視野が広がったとしてもランディングページがどうたらこうたらという話にしかなりません。
そんなごちゃごちゃしたと小分けにされてしまっている話は実際はどうでもいいんです。
所詮、マーケティングなんて思いっきり簡略化してしまえば、買いたい人と買ってもらいたい人のマッチングをどうするの?って話でしかないわけですから。
Webの話に戻せば、買ってもらいたいものがWebに掲載されているなら、どうやってそのページを買いたい人に教え、実際に見てもらうかというだけの話です。
で、最もシンプルな事実は、あるWebページを一般のユーザーが見るためには、URLをブラウザ経由でサーバーにリクエストするしかないということです。
知らないページのURLを一般のユーザーが直接入力することはありえませんから、結局はWebサイトへの訪問者はリンクをたどってしか訪れることはないというのが事実です。
Webマーケティングがやってるのはいかにリンクを増やすかということ
ようするに何をいいたいかといいえば、結局、Webマーケティングとか言ってるのはすべてこのユーザーがWebページを訪れるためのリンクを増やす作業でしかないわけです。SEOだって、リスティング広告だって、Webキャンペーンだって、口コミでブロガーにリンクをはってもらう類いの企画だって、みんな、そうでしょ?
でもね、ここで考えておきたいのは、そのうちのどれが中長期にわたって持続可能性をもったマーケティングにつながるのか?ってことです。
そりゃね、お金を広告屋さんとかに払い続けてれば、それなりの効果は出るのは当たり前です(いや、効果がでないと困っちゃいますよね)。
でも、できれば広告費を払い続けなくても、効果のでる施策もないと中長期的に右肩上がりでの成長を見込みたい場合は困りますよね。全部の効果がコストのかかる広告だけでしか得られないのだとしたら、右肩上がりの成長にはそれに比例した広告費が必要って話になっちゃいますから。
実は地道な情報提供がWebで効くんです
で、さっきの「Webサイトへの訪問者はリンクをたどってしか訪れない」って話。これは裏を返せば「Webサイトへの訪問者はリンクをたどって訪れる」っていう話です。
Web上のリンクっていうのは何もお金を払い続けなきゃ維持できない類いのものばかりではありません。中長期的なところを視野にいれてWebでのマーケティングを考えるなら、一時的なキャンペーンなどもありですけど、同時に「いかにして恒常的に存在するリンクを増やすか」ってことも真剣に考えないとダメです。
それには最初のほうに書いた広告屋さんの地道なWeb上での情報提供なんて、まさにそうした施策の1つですよね。役に立つ情報を提供し続ければ、ちゃんと話題にもなるし、いろんな人がリンクをはってくれる可能性も大きい。ある意味では役に立つ情報を提供した数だけ、リンクの数も増えるし、その手のリンクはなかなかネットワーク上からなくなったりしないわけです。
で、役に立つ情報だからリンクが増えるって場合、役に立つってことはすでにその時点でアグリーされてるわけです。それが無理やりリスティング広告で集客した場合に比べて、訪問者のニーズにマッチしやすさの確率は十分に高いといえるのではないかと思うわけです。
持続可能なマーケティング
短期的に何度もアイデアフラッシュをして、そこから企画を絞り込んで、一定期間キャンペーンをうつというのを繰り返すのももちろんありです。でも、もうちょっと時間をかけてでも中長期的なマーケティングのしくみをデザインして、それをある程度ルーチンでまわせるようにするほうがWebでのマーケティングには向いてる気がします。ただ、どうもそのあたりがまだ市場ではちゃんと認識されていないのかななんて思います。
自分でブログを書いてたりすると、そのあたりの持続可能なマーケティングっていうイメージがわきやすいと思うんですけどね。
そういう意味ですごくひさびさに「企業のWebマスターのための「せめてこれだけは使っておこう」なんてエントリーにリンクをはってみたり。
そして、ひさびさにWebのマーケティングに関する話を書いてみましたが、またこれでしばらくこの手の話は書かないんだろうなっていう気がしています。
うーん。最近、本当にこの手の話に自分では興味を失ってしまっています。だって、本当はここで書いたようにすごくシンプルな話ですから、Webマーケティングなんて。
これがなぜ人はその商品を選ぶのか?なんてところまで踏み込めば、結構複雑で、僕の興味にも再度火がつきそうですけど、まだ、それには道のりが遠いんだろうな、と思ってます。
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