自分の立ち位置2(自分自身が進もうとしているベクトル)

先日、「自分の立ち位置(外が見えなくなったら)」なんてエントリーを書きましたが、今日は自分の立ちたい位置について整理する意味で思ってることを箇条書きにしてみようかな、と。

まずは、デザインについて。

  • 競争相手をどう捉えるか?」で似たようなことを書きましたが、僕自身がスコープにしようと思うのも「Web制作」じゃなくて「情報デザイン」ですね。
  • 情報デザイン。僕がその言葉でイメージしてるのはいわゆるUIのデザインですね。携帯電話の画面も含め、インタラクションのある電子機器一般のUIをiPhone並みにしたいですよね。まぁ、iPhoneを実際に触ったわけではありませんが。
  • で、方法はずっと書いてますが、人間中心のデザイン手法がメイン。そこに認知科学、感性工学、人間工学的なところの理解を深めた上で自分なりにアウトプットしていければ。
  • 人間中心という言葉。人間中心がなぜ必要か? 僕がイメージしてるのは、Webもそうですがインタラクションの多いシステムのUIにおいては、人間が普段自分自身でも意識していない行動がとても多く関わっているから。
  • 「自分自身でも意識していない」だけじゃなく、その分野はようするにこれまでの研究でもあまり「わかっていない」。そもそも意識されていない部分だから積極的に論じられていない部分でもあったりするんでしょう。また、意識下のものだからわかりにくさもあったり。
  • でも、その意識下のレベル、わかりにくいにもかかわらず、人の身体が日常ごくごく当たり前に行っている部分の理解を進めないかぎり、これまたどうデザインするとよいかがわかりにくいUIのデザインにおいて、使いやすさや使った際の不快さをなくすことはできないと思ってます。これは深いな、と思っていて、だから、ものすごく興味がある。
  • なので、僕自身がいま人間中心の思考になってるので、実はWebだとか携帯だとかっていうモノ側のカテゴリー自体がナンセンスに思えてたりもします。ひとまとめで情報デザインって括りでよいのではないか、と。で、そのデザインのための手法として人間中心デザイン、Human Centered Designを使いますよ、って感じです。


あとはマーケティングとか。

  • これまでやってきたマーケティングとか、それも嫌いになったわけじゃないし、完全にやめようという気はないですが、外から見たわかりやすさを考えると「マーケティングの人」という立ち位置はやめて「人間中心のデザインの人」という立ち位置にはなろうかと。
  • マーケティングも好きですよ。人に焦点をあてているという意味では。ただ、マーケティングが焦点をあてるのはやっぱり「買う人」としての顧客です。僕はもうちょっと幅を広げて「使う人」「利用する人」としてのユーザーにフォーカスしてみたいと思ってます。
  • あと人が関わるところでは組織の内部の人というのもありなんでしょうけど、そこはちょっと興味はない。だから、あんまりビジネスの最上流のところに関わる気はないんですよね。やっぱり僕が興味があるのは、組織が外部の人、社会と関わりはじめるところあたりからですね。組織の基盤どうこうはちょっとスコープに入れるのはむずかしいですね。

具体的には何をやっていくんだろう?

  • 人間中心のデザイン・プロセスにおいて、僕が具体的に関われるのはいわゆる狭義のデザイン作業以外の部分なんだと思います。デザインするものの理解を深めた上で、それが実際のユーザーによって使われている場面を観察。そこからユーザー要求を抽出し、行動シナリオによって基礎となるインタラクションをデザインする。そこから誰かの手を借りてプロトタイプをつくってもらう。できたプロトタイプをユーザーテストによって評価して、問題点を抽出するところなんかは僕が再び関わるところになるんじゃないか、と。
  • そんな感じで、製品のデザインのユーザビリティ、ユーザーの経験価値を高めていく。iPhoneのブレイクなんか考えてもわかりますが、モニターのなかのUIのデザインはこれから製品の競争価値を高めていく重要なファクターです。外側のデザインが勝負だったのが、ディスプレイの中のUIも勝負になってきています。だから、そこにはビジネスが生まれる。そこを狙っていきたいですね。
  • で、そういう仕事をする場合になんて名乗るのか?そこがちょっと考えどころです。ユーザビリティだと範囲が限られる気がします。デザイン・コンサルティングとかデザイン・ファームとかいうと、僕だけではちょっと無理。いま自分のなかでありかなと思っているのは「HCDコンサルティング」でしょうか。
  • サービスの目的は先にも書いたように製品のUIの競争価値を高めること。具体的な提供価値は、ユーザビリティの向上、価値あるユーザー経験の創出といったところだと思います。

いろいろやってはきましたが、しばらくはこのあたりにフォーカスを絞って、きちんと自分の立ち位置を外からもわかりやすい状態にしていきたいな、と。

 

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この記事へのコメント

  • アサノ

    激しく同意!

    そういう考えって当たり前のようで、あまり居ない。
    トランスディシプリナリーな行為だけが新しい世界を作るのです。
    2007年07月02日 08:26
  • tanahashi

    アサノ先生、

    トランスディシプリナリーですか。
    自分の関心に素直になると、自然と領域横断的な動きになりますね。
    既存のカテゴライズが今の時代にあってないのかもしれませんね。
    あるいは機能ベースで考えるということが。
    2007年07月03日 09:33

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