いわゆるWebマーケティングって言葉でイメージされる安っぽい話をするのはイヤだったので、はじめは貸借対照表と損益計算書の説明から入り、マイケル・ポーターのバリューチェーンや5 Forces Model、SWOT分析、マイケル・トレーシーとフレッド・ウィアセーマの3つの価値基準、3C分析、マーケティング・ミックスの4つのPとかの話をしました。
普段、ある程度の社会人経験のある人にマーケティングの話をする際にも、こんな話はしないんですけど、「聞いててわからなくても大丈夫。ある程度、社歴のある人だって、こんな話、全部わかる人いないから」と前置きをしながら、大学卒業したての新人に上記のような内容を話したんですけど、新卒もわからないなりに興味をもって聞いてくれてたようだし、話した僕自身、なかなか新鮮で楽しかった。
で、そんなことをした日の帰り道、いまさらながらインターナル・マーケティングって大事だなって思ったんです。
インターナル・マーケティング
顧客を対象とした一般的なマーケティング活動を「エクスターナル・マーケティング」と呼ぶのに対して、社内の人間を対象にしたマーケティング活動を「インターナル・マーケティング」と呼びます。かのフィリップ・コトラーは、
エクスターナル・マーケティングの前にまずインターナル・マーケティングが必要である。(中略)社内のスタッフが素晴らしいサービスを提供する心構えができていないのに、そのようなサービスを顧客に約束するわけにはいかないからだ。フィリップ・コトラー『コトラーのマーケティング・マネジメント』
と言ってます。
お客さんの視点でみる
当たり前ですけど、社内のほかの部門のサービスのことを知らなければ、もしお客さんにそのサービスのことを聞かれてもまともには答えられません。そしたら、お客さんの側からみたら、とうぜん、「なんでこの人、自分の会社のサービスのことも知らないの? 大丈夫なの、この会社?」という風に感じるはずです。お客さんの側からみれば、ほかの部門だからなんてことは関係ないわけです。
ましてや、そのサービスが自部門のサービスと組み合わせて利用することが可能なサービスであったら、もう目も当てられません。
自分の部門だけよければいいやという閉じた発想の人はどこの会社にもひとりやふたりいますが、それでは組織が顧客視点でトータルなサービスを提供していくことがむずかしくなるわけです。
社内的にみても
組織内部の視点でみても同じです。自部門の扱うサービスのことだけしか考えない人がいると、いわゆるクロスセル、アップセルということがむずかしくなります。
営業がどんなに複数のサービスを組み合わせて売ろうとしても、仮にある部門のサービスのデリバリーが、他の部門の提供するサービスのデリバリーと足並みがそろわないようなことがあれば、営業もなかなか売るのはむずかしくなります。
仮になんとか売れる形にもっていけたとしても、営業は普段より苦労して調整しなくちゃいけない分だけ、営業効率的にはあまりよろしくないということにもなります。
ひとつの部門が自部門だけのことしか考えないようだと、組織全体にひずみが生まれ、ほかの部門にも、自部門のスタッフにもあまり幸福ではない事態が生じたりもします。
そして、何よりお客さんに対する価値提供が滞るわけです。
ドグマティズム=教条主義を超えた連携
そういう意味ではマーケティング担当者の役目としては、そうした部門間の温度差をなくし、スピード感をそろえることも大事なんだと思います。それぞれの部門がドグマティズム的に正しいやり方にこだわるのではなく、顧客の視点から見て組織のトータルな価値を生み出せるよう、個々のドグマを多少は捨ててでもその時々のベストを模索できるようにすることが重要かと。
組織においてはあまり我=ドグマを通しすぎることは誰の得にもならないんだろうなと思います。
そんなことを思いながら、インターナル・マーケティングって大事だなと帰り道の電車のなかでひとり思ったのでした。
そう。
「社内のスタッフが素晴らしいサービスを提供する心構えができていないのに、そのようなサービスを顧客に約束するわけにはいかない」のだから。
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内部に対して働きかけることが、結果として外部への効用増加をも生み出すのだと理解しました。
意識を変えることで実践できそうですね。勉強になりました。
大変興味深い内容に感謝の気持ちを伝えたくなり、コメントさせて頂きました。