- 一貫したブランド・イメージの維持
- 情報リソースやWeb運用に関わる人的・金銭的リソースの効率化
- ビジネス機会の損失削減
のためには、グローバル展開するグループ企業のWebをどう構築、運営し、マネジメントしていくかというのは1つの大きな課題ですよね。
と、言葉にするのは簡単ですが、実際、グローバルに展開するグループ企業のWebサイトに、統一されたレギュレーションを策定し、運用におけるガバナンス体制と運用フローを構築し、かつ、現状ではバラバラのサイト群を実際に統一感のある形で構築しなおすには、グローバル/ローカルという視点、異なる事業間・部門間での調整、現状のサイト構成などを把握した上で、実際のプロジェクトを動かすためのコンセンサスをとりながら、各関係者のニーズや問題点も把握しつつ、具体的なロードマップの提示、戦略立案からデザイン、サイト構築、体制づくりやレギュレーションの策定などを行っていかなくてはいけません。
いかに関係各位のコンセンサスを生み出すか
その際、やっぱりいろんな部門、国が関わるなかでのコンセンサスを生み出す作業がやっぱり一番むずかしかったりすると思います。異なる価値観、目的をもった関係者のコンセンサスをとる上でベースとなる手法にも、HCDプロセスの上流工程の手法は有効であるはずです。まずは何よりコーポレート・コミュニケーションのメディアとしてのWebサイトで、企業がターゲットであるユーザーとどういう関係を築いていくかという点を明確にするという意味において。
- ローカル固有の文化やライフスタイルの把握を行うエスノグラフィ、人類学的なユーザー調査・分析
- 事実データに基づき、明確なターゲットユーザー像を共有するためのペルソナ/シナリオ法
- イラストなどを用いたストーリーボードやビデオ映像を使ったシミュレーション(予告編)の作成
など。
こうしたユーザー中心のデザインを軸とすることで、関係者のニーズや問題点を考慮した上でコンセンサスを得ていく作業の負荷もすこしは軽減されるのではないかと思います。
もちろん、軽減されるといっても、上記はあくまでツールでしかなく、最後は人と人とのコミュニケーションでどううまくまとめていくかという話ではありますけど。
結局、Webをデザインするって、こういうことまで考えることなんじゃないでしょうか?
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