それは、Webサイトのペルソナは成長する、ということです。
企業サイトは顧客の成長をモデルとして組み込んでいる
では、なぜ、Webサイトのペルソナは成長するのか?製品開発の場合のペルソナとは違うのか?
まず、1つ。製品開発の場合のペルソナでも、もちろん成長を視野に入れるべきだと思います。
ユーザーは製品に慣れる、そして、慣れればもっと上のレベルの機能や使い心地を求めるようになります。
この時点でペルソナにも成長が必要です。さらにいえば、製品のターゲット(新しいモノへの理解が早いアーリーアドプターをターゲットにしているような製品)によっては、あらかじめ製品使用によるユーザーの成長を盛り込んだペルソナを作成しておくことも必要でしょう。
しかし、Webサイトにおけるペルソナの成長はそれとは別物である場合があります。
というのも、マーケティング的視点で、潜在顧客の顧客化や既存顧客のロイヤリティ向上を目的としているサイトの場合、サイト自体の機能に「ユーザーを成長させる」ことが盛り込まれている場合があるからです。
具体的には、Webサイトの企画段階では、下のような図に基づき、テーマ、目的、具体的な目標、そして、それぞれのフェーズにおけるターゲットユーザーを定めて、それぞれのフェーズで必要な機能やコンテンツを抽出することがあります。

例としてあげれば、引用されるのことの多い「honda.co.jpの戦略と目標:2010年」の図のように使います。
成長するペルソナ・モデル
この成長モデルを組み込んだサイト戦略を立てた時点で、Webサイトのターゲットユーザーは成長していくことが期待されているわけです。で、あればターゲットユーザーをモデル化するためのペルソナそのものもあらかじめ成長段階に応じて複数させておく必要があるのだと思います。
上の図に従うのなら、すくなくとも「一般層」「潜在顧客層」「既存顧客層」の3つのペルソナが必要になってくると考えるべきでしょう。
このあたりは他の製品開発のペルソナなどとは異なるWebならではのペルソナの考え方となってくるのだと思います。そして、また、こうしたユーザーの成長を促し、ともに歩んでいく姿勢をとることがWebマーケティングの特長だともいえます。
まぁ、この「ともに歩んでいく姿勢」というのがただの表面だけのまやかしなら、成長するユーザーモデルという戦略もただの紙に描いた餅で、実際にはユーザーは成長もせず、したがって結果も出ないという場合がほとんどなんでしょうけど。
本気でユーザーを成長させて、マーケティングを成功に導きたいのなら、企業は格好だけではなく、本気でユーザーと「ともに歩んでいく姿勢」を体現する必要があるのでしょうね。
成長するペルソナモデルを使い、ユーザー/顧客のことを理解しようというのも、その本気の姿勢の一環だと思います。
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