サン=レミ大聖堂とMummのシャンパンカーブやフジタ礼拝堂

さて、ランスの街の訪問記の後編です(ノートルダム大聖堂や街の雰囲気を紹介した前編はこちら)。

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サン=レミ聖堂内部

ノートルダム大聖堂を見学したあと、バスに乗って、さらにランスの駅からは離れた場所にあるサン=レミ聖堂へと向かいました。

サン=レミ聖堂

サン=レミ聖堂は、11世紀初頭に建設が始まったバシリカ教会で、現在はノートルダム大聖堂やトー宮殿とともに、世界遺産に登録されています。

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ファサード正面(左)と側面からみた聖堂(右)

教会の名前は、フランク王クロヴィスに洗礼をしたランス司教サン・レミに由来しています。
何度も修復作業が繰り返されたため、ロマネスク様式、ゴシック様式、ルネサンス様式が共存したつくりになっています。

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聖堂後陣

聖堂内部の雰囲気は、ランスのノートルダムとも他のゴシック聖堂とも違いました。

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聖堂内部

聖堂内にはサン・レミの墳墓があります。
下右の写真の手前に写っている彫像が何体か並んでみえるところがそれです。

 
聖堂内部、右写真手前の彫像が並んでいる部分はサン・レミの墳墓

このサン=レミ聖堂も、ノートルダム大聖堂と同様、第一次世界大戦の空襲では屋根が落ちたそうです。
それでも、こうした形で修復され、ちゃんと残されているのがよいなーと思いました。

Mummのシャンパンカーブ

シャンパーニュといえば、やっぱりシャンパン。
ヴーヴ・クリコやポメリーなどの大手メゾンが集中しているなかで、今回はG.H. MUMMのカーブを見学してきました。

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G.H. MUMMのカーブの入り口

Mumm(マム)は、F1GPの表彰台でのシャンパンファイトで用いられるシャンパンとしておなじみ。

カーブの見学は、まずG.H. MUMMの概要や歴史を紹介するビデオを見たあと、地下にあるカーブに入っていきます。
とはいえ、実際にシャンパンが貯蔵されているところというより見学用につくられたエリアを、ガイドの方の説明を聞きながら進んでいく感じです。


地下の展示室

最後は、こんな感じでシャンパンの貯蔵に用いるさまざまな道具が展示されたスペースにたどりつきます。


地下の展示室・さまざまな道具が並んでいます

この展示室をみたあと、エレベータで地上に戻って、いよいよシャンパンの試飲です。
といっても、僕はお酒がまったく飲めないので奥さんが2杯飲んでましたけど。

フジタ礼拝堂

そして、マムの敷地内、カーブのある場所とは道路を挟んだ反対側には、画家の藤田嗣治(Léonard Foujita)がフレスコ画を描いたフジタ礼拝堂があります。


フジタ礼拝堂

フジタがこの礼拝堂内部のフレスコ画に着手したのは、1966年のことで、フジタはすでに80歳になっていました。小さな礼拝堂とはいえ、全部で200m²にもなる壁面をフジタは90日間で仕上げたそうです。

 
フジタ礼拝堂

内部は撮影禁止でしたので、藤田が描いたフレスコ画の写真はありませんが、以下のブログですこし様子がわかります。

http://monsieurshibata.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-86db.html

よく見かける歴史的なフレスコとはまったく印象の異なる絵で、とても不思議な感じのする空間でした。

マルスの門

そして、前編の最初にも写真を紹介したローマ時代の遺構マルスの門。
これがまた大きかった! 横幅は33mあるそうです。


マルスの門

こんな古い遺構が駅前の公園をすこし歩いたところに普通にあるんですよね。
クリュニー中世美術館の建物がローマの公共浴場の遺跡の上に建てられているというのもそうですけど、こういうローマという古い時代のものが日常の空間に普通に存在するという感覚はあんまり日本では味わえないなと感じました。



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