ランス(Reims)は、ローマ時代に遡る古い街で、下の写真のような3-4世紀のローマの遺構であるマルス門(凱旋門)も残っています。
マルス門
シャンパーニュ=アルデンヌ地域圏では最大の都市で、パリからはTGVで45分ほどの距離にあります。
場所はここ。
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歴代のフランス国王の戴冠式が行われてきたランスのノートルダム大聖堂がある都市です。
ランスの街
ランスの駅を出てまっすぐ歩いていくとホテルやレストランが建ち並ぶにぎやかな通りに出ます。その奥に、下の写真のようなプラス・デルロンのモニュメントが見えてきたあたりが街の中心部への入り口となります。
ランスの街の中心部にあるプラス・デルロンのモニュメント
街の雰囲気は、パリとは違う感じです。
古い街だからか、建物がパリと比べるとだいぶ低いです(パリも東京と比べると十分に低いですが)。
ランスの街の風景
ランスの街のなかの移動は、下の写真のような路面電車(トラム)かバスが中心となります。
今回はトラムには乗る機会がありませんでしたが、街の中心からすこし離れたサン=レミ聖堂への行き帰りにバスを使いました。
街中を路面電車(トラム)が走る
市役所前の広場。パリに比べて人が少なく、静かなところもよかったです。
天気もよくて気持ちよかったし。
ランスの市役所前
サン・ジャック教会
ランスでの最初の目的地であるノートルダム大聖堂に向かう途中に見つけたサン・ジャック教会。ノートルダム大聖堂に向かう道すがら見つけたサン・ジャック教会
大聖堂の迫力ある空間も魅力的ですが、このサン・ジャック教会や、メスのサン・マルタン教会やルクセンブルクのサン・ミッシェル教会など、たまたま見つけた小さな教会もそれぞれ魅力を感じられて、おもしろかったです。
ノートルダム大聖堂に向かう道すがら見つけたサン・ジャック教会
このサン・ジャック教会のステンドグラスはどれも抽象的な文様になっていましたが、これもランスが第1次世界大戦で空襲を受けた影響なのでしょうか。でも、この抽象的な文様のステンドグラスもそれはそれで魅力的でした。
ノートルダム大聖堂
そして、サン・ジャック教会をすぎて、さらに先へと進んでいくと、いよいよ最初の目的地であるランスのノートルダム大聖堂に到着です。大聖堂のファサード
下から見上げた、このファサードの迫力。どうですか?
現在の大聖堂は、1210年に火災で消失した教会に代わるものとして、1211年から建造が開始され、13世紀末にその大部分が完成したものだそうです。
ファサード全体(左)と東側からみた大聖堂(右)
ただし、西側部分は14世紀に遅れて完成、さらに2つの鐘塔は建設が遅れ、南北とも15世紀の後半にようやく完成したらしい。
側面から見た大聖堂
その後、何度か破壊の憂き目にもあい、フランス革命時には彫像を中心に破壊、第一次世界大戦中にはドイツ軍の攻撃を受けて発生した火災により、壊滅的な被害を受けたこともあります。
薔薇窓(左)と身廊(右)
ランスのノートルダム大聖堂では、フランク王国の初代国王クロヴィス1世(466年-511年)が洗礼を受けたとされることにちなみ、歴代のフランス王たちの戴冠式が挙行されてきたそうです。
その戴冠式の様子を、隣接するトー宮殿内での展示でみることができました(後述)。
ファサードの裏側にあたる東側から見た大聖堂
ファサードのちょうど裏側にあたる東側から見た大聖堂の姿もとても美しかったです。ちょうど桜が咲いていました。
パリのノートルダムと比べると、外側から見た感じはランスのほうが好みでしたが、中に入った感じはパリのほうが好みでした。
ちなみに、ランスの大聖堂には、シャガールによるステンドグラスもあります。
シャガールによるステンドグラス
さらに、ちなみに画家の藤田嗣治も、1959年にこの大聖堂でキリスト教改宗の洗礼を受けた後、レオナール・フジタ (Léonard Foujita) と名乗ることになったんだそうです。
ランスには、あとで紹介するようにフジタがフレスコ画を描いた礼拝堂も残っています。
トー宮殿
トー宮殿 (Palais du Tau) は、ノートルダム大聖堂に隣接する形で建てられた大司教の館です。トー宮殿の正面
建造は1498年から1509年。現在は、タペスリーをはじめとする大聖堂に関わる品々、あるいは戴冠式に関わりのあった品々などを展示する国立博物館となっています。
かつて大聖堂の壁面を飾っていた彫刻
上の写真のようにかつては大聖堂の壁面を飾っていて、様々な要因で壊れてしまったためにここに保存されている彫刻も見ることができます。近くでみるとどれも大きいです。
戴冠式の際に祝宴が行われた部屋
戴冠式の際に祝宴が行われた部屋はとても広かったです。壁にかかったタペスリーも大きいものですが、こう見ると、むしろ小さく見えます。
戴冠式時に歴代の王がまとった衣装等が展示されている
戴冠式の王のマントなどの衣装は非常に豪華なつくりでした。そのマントを着た姿で描かれた肖像画などもいっしょに飾ってあったので、着用イメージもできました。
このあとはバスに乗って、もう1つのランスの世界遺産であるサン=レミ聖堂に向かったのですが、長くなったので続きはまた次の機会に。
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