2013年05月31日

ルクセンブルクという天然の要塞都市を訪れて

さて、昨日の「クリュニー中世美術館を訪れて感じた僕らが知らないヨーロッパの中世」という記事でGW中のフランス旅行について書きましたが、そのうちの1日、TGVに乗ってルクセンブルクにも行ってきました。


アドルフ橋から見るルクセンブルクの旧市街

ルクセンブルクは古くから要衝とされてきた土地です。
この地の領主たちは現在の新市街と旧市街を分断する形で横たわるペトリュス渓谷に、上の写真のような堅牢な城砦を築き、その結果、樹々の緑と城や街が美しく調和した景観をもつ都市が築かれました。

アドルフ橋とペトリュス渓谷

新市街と旧市街はペトリュス渓谷によって分断されているので、いくつか新旧市街をつなぐ橋がかかっています。

その橋のなかで最も有名なのが、下の写真のアドルフ橋です。


アドルフ橋

1903年に完成した石造のアーチ橋で、長さは84m、高さは43mあるそうです。

そのアドルフ橋の下のペトリュス渓谷に降りるとこんな風景が広がっています。


ペトリュス渓谷

この渓谷自体が天然の要塞であり、人工的に築かれた要塞はこの天然の要塞を補完するものとみたほうがよいのでしょう。
この天然の要塞があったからこそ、ルクセンブルクは古くから要衝の地として栄えたのだと思います。

ルクセンブルクの旧市街

天然の要塞と人口の城壁に守られた旧市街には、かつての宮殿や教会が並ぶ古い街並みが見られます。

フランス語圏には、いろんなところに「ノートルダム大聖堂」がありますが、ここルクセンブルクにもありました。


ノートルダム大聖堂の内部

規模はそれほど大きくなく、建築様式も17〜19世紀に建てられたこともあり、パリやランスのノートルダムのようなゴシック様式ではありません。

ルネサンス、ゴシック、バロックなど、複数の様式が混合した形が見られますが、それこそ、歴史上幾度となく各国の侵略を受け続け、その結果、各地の文化を美しく融合させることになったルクセンブルクという地に建つ大聖堂らしさなのだと思います。

 
ノートルダム大聖堂 表(左)と裏(右)

同じ理由だと思いますが、旧市街の街並みもパリやランス等のフランスの町並みとはすこし雰囲気が違っていました。

 
ルクセンブルクの旧市街の街並み

上の写真の左がアルム広場にある市庁舎の建物、右の写真ですこしだけ見える先の尖った出っ張り部のある建物が世界遺産にもなているルクセンブルグ大公宮殿ですが、いずれもパリなどで見る建物とは違っていました。そんな独特な雰囲気のある街並みもルクセンブルクの魅力です。
大公宮殿は1418年建設で、一度火災で焼失した1573年に再建された建物ですので、昨日の記事からの流れで言うと、ここでもヨーロッパ中世の香りが感じられたわけです。

あとで紹介するボックの砲台の近くにあった、下の写真のサン・ミッシェル教会もたまたま見つけて立ち寄ったのですが、ここも小さいながら雰囲気のよい教会でした。

 
サン・ミッシェル教会

この教会の建物は17 世紀終盤に再建されたものだそうですが、先のノートルダムと同様に、ロマネスクやゴシック、バロックなどの複数の様式を混合したスタイルが多用されていて、ここでも複数の文化の重なりを見ることができます。

このサン・ミッシェル教会からボックの砲台まではあとほんのすこしです。

ボックの砲台

さて、ボックの砲台がルクセンブルクの旧市街にある地下要塞跡です。
この巨大な地下要塞は、18世紀頃にオーストリア軍によって造られたものだそうです。


ボックの砲台

城塞都市としての旧市街全体は、1994年に「ルクセンブルク市:その古い町並みと要塞群」の名称で、世界遺産に登録されています。

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ボックの砲台を含む街並みが世界遺産に登録

砲台の内部はそれなりに広い人工の洞窟のような空間で、いくつも開いた開口部からは、こんな風な渓谷の風景をみることができます。

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ボックの砲台下の渓谷の風景

ちょうど、この風景を眺めた開口部があるあたりを、今度は外から眺めると下のような感じです。

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ボックの砲台とアルゼット川

遠くに鉄道用の石造のアーチが見えます。写真には撮れませんでしたが、何度か実際にこの上を電車が通り過ぎるのをみましたが、その光景がまた良い感じでした。

また、いくつかの開口部には、こんな風に大砲が設置されていました(昔のままのものかはわかりませんが)。

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大砲がいくつか設置されていました

グルント地区

ボックの砲台へは、ペトリュス渓谷から続くグルント(低地)と呼ばれるアルゼット川の渓谷沿いの町から旧市街のほうに向かって登っていきました。

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グルント地区を流れるアルゼット川

グルント地区からも遠くに先ほどのサン・ミッシェル教会の尖塔がみえます(というか、この写真を撮ったときはまだそれがサン・ミッシェル教会とは知りませんでしたが)。


グルント地区からボックの砲台やサン・ミッシェル教会のある高台を眺める

グルント地区からボックの砲台のある高台へと向かう途中の古い街並みもとても雰囲気がよくて良かったです。
坂は急ですが、この風景を見られるだけでも登る価値ありです。

 
ボックの砲台のある高台へと登る途中の街並み

あまり時間がなかったので、グルント地区はさっと通り過ぎてしまいましたが、もっとゆっくりとした雰囲気の街でした。



最後はルクセンブルクでは有名なOBERWEISというお菓子屋さんでデザートを食べて、坂茂さんの設計のポンピドゥー・センター・メスなどを見るため、TERに乗ってメスの街へ移動しました。

その話はまた別の機会に。



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posted by HIROKI tanahashi at 22:38| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする