会議でもプロセス重視
そのお話の中で印象深かったのが「プロセスを重視する」というお話。自分の講演「Webサイトの提案に困っていませんか?~ 経営課題とWebサイトをきちんとリンクさせる7 の手法 ~」の中で「ビジネスデザインプロセス」と「Webデザインプロセス」という話をさせていただいたこともあったのですが、森さんが「プロセスを重視する」というお話をされたのは会議を行う場面での話だったので、これがとても新鮮でした。
森さん曰く。
日本人は会議の際に資料を用意したりといったことはとても勤勉にやるんだけど、会議自体でどのような目的を達成するのか、その目的を達成するためにどのようなプロセスを踏むのかということをほとんど考えない。
言われてみれば、確かにそのとおりで、さすがに会議の目的を明確にしたり、アジェンダを用意したりくらいはしても、プロセスという視点で会議そのものを設計=デザインしているかというと、僕自身もそういうことはやってなかったし、やろうともしてませんでした。
プロセスさえデザインされていれば中身はどうにかなるのかも
これは眼から鱗でした。確かに会議がプロセス視点で設計されていれば、なんだか話がグダグダとまとまらないまま、長い会議を続けたあげく、結論が出ないという事態も減らすことができるはずです。実際、僕自身が「ビジネスデザインプロセス」や「Webデザインプロセス」という話をさせてもらったのは、プロセスさえしっかり共有されていれば、その中身がなんであれ効率的に目的を達することができるという考えがあったからです。
中身のコンテンツそのものは、会議であれ、ビジネスであれ、Webデザインであれ、それなりに知識をもった人がやるわけですから特別な事前準備などなくてもその場その場でなんとかなるものです。
なので、問題はそうした個別の知識をうまく活用して、全体的な目的を達成するためには、どんな方法=プロセスが必要かということになると思います。
「ビジネスデザインプロセス」や「Webデザインプロセス」でも、どのようなプロセスで目的を達成するのかがきちんと設計されていれば、目的達成の確率は高くなります。
小さなワーク単位に注目する
僕の講演では「ビジネスデザインプロセス」としてシックスシグマ、「Webデザインプロセス」でISO13407のプロセスをベースに話させてもらったんですが、こうした既存にあるプロセスをベースとして進めるだけでも、これまでうまくいかなかったことがうまくいくようになる。森さんの会議のプロセスの話を聞いてなるほどと思ったのは、元々僕自身にそういう考えがあったからです。
いや、それ以上に会議という小さな単位でこそ、こうしたプロセス重視の姿勢は活きてくるんだと思います。
「ビジネスデザインプロセス」や「Webデザインプロセス」といった大きな単位で考えるだけでは依然としてうまくいかない部分が残るんです。なぜ、残るかといえば、それこそ、そのプロセスをまわす際の会議がグダグダだったりするからw
その意味で、より小さなワーク単位である会議といったもの自体をプロセス重視で再設計するというのは、とても理にかなっているなと強く感じました。
ミクロなものとマクロなものの因果関係
小さなニューロンの発火というミクロな現象が、大きな単位の統合された意識というマクロな現象と因果関係にあるように、小さな会議がより大きな「ビジネスデザインプロセス」や「Webデザインプロセス」と因果関係にあるのは確かです。意識を考えるのにニューロンの発火を無視することがおろかなように、「ビジネスデザインプロセス」や「Webデザインプロセス」といったことを考える上で、会議などの小さなワーク単位を無視するのはおろかだなと思いました。
そして、それと同時に、GEのワークアウトってほんとに恐るべきものなんだなと思いました。
ほんと、いいお話を聞かせてもらいました。
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この記事へのコメント
ちさ
文化の差という題で提示もされていましたが、日本人はよりコンテクスト重視の傾向が強いです。コンテクストには文脈だけではなくプロセスというのも入るのだと思います。だからプロセスを考えること(私の言葉ではアジェンダ開発すること)がいきてくるのだとも思います。
また次回是非!