シュリンキングシティ×ファイバーシティ@アキハバラ

高齢化や人口の減少を要因として縮小する都市の未来を考えるイベント「シュリンキングシティ×ファイバーシティ@アキハバラ 縮小する都市に未来はあるか?」に行ってきました。

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展覧会「シュリンキングシティ×ファイバーシティ」

今日から2月18日まで開催されているこのイベントは、展覧会「シュリンキングシティ×ファイバーシティ」、国際シンポジウム「縮小する都市に未来はあるか?」、トークイン「縮小する都市の未来を語る」の3つから構成されています。

僕は展覧会のみ見てきましたが、展覧会場の脇のスペースでは初日のトークインが行なわれていました。



この展覧会は、

ベルリンを拠点とするフィリップ・オスワルト氏が企画し、欧州で大きな関心を集めた展覧会「shrinking cities」と、大野秀敏氏が縮小の時代における都市の未来像を提案する「fibercity」との連携による合同展覧会

なのだそうです。

縮小する都市の問題

これまではどちらかといえば成長拡大傾向にある都市デザインを考えることが当たり前でしたが、日本でも2004年に人口が減少傾向にシフトし、高齢化社会が進むため、今後は人口が減少するなかで都市そのものも縮小することを考え、デザインすることが求められます。
しかし、縮小する都市のデザインの問題は、すでにある建造物などのストックをどう維持し活用するのか?というこれまであまり考えられてこなかったことが問題となります。既存の建造物を使われなくなったからといって放っておけばよいかといえば、廃墟が犯罪の温床となりうるなどの安全性の面などからできない相談です。
そうした問題について考察したのが、フィリップ・オスワルトのシュリンキングシティであり、大野秀敏さんのファイバーシティでした。

展覧会の感想

正直、展覧会のほうは、テキストばかりが書かれた展示物が並んでいるだけで、これを一箇所に展示するという従来の方法でやる意味があるのかと疑問を感じました。
テキストが書かれた展示物をひとつひとつ椅子に座って読むという閲覧形式も「読みづらいな」と"居住性"という意味では不満を覚えるものだったので、建築関係の展示スペースデザインがこれでいいの?って思いました。テキストを読ませるのなら、それこそ、ネット上で展開するほうが向いているでしょうし、脇で行なわれていたトークインももうすこし事前にネットで情報を提供するなどすれば、もうすこし建築という枠を超えた議論が展開可能だったんじゃないかと傍から見ていて感じました。

また、展示物そのものにしても、大野秀敏さんのファイバーシティの都市デザインのコンセプトにある点から線へだとか、機械(マシーン)から織物(ファイバー)へというものが、上の写真にもあるような点在した展示物には表現されていない気がしました。テキストで表現されていることと展示形式のギャップに、展覧会デザインがあまり考えられていないのでは?と疑問を持ってしまいました。

そのあたりの不満要素は、テーマ自体はおもしろいなと思ったので残念に感じた点でした。
でも、そうした不満はありつつも、2050年という未来をきちんと見据えて動いているという点は正直、建築・都市デザインという分野の底力も感じました。その意味では行ってよかったと思うイベントでした。

  

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