行動と責任:上とか下とかについて

自分が上だとか、他人を下に見ているといったことについて。
そういう風に考える場合に、「責任」ということをどう捉えているのかなと感じます。

上とか下とかいう場合、僕はそれには「責任」がついてまわると考えます。上のものは下のものは下に対して、何らかの責任を負う。それがない上とか下とかって話はありえないんじゃないかと思うんですよね。

成績の上下などのランキングは現在を何も物語らない

もちろん、学校の成績が上だとか下だとかという言い方はありますし、何かしらの順位で上や下という話はありますけど、それとは別だと思うんです。
それは単にある評価基準に基づいた順位付けであって、ある人とある人を総合的に比べて上だとか下だとか言っているわけではないし、そもそもランキングの関係が、ある人とある人の相互の関係性を規定しているわけではありません。
そして、すべてのランキングがそうであるように、それは過去のランキングであって、未来はもちろん現時点での評価にさえなっていないということを忘れがちです。

人と人とのあいだの上下関係には責任がともなう

そうではなく、会社での上下関係だったり、目上の人とかいう場合の上下は、ある人と別のある人の関係性を規定していて、そこには「責任」が必ずついてまわります。
その「責任」が義務としてのものなのか、道徳的なレベルのものかはあると思いますが、そういった場合の上下関係には「責任」の文字を置いて語ることはできないのではないでしょうか?

そして、もう1つランキングとの違いは、ランキングであれば、第三者がそのランキングの評価基準に従って、その上下関係のなかに自分を位置することができるのに対して、会社での上下関係や社会的な上下関係などには、第三者が入り込む余地はないという点です。
会社の上司と部下の関係に見ず知らずの人が、自分はどのポジションだなんて考えることはありません。そして、その意味でどちらに対しても基本的には責任関係は生じません。

例外は年齢による上下関係ですが、これはそれ単体ではそんなに強い上下関係を生み出すわけでもないですし、数字というランキングに近い性質のものから来ているものでもあるので、例外としておきます。

CSR:企業の社会的責任

そんなところからCSR(企業の社会的責任)を考えると、ちょっと面白いなと思いました。

いわゆるCSRということで社会から期待される責任の重さは、当然ながら社会への影響度が大きな企業ほど、重くなります。ここに責任が関わってくることで、これまでとの話とは逆の意味で企業の上下関係が生まれてきているような気がします。

もちろん、それ以前に企業間には先のランキングという意味で、いろんな順位付けがされています。しかし、その上下関係だけでは責任は生じません。ランキング上位の企業が下位の企業に責任をもつ必要があるなんてことはないですから。

じゃあ、この企業の社会的責任ってどっから出てくるのか? 企業が社会において上にみられる存在なのか? そうじゃないと思うんですよね。単純に、企業が社会に対してなにか活動しているわけだから、マイナス面も考えてやってくださいね、ということだと思います。普通に考えれば、そうですよね。

でも、そこにランキングの話が絡み合ってくるから、ランキングが上位の企業ほど、社会に負う責任も大きいようなイメージが生まれる。そして、ちょっと不祥事などがあれば大きなダメージにもなります。

ただ、これは逆に自ら責任を負うことを宣言することで、社会からの信頼も高まるということも言えるんではないかと考えてみました。ようするに社会が期待している以上のCSR活動を行なうことで、マーケティング効果やブランド価値が向上することもあるのでは、と。

責任と行動

では、さっきの話に戻って、上下関係における責任って何なのって考えた場合、それも結局は誰かが別の人になにか行なう場合に、マイナス面も考えてやってくださいね、ということなんじゃないかと思いました。責任が生じる場には、ある人と別のある人のあいだに何かしらの行動がなされるという関係があるのではないかと思います。

行動に責任がともなうなんてのは考えてみれば当たり前のことですけど、上だとか下だとかいう場合には、この当たり前でかつ大事なことが忘れられてしまうことがあるような気がしました。
その場合もランキングにおける順位の上下の場合とごっちゃになっていて、そして、かつランキングは過去のもので現在の状態をいささかも反映したものではないことが忘れられたりするから、「責任」という言葉が抜けた上とか下とかの話が展開されたりするんでしょうね。言葉がおなじ「上下」なので、ついそこにある違いが見落とされるのはしょうがないところもあるでしょう。

でも、僕が思うに、大事なのはやっぱりそういう物差しでみた上下関係よりも、誰かと誰かが行動と責任によって関係しあう上での上下関係なんじゃないかって気がします。そういう場でこそ、人ってのびのび育つことができるのかなと思うんですよね。
そういう環境を社会においてつくっていくのは、もしかしたら、個々人の行動力とそれにともなう責任感みたいなものなのかなって感じました。



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