変化するWebのデザインとその設計スキル

昨日のエントリー「<デザイン>とは何だろうか?」では、「<デザイン>が目的達成を可能にするなら、デザイン手法と目的には、何がしかの相関関係やさらに強い因果関係のようなものがあると考えることができるでしょう」といった旨のことを書きました。

現在のWebのデザインを考えると、表現技術、目的達成のために用いることが可能なデザイン手法は非常に増えてきています。当然、選択肢が増えれば、組み合わせの数は膨大になり、どの目的を達成するためにどの表現手法を選択するのか、その選択のための技術が問題になってくるのではないかと思いました。

そのことを考えるにあたって、まずは思いつく限り、どんなデザイン手法があるのかを書き連ねてみることにします。
そうすることで選択の際にどんなことを考えなくてはいけないか、ヒントになるようなものが浮かび上がれば、と。

リッチ化、シームレス化する画面

Webの画面をプレゼンテーションする手法も多様化しています。FLASH、PIP、Ajaxと書いてしまえば、単純なことのようにも感じますが、よりWebの画面上でインタラクションの要素が強くなればなるほど、表現そのものをどう設計するかという際に考えることも増えてきます。

最近、ちょっとした工夫で感心したのは、Yahoo!ニュースのリニューアルで長い記事にはつくようになった[続きを読む]と[記事を折りたたむ]による画面遷移のない、記事本文の長さの切り替え。



これによって長い記事でも、記事の下の「関連トピックス」や「この記事に関するブログ」などのリンクもスクロールせずに見えるようになります。ページを開いた際に「この記事はあんまり興味ないや」と思ってたら、画面下のリンクやサイドにあるトピックスにすぐに目を移すことができる。興味をもったら画面遷移なく、続きを読むことができ一石二鳥な画面表現だなと思いました。

アイトラッキング」に関するエントリーで他のニュースサイトでは、記事本文を読んでいる際に画面サイドの関連記事へのリンクなどに目が行かず、1ページのみの閲覧で終わってしまうことが予想されることについて書きましたが、このYahoo!ニュースのプレゼンテーション方法であれば、それをある程度は回避できるのではないかと思います。

Web画面でのプレゼンテーションをどのように<デザイン>するかで、ユーザーのインタラクションは変わります。もちろん、うまく<デザイン>すればユーザビリティを高めます。サイト上でのインタラクションがよりユーザーにとって自然になることで、それまで可能ではなかったビジネス的展開も可能になることもあるでしょう。

可能性が高まるということは選択しなくていけないことが増えることを意味します。その意味では画面遷移という形でしかインタラクションがなかった場合の静的な画面を<デザイン>する場合とは、選択する=<デザイン>するのためのよりスキルが必要となるでしょう。

画面の内と外

今後のWebのデザインを考える上では、単純にブラウザの画面の内部だけを考えればよいということではなくなったてきたのではないかと思います。FIREFOXの拡張機能やブックマークレットなど、Webの使い勝手をよくする方法は、ブラウザの画面の外でも展開できるようになっています。

ユーザビリティって単にユーザーインターフェイスの問題ではないよね」でも、OPERAの「ユーザースタイル」によってCSSを切り替えてWebページの見栄えの変更が可能だと書きましたが、FIREFOXにもStylishという拡張機能があって、それを使えば、よく見るサイトの見栄えを変えることができます。

例えば、見慣れたGoogleもこんな風に。



もちろん、拡張機能が可能にするのは、見栄えだけでなく、検索機能の強化や言語の簡易的な翻訳など、様々なことが可能です。

同じように、ブックマークレットを機能拡張、提供は、おなじみのソーシャルブックマークに閲覧中のページをブックマークする機能だったり、見ているサイトのRSSを自分のいつも使っているRSSリーダーに登録するブックマークレットや、Webスカウターみたいなものもあります。

こうなってくると、ある目的を達成するための<デザイン>を、画面の内側で行なうのか外側(拡張機能やブックマークレットなど)に行なうのかという選択肢も出てきます。どちらの方法で実装するのが、よりユーザビリティを高めるのか、ユーザーの利用経験を豊かなものにするのか、ここでも具体的な<デザイン>に入る前に、選択というデザイン・プロセスが発生します。
その意味では、ますます「ISO13407:人間中心設計」におけるデザイン・プロセスが重視されてくるのではないかと感じます。

さて、1エントリーにおさめるつもりで書き始めましたが、ここまでで随分と長くなりました。ほかにもまだ考慮すべきことがあるのですが、とりあえず、一旦、ここでやめておいて続きはまた別のエントリーで。

P.S.
というわけで、続きを書きました。「Webデザインの自由度、膨大な選択肢から選ぶことのむずかしさ
(2007/01/21 16:06 追記)

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