神経細胞群選択説(Theory of Neuronal Group Selection)

神経細胞群選択説=TNGS(Theory of Neuronal Group Selection)は、脳神経科学者、ジェラルド・M・エーデルマンのグループが提唱する、中枢神経系の多様性と統合性を説明する脳の大局論。

以下の3つの原理からなる。

  1. 発生選択:胎児の脳が一応の解剖学的構造を整えるまでの期間に発育していくニューロンが後成的な影響を受けながらさまざまな結合パターンのレパートリーを構成するプロセス。
  2. 経験選択:主要な解剖学的構造ができあがった後に、個体が行動するなかで環境からの様々な入力を得ながら、シナプス結合に多彩な結合強度を生み出していくプロセス。
  3. 再入力:時空間的相関および意識の統合性を可能にする最重要プロセス。

エーデルマンは、脳をコンピュータやチューリングマシンになぞらえたモデル、プログラムやアルゴリズムという教師が存在するという前提のもとに成り立つモデルに対する対照的なモデルとして、ダーウィンの"集合的思考"に基づいたモデルとして、TNGSを提唱している。

集合的思考に基づいたモデルは、多様な要素(状態)からなる豊富なレパートリーの中から、特定の要素(状態)が選択されるという考えのもとに構成されている。
ジェラルド・M・エーデルマン『脳は空より広いか―「私」という現象を考える』

以上。自分用のメモとして。

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