ドナルド・A・ノーマンのユーザー中心デザインの7つの原則
まず、ドナルド・A・ノーマンが難しい作業を単純なものにするための原則としてあげているのがこの7つです。- 外界にある知識と頭の中にある知識の両者を利用する
- 作業の構造を単純化する
- 対象を目に見えるようにして、実行のへだたりと評価のへだたりに橋をかける
- 対応づけを正しくする
- 自然の制約や人工的な制約などの制約の力を活用する
- エラーに備えたデザインをする
- 以上のすべてがうまくいかないときには標準化をする
可視性の問題、概念モデル、行為とデザインの対応付け、そして、エラー対応やユーザーの想像力をあえて限定して絞り込んであげるための制約などがここに含まれています。
『欲望解剖』で茂木さんが「脳は規則性の押しつけを非常に嫌う。半ば予想がきるけれども、半ば予想ができないという要素を入れておかなければ、脳を惹きつけることはできません」と書いていましたが、ユーザビリティを考える際にも、この規則性と偶然性のバランスは大事なんだろうなと、この7つの原則をみても感じます。
ISO9241の「対話の7原則」
さて、昨日も「ヒューマンエラーじゃなくてデザインが悪いんです」というエントリーの中で、「インタラクションとは会話のようなもの」と書きましたが、ユーザビリティに関する国際規格であるISO9241にもやっぱり「対話の7原則」というものがあります。これは前にも紹介しましたね。- 仕事への適合性
- 自己記述性
- 可制御性
- 利用者の期待への一致
- 誤りに対しての許容度
- 個人化への適合性
- 学習への適合性
やはりこちらでもエラーに関するもの、利用者への期待との一致という意味での概念モデルについて、対応付けという意味での自己記述性という原則が含まれます。
ヤコブ・ニールセンの5つのユーザビリティ特性
そして、もう1つにヤコブ・ニールセンのあげている5つの要素。- 学習しやすさ (Learnability)
- 効率 (Efficiency)
- 記憶しやすさ (Memorability)
- エラー (Errors)
- 満足 (Satisfaction)
これはいまひとつ網羅性に欠ける気がしますが、対話の7原則とはかぶるところがありますね。
とまぁ、いくつか原則はあるのですが、人間の認知に関する研究がまだまだということもあって、当然、ユーザビリティに関しても、これだという決定版はないわけです。
それでも、ここに挙げた原則は確かにデザインをするうえでは考慮すべきものだと思います。
場合に応じて使っていくというのが今のところ、ベストではないかと。
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