2006年12月03日

ブランドのつくりかた:2.戦略マップとバランススコアカードを使う

ブランドのつくりかた:1.シックスシグマを使う」の続きです。
今回は、バランススコアカードと戦略マップについて考えてみようと思います。

結果だけ測定してもしょうがない

まず、なぜ、バランススコアカードなのか?
それは結果だけ測定してもしょうがないからです。ここでいう結果とは、最終的なビジネスの成果としての売上や利益と考えてください。あるいはブランドに関して考えるならば、顧客に受け取られたブランドの価値、評判と考えてもいいでしょう。しょうがないというのは、結果の数字だけみても、それを改善するヒントは得られないからです。

ブランドの評判ということでは、「ブログ検索で市場のブランドイメージ浸透を検証する」でブログ検索によってブランドの評判を測定する方法を紹介しました。また、消費者の口コミをリアルタイムに分析する電通のリサーチシステム「電通バズリサーチ ver2.0」などで収集することはできるでしょう。

参考情報:ネットの口コミ、集めて分析します - 電通がバズリサーチを強化:MYCOMジャーナル

しかし、繰り返しますが、「結果だけ測定してもしょうがない」のです。結果だけではなぜそうなったかがわからず、改善しようがないからです。

これを解決する手段として、バランススコアカードと戦略マップです。

戦略マップで戦略を可視化する

前回は、企業が顧客に対して価値提供を行なうコア・プロセスをSIPOCで可視化する方法を紹介しました。また、SIPOCを使えば、主要顧客の要求とプロセスの関係を整理することも可能である点についても触れました。
実際のシックスシグマ活動では、このあとにより詳細な測定と分析を行なうことで改善のための戦略を導き出すのですが、ここではそうした過程を経て、どのようにプロセス改善を行なえばブランド価値向上が可能になるかが把握できたとしましょう。

その際、この具体的な戦略の可視化に使えるのが戦略マップです。
具体的には次のような図になります。

strategymap

この戦略マップも前回のSIPOCの図同様に、このブログの読者を増やすためにはどうすればよいのかという視点で描いています。このブログはビジネスではないので「財務の視点」のところには、仮に読者増につながるCSFとしてアクセス数などの数字を使って考えています。実際のビジネスであれば「販売機会の増大」や「顧客価値の増大」などといった目標がはいると考えてください。

戦略マップは最終的な目標をいかにして達成するかを、バランススコアカードの「財務の視点」「顧客の視点」「内部プロセスの視点」「学習・成長の視点」の4つの視点ごとに戦略目標を設定することで、最終的な結果だけではなく、その結果を導き出すパフォーマンスドライバーの測定も可能にします。これにより、測定対象が結果だけになってしまうのを避けることが可能になるのです。

バランススコアカードで戦略の実行管理のための測定を可能にする

戦略マップ、そして、バランススコアカードの考案者であるロバート・S・キャプラン 、デビッド・P・ノートンは次のように書いています。

測定できないものは管理できない。記述できないものは測定できない。
ロバート・S・キャプラン 、デビッド・P・ノートン『戦略マップ バランスト・スコアカードの新・戦略実行フレームワーク』

戦略マップが戦略を記述し、可視化するものであるなら、それと対応したバランススコアカードは、測定を可能にし、それにより管理を可能にするものです。

バランススコアカードでは、先の戦略マップに描かれた「読者の増大」という目標に対して、重要目標達成指標(KGI=key goal indicator)としてより具体的な数値目標が立てられます。例えば、「1年間で読者数を現在の2倍にする」といった形で。
その目標を達成するための戦略が、先の戦略マップに描かれた個々の主要成功要因(CSF=critical success factors)であり、各CSFにもそれぞれ重要業績評価指標(KPI=key performance indicator)が設定されます。例えば、「更新頻度の向上」というCSFには「月間のエントリー数を60件以上に保つ」だとか、「たくさんの本を読む」に対しては「月間10冊の本を読む」などというう形で、KPIを設定するのです。

このようにバランススコアカードを活用することで、企業は戦略の進捗を測定、管理できるようになるというわけです。

DMAIC

しかし、先に書いたように、シックスシグマ活動においては、具体的な改善のための戦略策定の前に、測定と分析による現状の把握に時間が割かれます。前回の「コアプロセスと主要顧客の確定」がDMAICでいうところD(Define=定義)にあたるとすれば、今回、紹介した戦略マップとバランススコアカードを使った戦略の可視化、実行、測定のプロセスはI(Improve=改善)にあたります。つまり、M(Measure=測定)とA(Analyze=分析)が抜けてるわけです。
このあたりは「ブランドのつくりかた:3.顧客インサイトを把握する」で書くことにします。

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posted by HIROKI tanahashi at 23:12| Comment(0) | TrackBack(0) | ブランディング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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