そこでちょっとWebブランディングの企画のためのフレームワークについて考えてみました。
Webブランディングの企画のためのフレームワーク
まず最初に定義しておくと、このフレームワークはあくまでWebを活用した企業ブランド、製品ブランドそのもののブランディングの企画、戦略立案のためのフレームワークとして想定されています。世の中的にはWebブランディングと評して、企業や製品のブランディングではなく、Webサイトそのもののブランディングだったり、価値評価みたいなことをやってる会社なんかがありますが、それとはまったく別物です。あくまで企業がWebを利用して、ブランディングを行なっていくためにはどうすればよいかという企画を作成するためのフレームワークだと思ってください。
では、さっそく図からご紹介。
まぁ、こんな感じです。
これだけだとわからないので、すこし説明しておきましょう。
あるべき姿
あるべき姿、目指すべき方向性、自分たちのブランドがどうなりたいのか? どう思われたいのか?のイメージがなければどうにもなりません。あるべき姿がなぜ必要なのかは「企業における「夢」と「戦略」の関係を図にしてみた」のエントリーに載せた図を参照していただくとイメージしやすいかと思います。現状把握
いま、何を行なわなくてはいけないかを企画するためには、あるべき姿と現状のギャップを明確にすることが重要です。そのためにはまず何より現状を知ることです。現状把握のためのフレームワークとしては、以下の8つの視点で現状を把握することが必要か、と。
- 製品カテゴリーに関する市場の関心
- ブランドに関する市場の評価、印象
- 一般的なWeb利用動向
- 現時点で展開しているWebコミュニケーションの内容(コンテンツ、機能)
- 競合ベストプラクティス
- ブランドの一貫した姿勢をWebサイトで表現できているか?
- ブランドへの期待の喚起につながる宣言とそれに対する信頼を高める活動報告を行なっているか?
- ユーザー、市場に対する態度は?オープンか?それとも閉鎖的か?あるいはユーザー視点に立っているか?
このうち、「製品カテゴリーに関する市場の関心」や「ブランドに関する市場の評価、印象」などは「ブログ検索で市場のブランドイメージ浸透を検証する」で紹介したような方法だったり、mixiなどのコミュニティでの発現をテキストマイニング的な視点で読み込むなどの方法で調査することができます。
また、「競合ベストプラクティス調査」を行なう場合も、身近な競合に絞り込んで調査を行なうよりも、インターネット上の時間をどれだけ自社ブランドに接してもらえるかという点では直接的な競合とはいえないブランドでも、調査の対象にしてみるのもよいと思います。
分析
実は、現状把握をしっかり行い、あるべき姿のギャップが明確になれば、分析はそれほど大変な作業ではないと思います。分析に求められるのは、むしろ企画をヴィヴィッドなものにするための調査結果の整理、優先順位付けになるでしょう。ここでしっかり現状の課題を整理できれば、企画がブレることは少なくなるはずです。企画
企画の際にはまず、ブランディングのためのプロジェクトの定義をしっかり行なうことです。何を目的とし、ゴールとしての具体的な目標値はどう設定するのか? スコープとしては、何を対象に何を行ない、反対に何を対象にせず、行なってはいけないことを明示すること。また、前提条件や制約条件なども定義しておくことが必要でしょう。そして、その上で何をいつどの程度行なうのかの計画を明確にすること。それだけではやりっぱなしで管理ができませんので、企画の段階で効果検証方法や実行段階でのコントロールの方法も明記しておく。ここまでできればWebブランディングのための戦略の企画としてはまともなものになると思います。
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