パーソナル・ブランディングと企業のブランディング

Employee Generated Media(従業員による情報生産~発信の仕組み)って、今後、企業にとっては重要な役割をもつようになるのかなということを以前から書いたりしていますが、昨夜3つほど続けざまに書いた下記のブランディング関連のエントリーとの関連で、また、ちょっと考えてみました。

ブランディング関連エントリー

パーソナル・ブランディングと企業のブランディング

考えたのはやっぱり企業資産としての従業員の力をいまの環境でどうブランディングに活かしていくのか?ということと、個々人のパーソナル・ブランディングという話とそれがどう結びついていくのか?ということでした。

前に「無い袖は振れない」というエントリーで、「人に神輿を担がせるのではなく、むしろ個々人を舞台に送り出すようなマネジメントがなければ、情報の継続的生産~発信のプロセスは生まれません」と書きましたが、僕が考えるEmployee Generated Mediaとしての企業Webは、従業員に企業という神輿をかつがせるのではなく、企業がプロモーターとして従業員個々人が様々なステージで輝けるようになることで、企業価値、企業ブランドの価値をあげていこうとする企業文化を土台として、そのコミュニケーションの場として、Employee Generated Mediaがあるといったイメージです。

もちろん、企業にプロモートしてもらうとはいえ、基本的には個々の従業員が自分自身で自分をパーソナル・ブランディングしていくというのが大前提としてあります。何かというとうまくいかないのを会社のせいにしたりという次元とはおさらばして、会社がどうこうじゃなく、とにかく自分を磨くことで自身のパーソナル・ブランドを確立し、逆に所属する企業ブランドの価値にも貢献するような形を僕は思い描いています。

もちろん、そうした方向性を企業側が打ち出さずに、従業員にいつまでも会社という神輿を担がせているからこそ、従業員から企業側への不満だったり、愚痴が出てくるのでしょう。そうではなく、企業は従業員の成長をサポートして、あなたのがんばりを企業は応援しますというスタンスにしてしまえば、基本的に自分の価値を高められるかどうかは従業員個々人の努力次第になるわけですから、会社への不満など言えなくなるわけです。

そんな形で、個々の従業員のパーソナル・ブランディングと企業の全体的なブランディングがうまく噛み合ってまわる形ってなんであんまり陽の目を見てないんでしょうかね?(これ、疑問形にしてますが、疑問じゃないですから)

パーソナル・ブランディング・ツールとしてのブログ

それでも大企業でブログを書く人が増えればいいなと願ってみたり」では、大企業で働く人がなかなかブログを書きにくいという話を目にして、そういうのってなんかさみしいなっていう思いを綴ってみました。実名で各課どうかとかは別にして、やっぱりそういう人でもブログを書いてみればよいのではないかと思います。
皆さん、大人なんですから何を書いてはいけないか、何なら書いてよいかの区別はできるでしょうから、問題ない程度に書けばよいのではないかと思います。それにブログって何も実際にやってる仕事のことだけを書く場じゃないわけで、実際、僕だって仕事のばかりじゃなく、読んだ本を元に自分の考えを膨らませたりしたことを書いてるほうが多いわけですから、そうした面でも大企業に勤めているからブログが書けないなんてことは本当はないんじゃないの?と思ったりもします。

こんなにブログを書くことをおすすめするのは、やっぱりブログが強力なパーソナル・ブランディング・ツールだと思うからです。

人とお話ができないのは「誰がどんな情報を持っているかわからないから」にとても納得しました。
(中略)
そのネガティブスパイラルを断ち切るのは自らが変わり情報発信をしていかねばならぬということにも納得です。

ちささんの言う「ネガティブスパイラルを断ち切るのは自らが変わり情報発信をしていかねばならぬ」というのはすごく重要。ブランドが価値を持つのは、たくさんの情報、たくさんのモノ、人が集まり、何がどんなものなのかが理解しづらいカオス的な環境の中で、「私はこれができる」というのがわかりやすく示されているのがブランドだからだといえます。ようするうにそれはファインダビリティの問題でもあるわけです。なぜいま、ブランディングなのかがそう考えるとわかる気がしますよね。その意味で、パーソナル・ブランディングとは、自分が何ができるか、自分がどういう人物なのかを、周囲の人々に認知してもらうことに他なりません。

それにはやっぱり自分の思いや考えを表現しやすいブログというツールは非常に強力なパーソナル・ブランディング・ツールなんだろうなと思います。そして、だからこそ、皆さん、ブログを書きましょうよと思うわけです。

ちなみに上の引用部の(中略)部分にあるのは、僕が会社のほうのブログで書いた「企業内コミュニケーション」というエントリー内の文章ですので、そちらもあわせて参照していただけると幸いです。

自分がどういう人物かをわかりやく周囲に認知してもらう、認めてもらうというパーソナル・ブランディングの積み重ねが、そうした人々があつまる企業のコーポレート・ブランドに結実していくと、いまブランドに求められているパーソナリティを強化するという意味では非常に有効ではないか、と。
そんな風に考えています。

 


この記事へのコメント

  • あらた

    以前までは東証一部上場の企業にいたのですが、その支店のミーティングで支店長が「ホームページを持っている人?」なんていきなり切り出しました。たぶん、雰囲気から察するに「お前ら、勝手に情報を発信してるんじゃねえだろうな?」みたいなものでした。

    結局、大企業の人たちが情報を発信できないのはそういった無言の圧力であったり、余計な摩擦を生みたくないという心境なのではないでしょうか?

    ただ、人材の流動性が高い、もしくは高くなる業界ではパーソナリティというか、個人のブランディングが重要なわけですから、ブログとかが浸透してもおかしくないと思いますが。
    2006年10月28日 23:39
  • tanahashi

    あらたさん、コメントありがとうございます。

    そういう企業はあると思います。
    ロバート・スコーブルが『ブログスフィア』で書いているように、ブログに向かない企業もあるので、そういうところまでブログを書く必要はないと思います。

    かといって、大企業のすべてがそうではないんじゃないかなと僕は思います。安易に大企業はダメって決め付けてしまうのもよくないかな、と。

    できないところはできないでしょうがないので、できない理由をあれこれ言うよりは、できそうなところにできるようにする建設的な話をしたほうがいいのかなと思います。
    2006年10月29日 00:35
  • ちさ

    毎度お世話になっております(w。
    パーソナル・ブランディングがファインダビリティに繋がるのも納得です。自が律して初めて「探す」という舞台にも立てる。企業サイトも同様なのですよね。えぇ。
    2006年10月29日 23:54

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