UI:アプリケーションの世界を描くこと

すこし前に受けたユーザー中心設計エンジニアリングの講義の中で紹介されていた事例がずっと気になっていたんだけど、うまくアウトプットできずにここで書かずに寝かせていました。

実際のモデルと想起されたモデルの相違

あるモバイル系のアプリケーションで、実際のシステムモデルとユーザーが頭の中で想起した概念モデルがまったく違ったものになってしまったために、致命的なユーザビリティの問題(使えない!)が発生したそうです。
ユーザーが頭に思い浮かんだ概念とおりに、操作を進めていくと、設定が不完全で本来達成すべき目標が実行できないため、「なんだこのシステム使えない!」と思ってしまい、たくさんのクレームが発生し、サービス提供側が想定していたようには利用者も増えなかったということです。

なぜ実際のシステムモデルとユーザーが頭の中で想起した概念モデルに相違が発生してしまったかというと、両者をつなぐべき役割のユーザーインターフェースに問題があったから。ようするにユーザーインターフェースが描いたモデルをみると、ユーザーが頭の中で想起した概念モデルになってしまうということ。つまりはシステムのモデルを設計した側とユーザーインターフェースを設計した側で、そもそもモデルイメージの乖離があったんでしょうね。

モジュールの組み合わせと順序が違えば世界は変わる

昨日の「私的インフォメーション・アーキテクチャ考:6.構造と要素間の関係性:モジュール化とモジュール間の関係性」では、IAの世界のパターンをいかに見つけ出して世界を組み立てるためのモジュールにするかという話をして、その前の「私的インフォメーション・アーキテクチャ考:5.構造と要素間の関係性:並び順と導線」では、IAにおいて並び順を決めることは宇宙観を表現すること、宇宙を語ることにつながると書きました。

先のアプリケーションでは、実際のシステムのモデリングが、UIと画面遷移に表現されなおされた時点でモデルがすっかり変わってしまっていたために、両者が表現する世界が別物になってしまったということです。
実際、画面例をみせてもらいましたが、確かにそのUIと画面遷移ではユーザーがイメージしたようなモデルをもつアプリケーションにしか見えませんでした。ほんの少しの違いでしたが、すっかり描かれた世界観は異なるものでした。

完璧なスフレを作るには、適切な材料だけでなく、適切な調理時間と適切な作業時間が必要」です。そして、その手順も重要です。
そうした手順がシステム側とUI側で異なってしまうというのは、実はこの例以外にも多かったりするのではないかと思います。

このあたり、僕は多くの場合、UI開発側の勉強とか、努力がちょっと足りないのかな?と感じています。もちろん、システム開発側も協力してもらえればありがたいですが、それ以上に人とシステムをつなぐUI開発側にそれが2つの世界のインターフェースになるという役割意識や、インターフェースを書き間違えれば2つの世界は永遠に隔たることもあるということがいまひとつ理解できてないのかなと思ったりもします。
このへんは僕自身も含めてですけど。

意外とユーザーがどうそれを使うのかということと、それをシステムできちんと表現できているのか、そして、その世界をUIでつなげているのか、といったあたりの意識が低いんですよね。
使えないものは作りたくないですから、ちゃんとしないとね。



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