2006年10月13日

作業を増やすことが価値を増やすことがある

実はこれmixiの日記のある意味で続き。
でも、mixiの日記を読まなくても、話は通じると思うので、これだけ読んでくれてもOKです。

作業を増やすことで価値を増やす商品がある

さて、「作業を増やすことが価値を増やすことがある」。

というか、マーケティング的な発想だと、たぶん「増やすことがある」というか、ほとんどの場合、そうなるのかもしれないなと思うくらい、こういう商品って実は多いと思います。

たとえば、いま読んでる『ダメなものは、タメになる テレビやゲームは頭を良くしている』で扱われてるゲームやテレビ、インターネット、映画なんかはほとんどの場合、ユーザーの作業を増やすものです。そして、その本では対照的なものとして扱われている本にしてもそうです。
読む作業、見る作業、プレイする作業、調べる作業など、どうみても余計な作業を増やすものです。

ビジネスシーンでは作業を減らすことが価値を増やす?

それは仕事で行う作業とは似ても似つかないところがあります。

会社からは効率化しろと言われるし、自分でもできれば仕事ははやく終わらせたい。仕事の現場では、作業はどちらかというと減らすことに価値があるものです。業務でやることなんて、できる限り減らしたいと思うのが、企業的にも従業員的にも考えることだと思います。
業務を効率化するためにITの導入やリプレイスが検討されたり、業務プロセスの再設計や、もっと単純なところでは業務ルールに何かしらの変更指示が出されたりします。

ビジネスシーンでは業務効率化が、単純に業務のコストパフォーマンスを上げることや、生産性の向上、あるいは従業員の労働負荷の軽減などにつながるだろうという前提があるわけです。

ビジネスシーンでは作業を減らすことが価値を増やす?

にもかかわらず、商品(とりわけ消費者向けの商品)には、作業を増やすものがやたらと多い。もちろん、中には作業を減らす商品もあります。全自動洗濯機、食器洗浄器、野菜などの皮むき器などは作業を軽減するものでしょう。
でも、先にあげたゲーム、テレビ、クルマ(走る喜び!)、そして、パーソナルユースでのコンピュータ。こういうものってどう考えても作業を増やすものです。
もちろん、作業を増やすものなのに、人がそれを購入し、使うのは、作業を増やされること自体に楽しみがあるから。増やされた作業にこそ価値があるからです。

ゲーム世界では、いたるところに報酬がある。この世界は文字通りとても明示的な報酬をもたらすものだらけだ:もっと多くの命、次のレベルへのアクセス、新たな装備、新しい魔法など。ゲームの報酬はフラクタルだ。やっとコントローラの使い方を覚え始めたところであろうと、小金を稼ぐためにパズルを解こうとしているだけであろうと、ゲームの最終目的の達成をめざしていようと、それぞれの段階に報酬のネットワークが組み込まれている。
スティーブン・ジョンソン『ダメなものは、タメになる テレビやゲームは頭を良くしている』

Web屋(特にマーケ寄り)のモノ作り

こういう商品のモノ作りって結構、業務改善のためのITシステムづくりとは大きく異なるのかなって思います。

ITシステムを業務の直接的な効率化だったり、見えないものを見えるようにしたり、リアルタイムで把握できるようにしたりすることだったり、もうすこし上位レイヤーでの効率化だったりを目指すのであれば、作業を減らすことがそのまま価値につながるため、ゲームなどのモノ作りとは明らかに視点が違ってくるでしょう。

その意味では、僕みたいなWeb屋が企業のコーポレートサイトを構築・運用するための企画を考えたり、実際の設計、開発を行ったりするのって、ある意味、モノ作りのベクトルとしては、両者の中間くらいかなと感じたりします。
特に僕みたいにマーケティング寄りの話で、Web構築・運用の話をもらうことが多かったりすると、担当者レベルの作業を減らしてあげるのと同時に、作業をすることで成果があがる喜びをあたえてあげる両方を考えたりするわけです。

単に作業を減らすだけならそれはそれで簡単ですが、同時にモノが売れるなんらかの手助けをしてあげないと、その担当者のミッションを果たすことにつながらなくて、その人にイヤな思いをさせてしまうでしょう。
かといって、成果をあげるためだといって、どう努力してもこなしきれない作業を含むプランを立ててみたところで、結果は同じか、結果は多少出たところで担当者がヘトヘトになってしまうかもしれません。ヘトヘトになるまで働かせれば、本来感じてもらえるはずの成果を出した喜びを感じてもらう余裕さえなくなってしまうかもしれません。

マーケティング的な視点にたつと、実はビジネスで使う商品の提供の場合でも、やっぱり「作業を増やすことが価値を増やすこと」っていう部分をどこかしらに作ってあげないといけなかったりします。

あっ、そういえば、うちの社長が、「「面白い」こと」なんてブログ書いてたっけ。

posted by HIROKI tanahashi at 23:07| Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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