数字は活動の結果を特定の文脈でしめすもの

月間100万人ってサイトの訪問者数としては多いの?」で、どうも僕が単に数字の話をしているような書き方をしてしまったようで、誤解を招いてしまったようなので補足です。

基本的に、僕は数字は活動の結果だと思っています。
特にビジネスシーンでは、数字の測定は効果測定という意味合いが大きいと思います。
会計データなどはもちろん企業活動の結果報告や自社内での分析を行うためのツールです。
ですので、論じるべきはやはりその活動が有意なものであったかが主であると考えています。

というわけで、先のエントリーの主旨はあくまで「もっとWebサイトを使って、企業ができることはあるでしょう」というところで、会社規模、利益や売上、ブランドとしての知名度などにおいてかけ離れた企業のサイトの訪問者数が大雑把に数字が近いというだけでも、あれ?っていう感じが見て取れるのではないかと思い、比較対象として数字をあげさせていただいたのにすぎません。
ようはWeb上での活動いかんによっては、知名度のない会社でも、知名度を高め、多くの訪問者を集めるような有意なコミュニケーションも行うことができるというのが伝えたかった部分です。

もちろん、コメントでご指摘いただいたように、数字を用いる際には測定の問題があります。
それは僕も無視できない問題だとは考えていて「尺度:Webマーケティングの効果測定を見直す」というエントリーも書いています。
しかし、それはどういう文脈において何を測るかという問題であって、文脈は企業が目的とするもの、そして、その目的達成のための活動があってこそ、発生するものです。
数字は活動の結果を特定の文脈でしめすものだと思います。
測定そのものは客観的でも、何を測定するかは主観的でしかありえません。
そのために活動ありきで語らず、単に数学的にあれこれ言っただけではビジネスではあまり有益ではないわけです。

サイトのアクセス数もそれを活動の結果として捉えてはじめて、有意な議論ができるのではないでしょうか?
何が相対的な比較において数字を伸ばすことにつながったのか?が重要であって、数字が伸びた/伸びていないということを単独で議論してもはじまりません。

そして、何より企業活動は企業の中の人の活動です。
それは顔の見えない、単なる数えられるものではなく、スキルとノウハウを起動するのに個々人のコストが必要なリソースです。
それを結果の数値だけでみてしまうとおかしくなる。
もちろん、ビジネスですので結果を数字で示すのは重要ですが、それは単に数字だけを見ることを許すものではないでしょう。
個人の活動、組織としての活動があって、数字は変化するのですから。

もうひとつ。時速100kmで走る車と時速4kmそこらで歩く人間をくらべるのに、正確な速度計は必要ないでしょう。その速度の差を数値として知る必要があるなら別ですが、車のほうが圧倒的に早いことを理解するだけでよいなら、感覚的にも十分にわかります。
何を知りたいときに、何のツール(速度計、人間の感覚)で測るかは、十分な自由度(つまり、文脈選択の自由度)があるわけです。
そのへんの柔軟性があったほうが、ビジネスでは効率がよいのではないでしょうか?
だって、測るのが仕事じゃなく、活動して結果を出すのが優先なのですから。

これはロングテールの議論でも同じだと思っていて、測るほうを優先すれば「ロングテール現象はパレートの法則とまったく対立しない」という話になるし、活動のほうを優先させて話せば「積み重なると増える、増えるとつながるってことかな?」という話になるわけです。
つまり、今回の主旨でいうと、後者のほうが大事なわけです。



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