2006年10月09日

積み重なると増える、増えるとつながるってことかな?

ひさしぶりにベキ分布的なことを書こうと思っていたら、なぜか(本当に意図が不明という意味でなぜ?)finalventさんが「ロングテール現象はパレートの法則とまったく対立しない」だったり、「MarkeZine:第4回 ロングテールを誤解していませんか?」だったりを紹介してくれてました。

finalventの日記 - べき分布、正規分布メモ

ベキ分布的な結果が生じる1つのプロセス(?)

タイミング的にはピッタリでしたが、でも、今回書こうと思ってたのはちょっと違うところ。

たとえば、こんな風に考えました。

ブログを毎日続けて書いている → エントリーによってははてブでブックマークされる → 場合によってはそれがきっかけでRSS購読者やリピーターが増えたりする → またエントリーを書く → 今度は前より読んでる人がすこし増えたので、ブックマークされる確率が高くなる → ブックマークされる確率が高くなり注目エントリーや人気エントリーになったりする → RSS購読者が増える確率も高くなる → あいかわらずエントリーを書く → またブックマークされたり、RSS購読者が殖える→ そして確率が高くなり、finalventさんのような著名ブロガーが紹介する機会もできたりする → 閲覧者が増える → なので、ブックマークされる確率も、RSS購読者も増える → つまり、注目度が高まる

といったようなことが起きて、同じような内容のことを書いている別のブロガーがいても、その人よりすこしブログをはじめたのが早かったり、ブログを書く頻度が多かったりすると、そこには差ができているという結果が生じているってことなんじゃないかと思うわけです。

結果としては、こうなるのかな?
Hatena Bookmark Ranking by Livedoor Reader Ranking

で、それにプラスして先のプロセスで確率が高まる可能性は実は一定ではなく、あとになればなるほど、確率の伸びは高くなる、と。

投資する金持ちと普通の人

たとえば、これは何かに投資を行う際に、1億もっていて100万を投資にあてるのと、1000万しかもっていなくて100万を投資にあてる場合を考えてみるとわかります。

同じ100万なら投資によって得られるリターンは最初に1億もっていても、1000万しかもっていなくても同じです。しかし100万が無駄になる場合は、1億のうちからそれがなくなるのと、1000万からそれが失われるのとは意味が違います。
そうなると、当然、最初の所持金は投資額の差にあらわれてくるでしょう。
シンプルに考えれば、1億のうち100万をかけるのなら、1000万なら10万しか投資しないのが妥当なのでしょう。そうなるとリターンがあった場合に差が生じることになります。もし投資が10倍になって返ってくるなら、100万は1000万になりますが、10万は当然100万にしかなりません。
これが繰り返されると差は開く一方です。

投資する金持ちと普通の人

先のブックマーク数が増える仕組みも似たようなものです。読者数が多ければ、ブックマークされる確率が同じなら被ブックマーク数は多くなります。
この差は最初にもっている額に応じてどんどん広がる
金持ちほど儲かるわけです。
いわゆるこれがパレートの法則。

先にブックマークされる確率が増えるとか、RSS購読者が増える確率が高くなると書きましたが、これは実はウソで確率はそのままでも、母数が多いと結果が異なってくるだけです。
なので、注目度が高まったとしても、基本的にその人の才能が高くなるわけでもなんでもありません。
もちろん、意識が変わって、その人のアウトプットするものも変わってくるということはあるのでしょうけど。

投資する金持ちと普通の人

スチュアート・カウフマンがこんなことを書いてますが、これって実は当たり前のことかもしれません。

多様性が閾値を超えると相転移が起こり、触媒作用を受けた反応の巨大な織物が「結晶化」する。触媒作用を受けた反応がなす部分グラフは、つながっていないクラスターを数多くもっている状態から、巨大なクラスターと孤立したいくつかの小さなクラスターをもつ状態へと変化する。
スチュアート・カウフマン『自己組織化と進化の論理―宇宙を貫く複雑系の法測』

すでに確立した分野では初期値の違いは大きい場合がありますが、わりと新しい分野ではスタート地点がほとんど同じだったりするわけで、その場合、いかにして投資を続け、時には損をしながらもリターンを得て、資産を増やしつつ体力をつけていくかという当たり前な努力が、実は最後にはベキ分布の大きな差となってあらわれるのではないか、と。

と、考えると、実はそこに必要なのはある種の才能だとか、運だとかではなく、ちゃんと勝ち目のある場所を選んで、そこで地道に投資を続けていくことなのではないかと思うわけです。

数学的な説明が機能し始めるのは、その前提が置かれた地点以降なのではないか、と。


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posted by HIROKI tanahashi at 00:35| Comment(0) | TrackBack(0) | Web | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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