従来の物理学で温度に絶対的な下限(「絶対零度」)があるのと同じように、量子重量理論は絶対的な上限-約1032K-があることも明らかにする。この温度で、時空そのものが溶けてしまうのだ。宇宙の始まりを示すビッグバンは、猛烈な火の玉というより、時空を凝固させた宇宙の冷却だったのかもしれない。幾何学と、その言葉が示唆する、ここまで見たすべてのことがらは、事象の関係が凝固して刻みつけられたものなのだ。ピーター・アトキンス『ガリレオの指―現代科学を動かす10大理論』
この時空が溶ける絶対温度の上限って発想にも驚かされるし、ビッグバンが冷却による凝固のはじまりとみる見方もびっくりです。
さらにそこにいたる「ここまで見たすべてのことがら」の中には、三角形の対角線を示すピタゴラスの定理の式とアインシュタインの理論の式を使って、質量と長さと時間をすべて長さの単位で表せることも含まれていて、ピーター・アトキンスの『ガリレオの指―現代科学を動かす10大理論』の第9章「時空-活動の場」は驚きの連続でした。
残りはあと1章「算術-理性の限界」のみとなりました。
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