例えば、マクドナルド、スターバックス、ケンタッキー・フライドチキンが役に立つのは、その製品が安定しており、信頼性が高く、何が出てくるかが前もってわかるからだ。しかし同時に、これらの店だけを贔屓にしていると、新しいレストランを発見する可能性が閉ざされてしまう。ロバート・B・ラフリン『物理学の未来』
答えなどない。すくなくとも安定した答えなどありません。
W3Cにしたがい、Web標準に準拠することで、どんなメリットがあるか?って。
「結局はコンテンツが大事」って言うことが大事だって?
概念や方法論だけじゃなくて、具体的なアイデアが欲しいって? ケーススタディでは不満足なの?
「あなたの力が必要」ですって? じゃあ、あなたは何するの?
答えなどないんです。
もし仮にあったとしても、あなたに事を起こす信念と勇気と忍耐がなければ、何も起こりません。
それなのに、なぜ、ありもしない答えばかり探して、おどおどしてるんでしょうか?
だが、私は、(中略)たとえ空港で耐えられなくなったとしても、チェーン店のフローズン・ヨーグルトを食べたいとは思わないし、自堕落な生活を送る人に対しては、地獄で椅子に縛られて、チキン・シーザーサラダだけを永遠に与えられる報いを受けることになると警告したい。ロバート・B・ラフリン『物理学の未来』
ロバート・B・ラフリンの『物理学の未来』の「第12章 保護のダークサイド」はものすごく示唆に富んだ章です。自然界にもスター・ウォーズの「フォースのダークサイド」と類似の保護のダークサイドがあり、「究極の原因を曖昧にさせることで選択肢を制限してしまう」そうです。
例えば、「個体の弾性的剛性は、信頼性の高い構造の設計を可能にする強力な設計を可能にする法則である一方で、原子の存在を覆い隠してしまってもいる」という具合に。そして、信頼性の高さは必ずしも常に安定しているわけではなくて、時と場合によっては安定性の高い法則性が覆い隠すミクロな原因が問題になってくることもあり、「原子を無視したところで、自動車や高層ビルを作る際には問題にならないが、コンピュータやテレビを作ろうとすれば、それは大きな問題となる」のです。
ミクロな法則性とマクロな次元での組織的現象としての相については十分理解できていたとしても、その中間をつなぐ部分は混沌していて、計算も不可能で、あるミクロな法則性から結果としての相を予測しようとしても、それはほとんどの場合、困難だといいます。
これはデートのようなものである。基礎をなす動機は単純で理解しやすく、最終結果も数多くの普遍的現象の1つだが、その間に来るものは複雑で極めて予測が難しいのだ。ロバート・B・ラフリン『物理学の未来』
確かにデートと同じだし、これってビジネスでも同じだと思いませんか?
何を求めているかも明確で、その結果、得られるものもかなり想像できたとしても、どうやって、そこまでたどり着けばよいかは本当の意味で誰にも教えようがないのだと思います。
まさに、ヨーダがフォースの修行中のルークに対していったように、
Try not. Do or do not.
やってみるではない。やるかやらないかだ。
ではないでしょうか?
結局、何が大事って、それはあなた自身なのじゃないでしょうか?
あなた自身の決断や行動力しか結局は頼るものなんてないんです。
あるいは、もうすこし言うなら、あなたを含めたチーム全体が自分たちが関わっている仕事をゴールまでどうやりきるかなのでしょう。
会社もどうして、個人が自由にもっている力を発揮し、ゴールを目指せる環境をつくっていくことを努力しないんでしょうかね。人が大事とかいっておきながら、階層構造で人が動きづらい状況にしてしまったり、逆にコミュニケーションルートやミッションが明確にできていないために同じように動くに動けない状況を作り出してしまったりして、大事なリソースを有効活用できていない会社が多いんじゃないでしょうか?
そうであるにも関わらず、本やブログに書かれたことから知識を得ることばかりを気にしたり、自分で考えるのではなく誰かの意見ばかりを頼りにしたり、他人に何かを求めつつ、自分では何も行わなかったり、それじゃあ、何も得られるわけがありません。
あなたのビジネスは結局はあなた自身のもので、他人や他の成功例に頼ってみても、答えなど見つかるはずはないのです。
そんなんじゃ、何も創発しないんです。
本やブログに求めていいのは、答えではなく刺激。他人のケーススタディを必要以上にありがたがるんじゃなくて、自分自身のケーススタディを蓄積するほうがはるかに大事だと思います。
Try not. Do or do not.
そして、
May the Force be with you.
です。
答えばかり求めすぎて、くれぐれもフォースの暗黒面にひきずりこまれないように。
ちなみに、僕、マクドナルドが嫌いです。
有限で、貴重な人生の1回の食事を損した気になるので。
この記事へのコメント
ちさ
>本やブログに求めていいのは、答えではなく刺激。
まさにその通りだと思います。google力と騒がれて久しいですが、検索能力だけで自分の脳みそを刺激しないと何も生まれません。
コーチングでは「答えはあなたの中兄あります」というような言い方をします。そうなのですが、このエントリみてすっきりしました。答えなんてなくて、コーチはクライアントをまさに『刺激』しかできず、その場で考えるきっかけ、インスパイアするだけなのですね。
汎化できる知識に固執しても仕方ありません。今だからこそ、知識を『使う力』を『生み出す力』を育てたいとそう思いました。
Do or not !!
tanahashi
ほんとに"Do or not !!"って思いますね。
やっぱり手伝ってあげることはできても、相手のすべてを肩代わりしてあげるわけにはいかないので。
May the Force be with you.
ですね。
ちさ
to be or not to be では現代はないのかもしれませんね(w
ということで手動トラバ。
(Bloggerにはトラバがないもので・・・)
http://chaaasan.blogspot.com/2006/09/blog-post_21.html