アルバート=ラズロ・バラバシは『新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く』の中で、
「ネットワークはベキ法則に従うことが明らかになった」などと言われて興奮するのは、一握りの数学者や物理学者だけだろうと思われるかもしれない。しかしベキ法則は、カオス、フラクタル、相転移など、20世紀後半に成し遂げられた概念上の大躍進の中核にある法則なのである。ネットワークと他の自然現象とのあいだに予期せぬつながりが存在する徴にほかならない。アルバート=ラズロ・バラバシ『新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く』
と、記しています。
これが気になっていて、いろいろ調べたり、本を読んだりしています。
調べてみると、なかなか面白いことがわかります。
例えば、スチュアート・カウフマンは『自己組織化と進化の論理―宇宙を貫く複雑系の法測』の中で、以下のように書いています。
10種類の高分子を含み、触媒作用の確率が100万分の1であるような単純な系は、単に生命をもたない分子の集合でしかない。10種類の分子は、これらの分子間で起こりうるどの反応に対しても触媒となりえないことは、ほぼ確実である。非常にゆっくりとした自発的な化学反応を除けば、この活性のないスープの中では何も起こらない。分子の多様性と原子の複雑さが増加するにつれて、それらの間の反応が、次々と触媒作用を受けるようになる。その系の構成要素自身から触媒作用を受けるのである。多様性が閾値を超えると相転移が起こり、触媒作用を受けた反応の巨大な織物が「結晶化」する。触媒作用を受けた反応がなす部分グラフは、つながっていないクラスターを数多くもっている状態から、巨大なクラスターと孤立したいくつかの小さなクラスターをもつ状態へと変化する。スチュアート・カウフマン『自己組織化と進化の論理―宇宙を貫く複雑系の法測』
「多様性」と「複雑さ」が増すと「巨大なクラスターと孤立したいくつかの小さなクラスターをもつ状態へと変化する」というのは、いまのWebのネットワークの環境を想起させる記述のように僕には思えます。
この関連性が何を意味するのか? しばらく調べてみようと思っています。
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