
ハイジ公式サイト:http://www.heidi-movie.jp/
行く前はあまりに有名すぎるアニメの印象が強すぎて、実写の世界にうまく入り込めないかなという心配もありましたが、しばらく観ているうちにそんな心配はいっさいなくなりました。
「口笛はなぜ遠くまで聞こえるの~」というタイトル曲こそ聴こえてこないもの、お馴染みのアルムおんじ、ペーター、クララが登場するストーリーは、アニメとはまた違ったものの親しみが感じられるものでした。
ハイジはかわいかったし、フランクフルトのクララの家でハイジがおんじの住むアルプスの山を恋しがって夢遊病になってしまうシーンなどは涙も出てしまいました。
何より一番印象深かったシーンは、フランクフルトから戻ったハイジを再び家に迎えることをおんじが拒絶し、ペーターがそれを非難する場面。
その時、ハイジがおんじを責めるペーターを遮って口にする「おじいさんを傷つけたのは私だから」という台詞にはちょっと考えさせられるものがありました。なおも「でも、ハイジは無理やり連れて行かれたんじゃないか」というペーターに、ハイジは「でも、逃げることもできたし、実際に何回も逃げたのよ。夢の中でだけど・・・」といい、あくまで自分に非があると主張し、おんじを責めようとしません。
素直にこれってすごいなって思いました。
周囲の問題を決して他人のせいにすることなく、むしろ自分の非をあらためようとする。おんじに拒絶されても、山羊の小屋で一晩を過ごすハイジ。他人を責めて自分の置かれた立場を自分に心地よいものにしようとするのではなく、決して自分にとっては愉快とはいえない状況でもあえてそこに留まり、自分自身の非を認めることで、自分の側から改善策が生まれるのを待つ。結局、そういう姿に他人(おんじ)も自分の側の態度をあらためざるを得なくなり、再び
ハイジに素直に愛情を注ぐようになる。
これってすごいなって思うわけです。自分の取り巻く環境に非を押し付けるのではなく、自分の側に非を受け入れ、それをどうにかしようとする。なにかちょっとイヤなことがあると、すぐに文句を言ったり、その場に身をおくことをやめようとしたり、それじゃあ、結局、何も変わらないんですよね。
ハイジはそうやって最後まで一貫して他人を責めることなく、自分が変わろうとするんです。そして、結局、自分のまわりの人たちの考え方や行動にまで影響を与え、最後には自分を取り巻く環境自体が自分に味方するようになるわけです。
これってとても大事なことだなと思いました。
変化を願うなら焦ってはいけないし、まわりのせいにしてもダメなんだとあらためて考えさせられた映画でした。
そうそう。
この映画でもアルムおんじはチーズを焼いていましたが、これもアニメ同様、おいしそうでした。
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