「間違えを恐れるあまり~」へのフィードバック

間違えを恐れるあまり思考のアウトプット速度を遅くしていませんか?」には、ブログやmixiの日記を通じて、いろんなフィードバックをもらえました。
みんな、いろいろ考えてるんだなと思い、勉強になりました。

すべて紹介しきれませんが、ここでいくつか目にとまったものを紹介しておきます。

プライベートならともかく、仕事の場では、多くの場合「人格批判をして逃げる」という選択肢はありません。自分の常識と相手の常識の齟齬を乗り越えて、なんとしても相手を説得しなくてはならないような場合。そんな時、自分の「当たり前」を、どこか絶対化しすぎていないか、考えるのは一つの手ではないでしょうか。

ブログのあり方について書かれたものだけれど,どんな場においても同じことが言えるのではないだろうか.論文を書くとか,学会発表をするとか,ゼミ発表をするとか,観測結果を指導教官に見せるとか,色々なアウトプットを遅くしてしまっている.

アウトプットにこだわるのであれば、建設的なフィードバックが返ってきそうな場を探すというのが良いと思います。具体的には良いフィードバックが良い社会や関係を作るのに必要だと主張している人や、実践している人を見つけて、その人に対してアウトプットを見せていく。場を探すだけではなく、場を作るという考えで、自分から良いフィードバックを積極的にする。

レオナルド・ダ・ヴィンチやアインシュタインといった天才もゼロから全てをアウトプットしたわけではなく、名前も残っていないような普通の人たちから、粛々と繋がれていったアウトプットこそが呼び水となり、彼らの功績を生んだ、と僕は考えます。

そう考えると、どんなちっぽけと思えるような内容でも、もしかしたらいつか誰かに大きな刺激を与えられるかもしれません。

日本人にはそんなことより「この人を貶めるにはどうすればよいか?」(=「自分がすごい人間に見えるためにはどうしたらよいか?」)を考える人ばかりということだろうか。

時間をかけることで完成度が高くなることが保証されているわけではないのだから,恐れずにアウトプットすべき。この意識を持たないと次の次元に行けない。

他にmixi日記で「これ、まさにいまの自分がこれ。だって他人に馬鹿にされるの(に見られる)がイヤなんだもん、馬鹿なのは自分が一番判っているから。でもそれって人間としてちょっと終わっちゃってる感があってヤバイ。 」なんて感想もありました。

なんか、みんな、いろいろ感じているんだなと思ってうれしくなりました。

アウトプットするための基盤

こうやって何人もの人の意見を目にして、あらためて考えたのは、アウトプットするためにはその人自身の基盤が大事なんだなということでした。
前に企業のアウトプット速度に関しては「企業の基本設計」や「無い袖は振れない」といったエントリーで、

逆に基本設計がしっかりしている企業では、新しいものの導入への対応も柔軟で、導入後もうまく使いこなすことが多かったりします。

情報って誰が生産するものか知っていますか?
人が生産するものです。人が発信するものです。
いままでの従業員の動かし方じゃ、情報を生産し発信するようには人は動いてくれません。
人に神輿を担がせるのではなく、むしろ個々人を舞台に送り出すようなマネジメントがなければ、情報の継続的生産~発信のプロセスは生まれません。

といったような感じで、企業の行動、アウトプットを速めるためには、その言動に際しての確かな足場、基盤となる企業文化やミッション・ヴィジョンの共有、具体的なプロセスがなければ、急に何かあったからといってアウトプットや変化への適応ができるはずもないことを指摘しました。

これは個人でも同じことなんじゃないかと思います。
普段から他人の意見にちゃんと耳を傾け自分の中に吸収したり、様々なことに興味をもち考えたりするという基盤がなければ、急にアウトプットしようと思ってもできないのは当然だと思うわけです。
その意味で、上で紹介させてもらった人をはじめ、「間違えを恐れるあまり~」に反応してくれた人は、普段からおんなじような問題意識をもっていたんだろうなって感じました。そうでなければ、迅速な反応はできないわけですから。

基盤という意味では、ちょっと話が違うけど、はてブやブログ、mixiが存在する、いまみたいなインターネット環境が基盤としてなければ、今回みたいなコミュニケーションは生まれなかったわけです。当然、そのさらに下の階層のインフラが基盤としてあるわけで、そういう意味でも「基盤となるものが大事」だって思います。
これは特に企業に対して思うわけだけど、Webマーケティングだとか、テレビCM崩壊だとか、Web2.0だとかに興味をもつのはいいけど、それと同時に自社の目指す方向とそれを可能にする自社の基盤を日々見つめなおすことはそれ以上に大事なんじゃないでしょうか?
基盤となるものがないのにディテールの話ばっかりしてても、何にもうまくいかないし、たぶん、何にも生まれません。

どんなに優秀な人が何人集まろうと、どれだけプロジェクトに参加する個々人が手を抜かずがんばっても、基盤となるものがしっかりしていないと、プロジェクトはガタガタの状態になります。


 

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