前から一度、伊藤若冲の「鳥獣花木図屏風」の実物を見たいと思っていたのですが、実際に見てみて感動しました。
やっぱり印刷物で見るのとは大違い。別にリアルに描いているわけではないのに、なんか動物や鳥たちが生き生きしている感じがするのは不思議でした。
「鳥獣花木図屏風」もそうですが、「紫陽花双鶏図」などの他の若冲の絵も、一緒に展示されていた他の画家とは一線を画す独特の絵画観=自然観は圧巻でした。
鶏や鶴などが群れとなり、折り重なり、さらに梅や紫陽花などの植物とも折り重なり、一体化する様は、個体としてのそれぞれの生物を描いているというよりは、そこにある細胞や遺伝子など、もっと小さな生命システムを描こうとしているのではないかと感じられたのは、最近、その手の本ばかり読んでるからでしょうか?
それでも他の画家達の絵が各派ごとに磨かれた技術をベースに個別の生き物や植物を絵にしようとしているように見えるのに対して、若冲の絵だけはそうではなく、なんとか生命そのものを描写しようという努力が見え隠れして、ダーウィンとダヴィンチを足して2で割ったような感じだなんて思いました。
「プライスコレクション 若冲と江戸絵画展」は8月27日(日)まで東京国立博物館で開催されたあと、
2006/9/23~11/5 京都国立近代美術館
2007/1/1~2/25 九州国立博物館
2007/4/13~6/10 愛知県美術館
の予定で開催されるようです。
詳しくは公式サイトを http://www.jakuchu.jp/
そして、昨日知ったんですが、若沖ブログが!
http://d.hatena.ne.jp/jakuchu/
mixiの友達に教えてもらったんですが、4月から開催日までのあいだ、コレクターがカウントダウンしながら作品を1点ずつ紹介していたんですって。
開催までに興味をもたせる方法としてはおもしろいですね。
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