本タイトル: マーケティング2.0
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先日、献本いただいた『マーケティング2.0』を読んでみました。
自分が書かせていただいたパートはさておき、いろんな方のいろんな意見が知れてなかなかためになりました。
そして、人それぞれ独自の見方をされているものの、いまWebで起こっていることの空気感をそれぞれ同じように呼吸しているのは感じられました。
それは僕のこのブログを読んでいただいている方にもきっと伝わるものじゃないかと思いました。
例えば、シックス・アパート社代表の関さんのこんなコメントなんて、先日、僕が「不祥事の際の企業の対応にあらわれる企業の基本姿勢」で書いたことと同じ視点を持っているように思いました。
ところが、ブログの世界でも、トラブルの元になったブログを消して「なかったこと」にする対応が後を絶ちませんが、これは公衆の面前で隠蔽工作の一部始終を見せているようなものです。
他にも関さんの言葉では「わたしは日頃からブログはウェブそのものだと考えています」というのが、なるほど、確かに!って思いました。
それから、ニューズ・ツー・ユー社代表の神原さんのコメントも、これからひそかにEGM(Employee Generated Media)なんて言葉を流行らせようかななんて企んでいる僕には「その通り!」って思えました。
消費者による情報発信が当たり前になりつつある現在、企業にとってもうひとつの重要な、そして手つかずの課題は、従業員による情報発信への対応です。(中略)一部の部署で情報を統制してから発信するという従来のPRの発想から、これらの個人の情報発信を規制しようと考える企業が出てくるかもしれませんが、それは時代に逆行する行為です。
そして、なんといっても圧巻は小鳥ピヨピヨのいちるさんの「プロモ2.0」!
こんな言葉読んでどうですか? おおっ!って思いません? 僕は震えました!
最も重要になる考え方は、「共に作っていく感覚」です。そして、そのためには、「消費者が消費行動を起こす」という発想を、頭から消さなくてはいけません。「顧客」は「消費者」ではないのです。顧客はわたしたちとともに、フローを起こし、変化を生み、相互作用し、価値を作り上げていく人々です。ですから、むしろ生産者なのです。
そして、先に引用した神原さんの言葉にも通じるこんな文章も。
ネットへは、自分たち自身が出て行かなくてはなりません。マーケティングを広告代理店に頼ったり、ウェブサイト作成をコンテンツ会社に頼ったりしてはいけません。代理人が行動しているようでは、いったいどこのコミュニティがあなたを信頼し、受け入れてくれるのでしょうか?
「NTTドコモのmixiコミュニティ10日で閉鎖したんだって(あるいは「せめこれ4」)」をはじめ、「やっぱりこれまでマーケティング・コミュニケーションを外部にまかせっきりだった企業にとって、いわゆるWeb2.0的サービスを利用したマーケティング施策やコミュニケーション活動ってむずかしいようですね」的なことは、僕もこのブログで再三書いてきていますが、自分が関係性をもちたいと考えている人との直接のコミュニケーションのための労力を惜しむようでは、相手に信用してもらえるはずもないでしょう。
そして、現在のマーケティング環境は明らかにそうした直接のコミュニケーションが可能になっているのですから、それはこれまでの状況と違って「できない」のではなく、「やらない」という選択を行っていることになるのです。
僕も読んでみて、いろいろためになりました。
『マーケティング2.0』はいよいよ明後日9日には店頭に並ぶそうです。
興味のある方はぜひお手にとってみてください。
P.S.
さすがです。
小鳥さんがもっといい紹介をしてくれていました。
■「マーケティング2.0」という本を書きました
http://coolsummer.typepad.com/kotori/2006/08/20.html
ほれますね。
(2006/08/08 00:50追記)
評価:
評価者: gitanez
評価日付: 2006-08-07
著者: 磯島 大, 廣中 龍蔵, 関 信浩, 神原 弥奈子, 棚橋 弘季, 清田 一郎, 北村 勝利, 飯塚 正治, いしたに まさき, 渡辺 聡
出版年月日: 2006-08-10
出版社: 翔泳社
ASIN: 4798112143
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