<と>

ここ数回の企業のWebコミュニケーションに関するエントリーを書いていて、以前、会社のほうのブログで、こんな図を描いたのを思い出しました。

※「Web2.0の議論で欠けているもの(前編) | 実践!Webマーケティング:Blog」より転載(執筆は私自身)

さて、本エントリーでは、この図を思い出しのをきっかけに、企業のコミュニケーションということで思いつくものを、まとまらないまま、書いてみたいと思います。

3つのコミュニケーション

一言にコミュニケーションといって、以下の3つがあると思っています。
  1. 企業と外部のインターネットユーザーの間のコミュニケーション
  2. インターネットユーザー相互のコミュニケーション
  3. 企業内コミュニケーション

マーケティングにおいて、外部に対する通常のマーケティング・コミュニケーションをエクスターナル・マーケティング、それに対しエクスターナル・マーケティングを効果的、効率的にする前提としての企業内マーケティングをインターナル・マーケティングと呼んだりしますが、先の3つのコミュニケーションの分類はこの区分にも当てはまります。
先に示した図も、それをWeb2.0という視点でもうすこし詳細に図式化したもので、間にある検索やRSS、ブログなどのツールを、別のコミュニケーションツールとして置き換えれば、Web以外のマーケティングの図式として置き換えることも可能でしょう。

内部<と>外部

かつてピーター・F・ドラッカーは『ネクスト・ソサエティ』の中で次のように書きました。

外部の世界の情報が、ついにインターネットで手に入るようになった。依然としてばらばらではある。しかしようやくマネジメントは、外部の世界についての情報システムをつくるための一歩を踏み出すことができるようになった。すなわち、いかなる外部の情報が必要かを考えることができるようになった。
ピーター・F・ドラッカー『ネクスト・ソサエティ』

外部はどこに境界線を設けるかによって異なります。
企業<と>インターネットユーザーという場合、ユーザー<と>別のユーザーという場合、Webマスター<と>企業内別担当者(部門)という場合、そして、私<と>あなたという場合。
<と>によって結ばれる両者の間にはコミュニケーションが成り立つ可能性が生じます。
<と>によって、「いかなる外部の情報が必要か」を考えられると同時に、外部がいかなる情報を必要としているかをコミュニケーションそれ自体によって具体的な行動を通じて学ぶことができます。

コミュニケーションは実践的なもの

情報そのものと違い、コミュニケーションは実践的なものだと思います。
記号の伝達と情報の中身(意図)の伝達は別物です。
記号の伝達はクロード・シャノンの情報理論で扱えますが、情報の中身(意図)の伝達=コミュニケーションはその情報理論では扱えません。
コミュニケーションは本来、通じあうはずの2点間を、実践の積み重ねにより擬似的につなぎとめたように感じさせるものだと思います。
わかりやすさだとか、わかってもらうだとか、わかってあげるだとかといったことを考える際には、まずそのことをわかっていないとうまくいかないのではないでしょうか?

以前に紹介した『情報学的転回―IT社会のゆくえ』の中で、著者の西垣通さんは、コミュニケーションについて、次のように書いています。

コミュニケーション・システムにはいろいろあります。経済的なものだけでなく、家族や友達同士の「やあ、どうしているのか」といった親愛のシステムというものもあるかもしれない。法律的な交渉のシステムもあるのかもしれない。いろいろなシステムがあるけれども、ともかくそのなかで、もしコミュニケーションが継続的に発生していれば、それをもって情報伝達という擬制(フィクション)が成立していると見なそうというのが情報学の考え方です。
西垣通『情報学的転回―IT社会のゆくえ』

以前のエントリー「Web/ブログを使った企業理解の促進/企業ブランドの形成」で、「いつも仕事で「Webはプル型のマーケティングツールですので、ユーザーに価値を感じてもらえる情報をきちんと継続的に提供し続けていれば、自然と効果はでるものですよ」といっている」と書きましたが、考えてみると、コミュニケーションそのものが継続的な提供/非提供の実践により、はじめて成立するものかもしれません。
だとしたら、企業理解の促進/企業ブランドの形成のためのコミュニケーションにしても、例外であるはずはなく、先のNTTドコモのmixiコミュニティのように、ユーザーが語りかけても答えないなんてことは、そもそもコミュニケーションとして成立しておらず、結果ははじめから見えていたといってもいいでしょう。

ブログやSNSによるコミュニケーション

そもそもNTTドコモのmixiコミュニティでは、ユーザーからの質問の投げかけなどに答えるつもりがなかったなら、なぜコミュニティなんてやろうと思ったのだろうと、実際のコミュニティの実情をこの目で見ることができなかった者にはなんともいえませんが、mixiをはじめとするSNSが、企業にとってどんなコミュニケーションの場に成立かは私にはいまひとつ想像できません。
そもそもなぜ閉じた場でコミュニケーションを図ろうとするのか、いわゆるSEOなどを使っての情報への集客という利点をあきらめてまで、クローズドな場でのコミュニケーションを選択する場合、企業にはどんな利点があるのか?

まだ、事例もたくさんある企業ブログの例ならイメージしやすいものの、こちらもSNSほどではないにしろ、ユーザーからのコメントやトラックバックはあります。
ただし、個人でやる場合でも、ブログとSNSを比較すれば、他人とのコミュニケーションにかける労力はブログのほうが比較的少なくて済みます。
喩えれば、電話で話すのとメールでやりとりするくらいの違いでしょうか?
ブログのほうがメールなみに自分の返答を用意する時間がある気がします。
ブログがそれぞれの記事がメインなのに対し、SNSのほうはといえば、コミュニティにしろ日記にしろ、コミュニケーションのほうがメインとなっているからでしょうか。

DESIGN IT w/LOVE for community立ち上げ1週間経過

先週の土曜日に立ち上げたので、ちょうど1週間たったmixiのDESIGN IT w/LOVE for communityですが、おかげさまで参加者も50人となりました。
はじめての自己紹介でやりとりさせてもらった印象では、ほとんどこのブログを読んでくださってる方が参加してくれているのがわかります。
ブログという開かれたインターネットの場と、mixiという閉じたコミュニケーション空間をつなぐとどうなるのかな?と思って立ち上げたんですけど、1週間たって参加者だけは予想以上に集まってくれて一安心といったところです。
中身のほうはまだボチボチという感じですが、こういう組み合わせが今後、うまくいくのかどうかを探る上でもいろいろ試してみたいと思っています。

個人がやるのと企業がやるのとでは違うので一概には言えませんが、こういう組み合わせももしかしたらありなのかもしれないなという感じは、参加者を集めるという意味ではありなのかなと感じました。
ブログを読んで参加してくれている人がほとんどなので、まったく何もないところからはじめたコミュニティよりも、私と参加者の距離感は小さいのかなとも思うので。

これも頭で企画するだけではどうにもならず、実践を通じてつくりあげていくしかないんだろうなと思ったわけで、まず自分ではじめたというわけです。

Webマーケティング、Webコミュニケーションが重要だと、企業に対して口にしている立場としては、すこしでも企業がそれらを行う際の利点とリスクを自分でも体感的に理解しておかないと、と思うわけです。

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