ブログ効果測定:データの解析はまず仮説ありき

『ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する』(スティーヴン・レヴィット、スティーヴン・ダブナー)を読み始めました。
まだ、読み始めたばかりなので書評は後日にまわすとして、最初のほうにでてくるこんな言葉に「ごもっとも」と思ったので、そこから派生した考えをまとめておきます。

何をどうやって計るべきかを知っていれば混み入った世界もずっとわかりやすくなる。データの正しい見方を知れば、解けそうになかった難題が解決できるようになる。折り重なった混乱と矛盾を拭い去るには数字の力を駆使するのが一番だからだ。
スティーヴン・レヴィット、スティーヴン・ダブナー『ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する』
「データの正しい見方」という点で、あえて補足するなら、何を計るべきかは最初にそれを計ることで何がわかると思うかの仮設をもっておくとよいということです。
それがないと計ることばかり一生懸命になりすぎて、混み入った世界をわかりやすくするという本来の目的を見失いがちなのは、仕事でアクセスログ解析の手伝いをしているとよくありがちなことです。

仮説を立てて、それが実際にはどうなのかを数字で計ること。
仮説ありきで数字を計ってはじめて意外な真実を知ることができたりします。
仮説なしだとそれが単なる数字にしか見えないことでも、最初に仮説ありきで数字を見れば、「えーっ」という驚きが真実の扉を開いてくれたりします。

例えば、ブログやRSS/Atom feedの効果測定
単にアクセスログ解析をすればいいってもんじゃなく、最初に何を知りたいのか、何のためにそれを知り、どんな改善につなげようと思うのか、といったあたりを仮説としてもっておかないと、単に数字が増えただの減っただのってことに振り回されるだけになりかねないでしょう。
あげく数字を伸ばすためにスパム的な行為(SEOスパム、トラックバックスパム、内容とかけ離れたタイトルでのひき tec.)に走ってしまうなんてこともあるのではないかと思います。

最初に仮説をたてた上での、アクセスログ解析を中心とした、具体的な解析項目としては、以下のようなものを測定すればよいのではないかと思います。

  • ブログ記事別のアクセス数
  • 検索エンジン経由のアクセスの分析(どんなキーワードで、どの検索エンジンから)
  • 記事別のコメント数、トラックバック数とそれぞれの内容について
  • どんなところからブログにリンクをされているか?
  • はてなブックマーク、del.icio.usなどのブックマーク状況とそこからの影響は(アクセス数、RSS登録者数の増加)
  • RSS/Atom feedファイルへのアクセス数(RSSリーダーの自動アクセスはどれくらいか)
  • RSS/Atom feedの登録者数(RSSリーダー別に登録数を把握、リーダー間で偏りはあるか)
  • RSS/Atom feedからブログ記事ページへのアクセス数は?
  • RSSリーダーでの開封(サイトへのアクセス数とのギャップ、登録者数とのギャップは?)
  • 上記、項目の定期的測定による傾向の分析

また、実際に使うツールとしては、
  • FeedBurner:feedアクセス解析ツール
  • trackword:ブログ用SEO効果測定ツール
  • trackfeed:ブログにはられた外部リンクを通知
  • ブログ・サービスについているアクセスログ解析ツール
などがあるでしょう。

数字を見ずにブログを書き続けることもそれはそれでいいのですが、書き続けたことに何かしら精神的なインセンティブを追加したければ、いろんな数字を見て、各エントリーの反響を分析してみるのもよいのではないかと思います。

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