伊勢神宮は「お伊勢さん」とも呼ばれる伊勢神宮ですが、正式には単に「神宮」というのが名称だそうです。
名古屋に住んでるうちに行こうと思っていたのですが、ついに昨日実現したというわけです。
豊受大神宮(外宮)
名古屋から近鉄特急で約1時間半。伊勢市駅から歩いて約5分あまりのところに、外宮と呼ばれる豊受大神宮はあります。神宮へのアクセス:http://www.isejingu.or.jp/koutu/koutu.htm
小雨が降るあいにくの天気のせいか、駅を降りて外宮に向かう道のりはほとんど人の姿は見かけませんでした。外宮の入り口(下写真左)に着いても人影はまばらで、伊勢神宮って観光地としてあまりに人気がないのかな?と思いました。

駅から外宮までの通りもあんまりパッとしない雰囲気だったので、ちょっと期待はずれかななんて余計な心配もしたのですが、最初の鳥居をくぐればその心配もすぐに吹っ飛びました。
東京の明治神宮や京都の寺社などとも違う静謐な雰囲気。
何より僕の気持ちを昂ぶらせたのは神宮の杜に育った巨大な樹木でした。
太さは大人の男が4、5人手をつないでようやく周囲を囲むことができるくらいで、いったい樹齢何千年なんだろうと思いました。
そうした他の寺社であれば間違いなく御神木あつかいされるであろう木々が当たり前のように生えているのです。
そんな杜のつくる雰囲気が神の居る場所という印象を与えるのです。
豊受大神宮の御祭神である豊受大御神は今から約1500年前に天照大御神のお食事をつかさどる神として丹波国から伊勢にお迎えされたそうです。
その時から現在にいたるまで毎日朝夕の二度、天照大御神に神饌をお供えする「日別朝夕大御饌祭」が行われているそうです。
1500年間、毎日というのはすごいですよね。
豊受大神宮の正宮が上の写真の真ん中ですが、実は写真はこの鳥居の外からしか撮ることができません。
それどころか、4重になった壁の一番最初の壁の中にしか入れないのです。
一般の人でも正装をして申し込みをすれば、もう1つの壁(3番目の壁)の中にも入れますが、それが精一杯。
皇太子でさえ入れるのは2番目の壁の中までで、一番奥に入れるのは天皇だけだそうです。
というわけで、僕たちが見れたのは正宮の屋根の端っこだけでした。
そういうところが余計に厳かな印象を与えてよいのです。
写真の右は入り口の鳥居の横にある勾玉池で、ちょうと菖蒲がきれいに咲いていました。
豊受大神宮(外宮):http://www.isejingu.or.jp/gegu/gegu.htm
内宮へと向かう:おはらい町通りと五十鈴川
さて、外宮で十分感動したので、一体、内宮はどんななんだろうと思いつつバスに乗り、内宮へ。そこで最初に感じた「伊勢神宮って観光地としてどうなの?」って疑問はすぐに解消しました。内宮すこし手前でバスが渋滞に巻き込まれたのです。
このままだと40分くらいかかると言われ、じゃあ、歩くとどれくらいと訊ねると10分くらいとのこと。当然、バスを降りて歩くことにしました。
バスを降りてしばらく歩くと、電車の中で見かけた「伊勢おかげ横丁」の文字。お腹も空いていたのでそこで遅めの昼食に。
伊勢内宮前 おかげ横丁:http://www.okageyokocho.co.jp/
おかげ横丁はさすがの人混みで、ようやく観光地っぽい雰囲気になってきました。おかげ横丁は下の写真左のような風情のあるおはらい町通りに面していて、そのおはらい町通りの裏手には五十鈴川(写真中)が流れています。
五十鈴川にはなんと池などにいそうな大きな錦鯉が普通に泳いでいたのにはびっくり。水もきれいで、いかにも神の住む土地の脇を流れる川だという印象でした。

このおはらい町通りをまっすぐ進むと、内宮の入り口である宇治橋の鳥居(写真右)にたどり着くわけです。
伊勢に住まう神々
さて、ようやく皇祖神・天照大御神の居る皇大神宮(内宮)に着いたわけですが、この話はすこし長くなりそうなので、別エントリーにまとめようと思います。ですので、ここでは伊勢に祭られていて、アマテラスとも関わりの深い神様の祭られた別宮や神社を先に紹介しておきましょう。

まず、写真左と中上は、猿田彦神社です。
日本書紀によれば、猿田彦はアマテラスの孫である邇邇芸命(ニニギ)が天降りしようとした際(天孫降臨)に、天の八衢に立ち高天原から葦原中国までを照らしたと言われています。
そのため、猿田彦大神はみちひらきの神とも呼ばれています。
また、猿田彦神社の敷地内には、高天原で最初に猿田彦に声をかけた天宇受売命(あめのうずめ、岩戸隠れでアマテラスが天岩戸に隠れたときに踊りを踊ってアマテラスの興味をひいた女神と同一)を祭った佐瑠女神社もあります。
猿田彦神社:http://www2.convention.co.jp/sarutahiko/html/shrine/goannai.html
写真右と中下は、神宮に14ある別宮に数えられる月讀宮です。
ツクヨミはアマテラスと姉弟の間柄にある神で、アマテラスが太陽を神格化しているのに対し、ツクヨミはその名の通り、月を神格化した夜を統べる神とされています。
月讀宮の隣には、アマテラスとツクヨミにとっては父母でもあり、国産み・神産みによって日本国土を形作る島や神を生んだイザナギとイザナミが祭られています。
アマテラスが大きな神宮に祭られているのに対し、日本国土そのものをつくったとされるイザナギとイザナミが小さな別宮に祭られているというのはちょっと不思議な感じでしたが、イザナギとイザナミは滋賀の多賀大社に祭られていると考えればいいのかもしれません。
月讀宮:http://www.isejingu.or.jp/naigu/naigu1.htm
というわけで、さすがに神宮と呼ばれるだけあって、伊勢にはアマテラスのほかにも日本の神代で有名な神々が勢ぞろいしている場所でした。
駅などに「伊勢は日本のこころ」と書かれているのも、実際にその場所を訪ねると納得させられる気がしました。
伊勢に住まう神々に関するWikipediaの説明
さて、後編ではいよいよ皇祖神・天照大御神の居る皇大神宮(内宮)をご紹介したいと思います。
⇒ 伊勢神宮:2 20年周期の式年遷宮にみる4次元デザイン
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