とはいえ、これだけ電気の状態に振り回され、スーパーに行けばほとんどまともな食材がないような状況が続くと、「消費」ということについて見直さないといけない時期だよなと感じます。
いや、個人レベルの話ではなく、もっと大きな単位で。
この時期、停電があると寒くて仕方がないという状況になるわけですが、そもそも電気やガスがなくても暖まれる方法も考えたほうがいいはずですし、別にこんなことがなくても節電できるライフスタイルにシフトしたほうがいいでしょう。これから原子力発電以外の発電の方法も技術的に可能にはなるんでしょうけど、使わなくて済ませられるものは、使わないという方向をそろそろ本気で考えてみてもいいだろうと思います。
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そんなことも思いつつ、いま『シェア <共有>からビジネスを生みだす新戦略』<共有>からビジネスを生みだす新戦略という本を読んでます。モノを作り売ることで利益をあげるビジネスモデルから、すでにある資産のうち使わないものを共有することで貴重な資源の有効活用が可能になるよう、使わないものを持ってる人と使いたいけど持ってない人を結びつける仕組みにより売り上げをあげるビジネスモデルがシェア。
一方、そうした限られた資産を個人で所有して閉じてしまうのではなく、みんなでシェアして眠ってる資産を有効に使おうというライフスタイルが「コラボ消費」。
会社のほうのブログに、そのシェアモデルのビジネスの事例のひとつである、部屋を貸したい人と借りたい人を結ぶ仲介サービスを提供しているairbnb.comの事例を紹介しました。
■Facebook活用事例:2.Airbnb > 市場のお手入れ
http://www.coprosystem.co.jp/blog/?p=979
airbnb.comがすごいのは、こんな城までレンタル可能な物件として掲載されてること。
P2Pがデフォルトになる
シェアがどんなモデルかは上記の記事を読んでいただいたほうが、イメージしやすいと思うんですが、そのairbnb.comの創業者のひとりがこんなことを言ってます。「新しい動きが現状を変えつつある。空間やモノであれ、技術やサービスであれ、何かを取引するなら、その手段としてP2Pがデフォルトになるだろう」と。
これはまさにソーシャルネットワークでピアとしての個人と個人を結びつけることで、情報がシェアされるのと同じで、物理的な資産のシェアでも個々人間の結びつきを可能にするシステムと、それによって結びつく個々人の力量が問われる社会になってくるということかなと思います。
いまの日本の企業人をみると、とてもピアとして立つことが苦手な人が多くて、シェアのモデルに移行するには、一筋縄ではいかないなとは感じます。
でも、この大震災を経たいま、経済はそちらの方向にゆるやかにでもシフトしていかないとシュリンクするのは目に見えてます。
使わない資産をほかの人に預けて、それを必要とする人が有効活用するというのは、ある意味金融モデルに近いわけですが、人口も縮小傾向にあり、資源も限られてきている中で、モノを次々に作って売るという既存のビジネスモデルがこれ以上伸びる余地がないのは明らかです。
個人個人が他人のことなど考えずに買い占めしてる場合じゃないと思うんですよね。とはいえ、シェアできるという前提がないと不安でいらないものまでとりあえず手元に持っておきたい気持ちもわかる。
そんなことがリアルに考えられるいまの機会だからこそ、そういう次のビジネスモデルをあらためてしっかりと考えてみたいなと思います。