read/write web.

ティム・オライリーのWeb2.0に関する有名な論文「Web 2.0:次世代ソフトウェアのデザインパターンとビジネスモデル」で示された「Web2.0 ミームマップ」の中にある、ユーザーポジショニングとしての「情報の自己コントロール」という言葉が、最近になって急に気になりだしている。

例えば、こんな量子力学の「重ね合わせ」を説明した言葉と照らし合わせてみると、いいのかもしれない。

その結果として、測定というものは、人間による介入であれ機械的な介入であれ、ある意味想像的な行為と見なさなければならない。測定前は、可能性を示した情報が存在する。そして測定後には、以前には存在しなかった明確で特定の1ビットの情報が作り出される。
ハンス・クリスチャン・フォン=バイヤー『量子が変える情報の宇宙』

量子の世界に限らず、いまや測定は創造的な行為と見なされるのかもしれない。つまり、誰かが発した情報を読むという行為は、その時点ですでに創造的な行為だといったほうがよいのだろう。
そうした世界においては「お前がこう言ったから、こんな結果になったんだ」などという言い訳は通用しない。
情報は自己コントロールする責任があり、同時に、情報のコントロール=測定はそのままあなた自身の創造的行為となる。

ようするに、こうした世界においてはもはや、誰かを批判する際には「相手が悪いから批判する」のではなく、「批判することで相手を悪者にする」という批判する側の自己責任が発生する、明確に創造的な行為なのだ。

とうぜん、そこでは誰もが傍観者ではいられない。
あなたは常に監視されているし、監視者のほうも監視結果を「測定」しようとすれば途端に監視される側の創造者の側にまわる。

誰が見ても同じ情報はもはやこの世には存在せず、あらゆる情報が測定する側=読む側の創造性によって規定されることになる。
逆にいうなら、その世界では書くこと=測定することによってしか、読むことができないのだ。

情報の一方的な受け手は存在しない。

read/write web.

情報の受け手は常に/すでに情報の書き手であるという世界がいまここにある。



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  • 情報ビジネス 小さな案内広告から
  • Excerpt: 情報ビジネスって特殊なスキルがないとできないように思っていましたが、ここを読むと自分でもできそうな気がしてきます(笑)
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