Feedアクセス解析

PV(PageView)はアクセス数の単位だけど、Feedって別に定量化のための単位じゃないですよね w
というどうでもいい指摘はさておき、下記のニーズはごもっとも。
次のニーズはここだな。Feedがいつどのくらい、どんな人に読まれているのかという「Feedアクセス解析」。これがちゃんとできるシステムがあったら、ブロガーとしては絶対使ってみたくなるよね、たぶん。

まず、そのニーズをいかに実現するかを考えるにあたって、通常、アクセスログ解析ってどうやってるのかを整理しておく必要がある。
現在、アクセスログ解析の主要な手法としては以下の3つがある。
  1. アクセスログ取得方式
  2. スクリプト利用方式
  3. パケットキャプチャリング方式
1.は、WWWサーバに保存されたアクセスログファイルを解析する方法で、サーバー内(またはWebサーバーからFTPでログファイルを取得できるような別のサーバー)に専用のツールをインストールして分析を行う手法だ。主なツールとしては、エンタープライズ用の有料のものとしてSiteTrackerWebTrendsなどがあり、個人でも簡単に利用できるフリーのものとしてはAnalogWebalizerがある。
2.はタグ型とかASP型とか呼ばれることもある方式で、文字通りASPサービスによって提供される。サイト内のページ毎にJavaスクリプトなどを書き込んでおくことで、ASPサービス側のサーバにデータを残せるようにするもの。主なサービスとしては、Visionalistサイトセンサスサイトカタリストなどがエンタープライズ用としてあり、個人ユースも可能な廉価版としては忍者ツールズなどがある。
最後に3.はWWWサーバへ流れるトラフィックを、特殊なコントローラによってキャプチャすることで、アクセスのデータを読み取るものだが、ツールとしてはRTMetricsの独壇場で、さらに導入までの費用が高額だというネックがある。

現時点で可能なFeedアクセスログ解析方法

3.以外は僕もほとんど仕事で触れているが、R30さんが書いているようなRSSアグリゲータで読まれているFeedのアクセス数を知りたいとなると、1.の方式では実現不可能なことはすぐにわかると思います。何故なら1.の方式は自分のWWWサーバーへのアクセスログのみが解析対象範囲になるからで、これは情報の取得には自分のサイトにアクセスされることを前提とした解析ツールだからです。

たぶん、そうなると方法としては2.の方式を使うのがもっとも現実的。というのも、2.は1.と違って、特定のサーバーに依存しない方式だからだ(もちろん、ASPのサーバに依存するが、それはJavaScriptのタグをどのファイル-htmlでもfeedでも-に設定するかでどうにでもなる)。

実際、Feedのアクセスログ解析が可能なサービスとして先行しているFeedBurnerはこれと同じ方式をとっています。ただし、FeedBurnerのネックはRSSなりAtomなりのFeedファイルをFeedBurnerのものを使わないといけない点でしょうか。
それなら、単純にこれまでHTMLファイルに埋め込んでいたのと同様の、ログ解析用のJavaScriptをFeedに埋め込んでおけばいいわけで、これが現時点での現実解ではないかと思います。

3.を使った形も考えられますが、なにしろ導入コストが高すぎて、ブロガー用にという点で考えると、これをベースにどこかのサイトがブロガー用のFeed解析サービスをはじめるなんてことも想像しにくい。

といった話は、単にブロガー向けの話じゃなくて、企業のWebマーケティングを考えてもすごく重要な話なんだと思うけど、この記事でとりあげたアクセスログ解析のツールを提供している会社のどれもまだ、そうしたFeed解析の機能を実装していないのが実情。
まぁ、2.のサービスはサイト構築を行う業者が工夫して実装すれば、いまでも解析できるので、本当の意味で困ることはないんですけど。

ログ解析ツールを提供している業者の対応状況

でも、ログ解析ツールを提供している業者は、こういうFeed解析のニーズがあるってわかってないのかしらっていうのを、ずっと疑問に思ってたわけで、R30さんがWeb2.0的ユーザー側の立場でそのニーズを明示してくれたのは、僕にとってはちょっと象徴的でした。
結局、ログ解析ツールを提供している業者が相手にしているエンタープライズは、いまだ思考がWeb1.0的発想なわけで、Feedの効果測定のことは頭になく、先のはてなの話のようにFeedの更新情報を機械的に定期的に読みにくるアグリゲータのアクセスによって、PVが増えたことに一喜一憂してしまったり(もちろん、はてなはそうではないはず)、逆にFeed自体がサイトにないのでそれに気づかなかったりするわけで、業者のほうもそれに気づかないんでしょうね。
まぁ、現時点ではそんなものなんでしょう。

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