あるいは「変化するリテラシー(Web2.0とパーソナル・ファブリケーション)」なんてあたりにも絡んでくるかもしれない。
というか、UGC(User Generated Contents)って言葉は今日はじめて知りました。
先週、米国・サンフランシスコで開催された ad:tech のキーノートスピーチにおいて、米 Sequoia Capital(セコイヤキャピタル)の Mark Kvamme 氏が UGC の台頭について触れていた。同氏は動画共有サービスで知られる YouTube において1日あたり3,000万のビデオが視聴され、視聴時間は平均30分に達し、1日あたり3万本のビデオが投稿されていると指摘している。
という感じで、膨大なトラフィックが集まるところに広告が集まるのは、ロングテールの前の時代だろうが、ロングテール時代の現代だろうが、変わらない傾向。
UGC は数が膨大であり、口コミで広範に拡散していくことからそれ自体が強力なトラフィック誘導能力を持っている。例えば日本のとあるソーシャルブックマークサービス1つをとってみても、人気ページ一覧に表示された日には、サイト全体のトラフィックの20%近くを占め Google や Yahoo!に匹敵するケースもあるなど無視できない程度の影響力を持っている。
そう。やっぱり無視しないわけで、とうぜん、それ(UGCっていうんだっけ?)を狙った広告戦略が展開されることになる。
でも、いくらトラフィックがあるからといって、そういうのって効果あるのかな?なんて、あんまり意識して広告をクリックした記憶がない僕なんかも思ったりするのだけれど、実際はたぶん、こんな(↓)感じ。
あと、CNET で blog 書いてる類の人はクリックレートが 10000 回に一回かもしれないけれども、世の中の大勢であられるところの人が 100 回に一回クリックするとすれば、「自分はクリックしないから他のもそうでしょう」的な前提は簡単にくずれる。実際いまのウェブの広告はそういう状況であり。
でも、いつも思うのは、それが広告であることを意識されないSEMっていうのもいいんだけど、それよりブログを書いたほうがいいんじゃない?ってこと。
だって、そうすれば、「日本のとあるソーシャルブックマークサービス1つ」で「人気ページ一覧に表示された日」の効果もより直接的なわけでしょ?
それにSEMのランディングページって必ずしも納得いくものじゃなかったりすることも多い。中にはいまだにトップページだったり、既存のカタログみたいなページで、まったくキーワードにそぐわないものまである。
広告であることを意識しないまま、「あれ?なんでこんなページに来たんだろ」と思ってしまうことさえあるんじゃないだろうか。
かつてマーケーティングにおいてパッケージも含めて商品だと言われてましたが、いまだと情報も含めて商品っていえるんじゃないかって思います。
それなのにユーザーにとってほとんど価値のない情報を無理やり広告経由で見せられてもねぇ。でしょ?
まぁ、SEM屋さんがSEMをすすめるのは商売なので当然として、普通のWebマーケティング屋さんとしてはブログを書くことのほうを先にすすめるべきなんじゃないだろうか?
にもかかわらず、Webマーケティングやオンラインマーケティングっていうと、リスティング広告、SEO、ついでにRSS広告なんかの話ばかり。
まぁ、ブログを書くことによるマーケティングってアウトソーシングしにくいから、業者がアウトソーシングで受けやすい手法を大声で売り出した結果としてそうなるのは仕方ないのかもしれないけど。
でも、あえて小声で言っておきます。
「ブログを書いたほうがいいですよ」
さて、ちょっと話は逸れた感があるので、元に戻すと、先に引用した「UGC(User Generated Contents)を活用した SEM 戦略の可能性とリスク」では、"「ブログは検索エンジンにヒットしやすい」といわれるが、企業にとって好ましくない情報も上位に表示される"というブランドに関わるリスクも示唆されている。
しかし、これは現在のSEMがキーワード・マッチングの域を出ないものであり、より本来的なマーケティングにおける課題としての、情報(あるいは商品・サービスそのもの)のコンテクストとユーザーの要求のコンテクストとのマッチングまでには到達していない以上、起こるべくして起こっていることだと捉えるべきだろう。
であれば、よりマーケティング本来の課題に立ち戻らなくてはならない。
それは「ユーザーの声を聞く」ことだろう。
ユーザーの声を聞きもせずに、ただひたすら宣伝したいなんて考えるから、先のように「企業にとって好ましくない情報も上位に表示され」ていることにも気づかず、SEM戦略を展開してしまうのだろう。
で、ここで再びブログを書くことのよさを宣伝しておくと、ブログを書いてるとユーザーの声は意外と自然に自分のところに集まってくるという利点がある。
情報過多の時代に、情報のファインダビリティを高める方法の1つは、意外にも「自ら情報を発信する」ことだったりする。
情報は価値のある情報を多くもっていて、かつ、それを外に向かって提供してくるところに集まってくる。
それはGoogleやはてなのことを思い出せば実感できるはずだ。
というわけで、広告は広告でまぁいいんだけど、もうちょっとマーケティングの本質に立ち返って考えないと、いつまでたってもWebマーケティングって本質的な進歩をしていかないよって思いました。
みなさん、どうなんでしょうか、そのへん?
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