2010年11月26日

イノベーションは何より自分自身のリストラである

未知の事柄、不馴れな状況に遭遇した時に、それ以上、前に考え進めることができなくなる人がいます。

いわゆる思考停止というやつですが、これには二種類あると感じてます。
ひとつは本当に新しい考えが出なくなって考察を前に展開できなくなってしまう人。もうひとつは、僕自身と同年代以上のおっさんに多いのですが、単に前に進めなくなるのではなく、自分が知っている領域に逃げ込もうとするタイプです。

思考停止に周りまで巻き込む人

当然ながら厄介なのは、後者です。

前者はどちらかというと考えるやり方を知らない若者に多い。ただ、これはやり方を知らないことが大きな理由なので、やり方を教えてあげることで変わってきます。

それができないのが、後者です。それこそ、若いうちに、考える方法を身につけることをせず、わからないことかあったら、その場を誤魔化して逃げる方法ばかり身につけてきてしまったので、どうしようもありません。
そういう人は、未知の領域に対しては、ある程度のレベルで「わかったふり」をして、その後は言葉たくみに自分にとっての既知の領域に逃げ込みます(もちろん、言葉たくみにといっても、それが言い訳じみているのは本人以外の誰もが気づくことなのですが)。当然ながら、新しい領域を切り拓く力などはあるはずもなく、古びた自分の領域の既得権益に固執して、時には周りまで巻き込んで、組織が前に進むための障壁になってしまいます。

厄介なのは、この点で、その人自身が前に進めないのはいいのですが、周りを巻き込んでしまうというのが問題です。

イノベーションって?

さて、話はすこし変わりますが、最近、世の中的に「イノベーション」というワードを軽々しく使いすぎなんじゃないだろうか?と感じます。何か新しいアイデアに基づくサービスなり商品なりを作ることをイノベーションであるかのように勘違いしてらっしゃる人が多い気がします。もちろん、新しい商品を出すだけなら、それは単なる新商品発売です。当たり前ですが、世の中のすべての新商品がイノベーティブかというと、そうじゃない。

やっぱりイノベーションというのは、テレビが新しく出来たとか、自動車が出来たとか、そういうレベルの話だと思うのです。
テレビや自動車はそれ自体が画期的なだけでなく、社会や人びとの生活を変えたということがイノベーションだと考えます。例えば、自動車は舗装路を世界のあちこちに生み出したし、輸送というものを変え、レジャーを変えました。当然ながら、その変化により世の中から廃れたもの、失われたものも数多くあるでしょう。

そういう社会的なレベルで他のモノや人びとの生活を変えてしまうのがイノベーションではないでしょうか?

イノベーションは何より自分自身のリストラである

さて、そういうことがイノベーションだとすれば、もう少し小さなレベルでイノベーションを捉える際でも、やっぱり過去を衰退なり喪失させて、その代わりに新しいものを現実化させることがイノベーションの本質であるということは認識しておいたほうがいいと思うのです。

つまり、イノベーションというのは人びとの未知のものによって、既知のものをリストラすることです。

新しい未知のもので何かよいことがあるにしても、必ずその代償として既知のものを亡き者にするのを伴うのです。

さて、そういう性格をイノベーションというのは持っているわけですが、僕は社会なり他人なりを変えるのだとしたら、それはまず自分の変化を伴わないことはないと思ってます。つまり、社会から何かをイノベーションによりリストラするということは、その前段階で必ず自分自身のリストラを覚悟しないといけないということです。

思考停止というイノベーションの敵

さて、ここまで書いたら、最初の話とのつながりが見えてきたのではないでしょうか?

そうです。思考停止がクセになっているような状態では、イノベーションなんて望むべくもないということです。たとえ、それが社会を巻き込むような大きなイノベーションではなく、ごくごく狭い範囲の自分たちのまわりのイノベーションだとしても。

だって、いままでの自分自身をリストラして、新しい自分自身を生み出すのがイノベーションに他ならないわけですから、未知の状況を前に進めなくなっているようではどうにもなりません。ましてや、「わかったふり」のおっさんたちのように既知の領域に逃げ込むクセがついているようでは、まったくイノベーションの方向とは逆行してます。

「わかったふり」が得意なおっさんに振り回されているような環境では、新しい状況というのは、とてもではないですが、生まれてきません。
文字通り、そういうおっさんたちのリストラを計らないと、イノベーションどころか、悪い状況をよくすることさえままりません。まあ、僕自身もそういう人に手を焼くこともあるので、これといった解決策は持っていません。ただ、イノベーションというのは、自分自身のリストラなんですよということをあらためて指摘しておきたいというのか、今日の主旨です。

おいそれとイノベーションとは言えません

僕自身、実は必ずしもイノベーションを目指すことがいいことだとは思いません。だって、それは世の中をリストラすることなんですから、おいそれと勝手にイノベーションだ!などという気にはなりません。

ただ、それでも、いま置かれた状況がよくなくて、それをすこしでも改善しようと思うなら、「わかったふり」の思考停止に陥って、既知の領域に逃げこんでふんぞりかえっているのだけはいただけないとは思うのです。
まあ、そういう人に限って、自分のことは棚にあげてしまい、まわりの戸惑いゆえの思考停止を悪くいうので、たちが悪いんです。

せめて、そうならないよう、すくなくとも、自分自身は常に自分を更新=リストラしていけるようにしたいと思うし、まわりの若い人に対しては、その人たちのリストラをサポートしてあげたりしようと思ってます。


 

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posted by HIROKI tanahashi at 00:06| Comment(0) | TrackBack(0) | ライフハックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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