その理由は、
- 1.0から2.0へのヴァージョンアップを感じさせる技術や手法、戦略の進化が見当たらない
- そもそもがようやくマーケティングツールとして機能しはじめた段階
の2つだ。
SEOにせよ、行動ターゲティングにせよ、ロングテールにせよ、ユーザー参加型マーケティングにせよ、まさしくビジネス的視点でみれば、ようやく俎上にのった段階で、本格的なマーケティングを語るにはまだまだ心もとない。
もちろん、自分自身がWebマーケティングを仕事にしている立場から、たとえそれがいまだ1.0であっても、現在はようやくそれを「マーケティング」という名で呼んでもおかしくない効果をあげられるくらいには成熟してきていると断言できる。
しかし、繰り返すがその成熟度はしょせん1.0もしくは1.5とかそういうレベルであり、マイナーなバージョン・アップ・レベルの成熟でしかないと思っている。
その成熟度は明らかにWeb2.0が1.0からバージョン・アップしたのとはレベルとして大きく異なっている。
勢いにのって、Webマーケティング2.0といっても、それでは内実がともなわない本当のバズワードだ。
それでは、せっかくのWeb2.0まで疑われてしまうのではないかと思うので、Webマーケティング2.0なんて言っちゃった人は自重してほしいと感じたりもする(まぁ、言っちゃったことに関しては別にいいし、今後、言う人がいても別にいいんだけど)。
では、本当の意味で、Webマーケティングが2.0化するには何が必要なのだろう?
僕はある意味、Web2.0が確かな技術によって歩を進めたように、Webマーケティングが2.0化するにも確かな技術的裏づけは欠かせないのだと確信している。
そして、それはWeb2.0が進化に使った技術とはまた別物のはずで、むしろ、マーケティング・サイエンスと呼ばれたものを古典化してしまうような、ニュートン力学からアインシュタインや量子力学の新しい物理学に位相が変化したような、科学的な位相変化ではないかと思っている。
つまり、Webマーケティング2.0とは、コトラーが体系化したマーケティング・サイエンスを古典化させるインパクトをもったマーケティング・サイエンス2.0でもなくてはならないはずだ。
そのためには「集合知の利用」を概念としてとらえているだけではなダメで、より具体的にビジネスに展開できるように、数学や科学の手法を用いた技術の標準化~商品レベルへの落とし込みができなくてはどうしようもない。
そして、そのために必要な思考法やスキルはマーケティング・サイエンス1.0あるいはその延長でしかないWebマーケティング1.0を仕事にしている人では、よほど気合を入れて科学や数学を学びなおさない限り、むずかしいのだろうと思う。
最近つくづく、マーケティングは再びサイエンスの領域に入ったのではないかと感じているのだ。
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