数年前にみた日本民藝館での「琉球の織物」展で、沖縄の織物にみせられて以来、その直後の西表島旅行でミンサー織のテーブルクロスを買ったり、その一方で何度か訪れている日本民家園で機織り機をみるたびに一度機織りをやってみたいなと思っていたのです。
今回、宮古島に行くにあたって、宮古島といえば宮古上布だよなと思って検索していると、偶然、宮古島体験工芸村というところで機織りの体験ができることを知ったのです。
それで、この機会にぜひやるしかないと思い、事前に予約しておき、実際に機織りをしてきたのです。
さて、実際の機織り体験ですが、まず今回はこんな機織り機を使って機織りをしてきました。
すでに経糸(タテイト)が張られた状態で、機織り機が準備してあり、その中から好みの色の糸を選びます。
僕は、写真にもあるように、白と紺の綿の経糸が張られた織り機を選びました。
今回は宮古上布を織るのにも使われる芋麻(チョマ)の糸で織ってみました。
織る際に、芋麻の糸は濡らして使うそうです。乾いた状態では使えないので、多湿な宮古島のような気候に向いているのだそうです。
今回は、素人の体験ですので、宮古上布に用いるような細い糸ではなく、極太の糸を使ってテーブルクロスを織ることになりました。
こんな感じで織っていきます。
織り機には足下に2本の足で踏む場所があり、左右それぞれを踏むと、経糸が1本とびに上下にわかれる仕組みとなっています。その上下に分かれた経糸のあいだを、飛び杼を使って緯糸(ヨコイト)を通していくのです。
左を踏んだときと右を踏んだときで、上下する経糸が入れ替わるので、右へ左へ交互に飛び杼を通していくと織り上がる仕組みです。
今回は、この飛び杼に巻かれた緯糸が芋麻の糸です。
やってみると、思ったよりかはむずかしくありませんでした。
やりはじめは慣れない手つきで動きもおぼつかなかったのですが、コツがつかめてくるとだんだんと楽しくなってきます。
教えてくれた方の話では、宮古の織物は平織りなので、足で踏む部分も2つだけで作業としては単純とのこと。ミンサー織りなどでは、足で踏む部分が4つついていたりするそうです。
もちろん、途中で糸が切れたのを直してもらったり、仕上げの部分はおまかせだったり、と、手伝ってもらった部分が多かったので「むずかしくない」と感じただけのこと。ひとりではとてもできません。
それから、やはり織り機自体が女性の体型にあわせてつくられているせいか、織っていて窮屈な感じはありました。
そうやって織ること1時間弱。できあがったのがこちら。
織りはじめのところで、飛び杼を左右に折り返す際の力加減がわからず、強くひっぱりすぎたせいもあり、織り上がった布のはしが凸凹になっています(写真の紺色の側の奥の方が特に)。
でも、まあ、はじめて自分で織ったものなので、実際に家で使ってみようと思います。
1年前の日本民家園での藍染め体験に続き、布好きの僕としては、とても楽しい体験をさせてもらったと感じています。
また、機会があればやってみたいですね。
宮古島体験工芸村・宮古上布工房
マット織り、60分、¥2000から
http://kougei.dip.jp/orimono.html
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