技術の時代、創造性の時代

Enterprise Watchの「ヤフー井上氏」のインタビューはヤフーが意外なほど健全であるのが伝わってきて、なかなかおもしろかった。
記事タイトルにもなっているフォークソノミーとアルゴリズムの組み合わせによる検索にも興味はあるのだが、今日は「技術」について書いてみたい。

インタビューの最後のほうのこんな発言を読んで、ピンとくるものがあった。

いずれにしてもネットって、既存メディアと違って、前面に出ていなくてもテクノロジーが大事じゃないですか。Web 2.0の発想ができて当たり前のエンジニアはYahoo! JAPANにはいっぱいいます。それを今度はもっとビジネスにしていかないとならないですね。


ネットではテクノロジーが大事っていうのは当たり前のようだけど、実はそれほど自明なことではないはずだと思っている。
テクノロジーがなければ作れないものがあるというだけでなく、どういう意味で「大事」と捉えるかによって、何が作られるかは異なってくるからだ。
井上さんの言っている「それを今度はもっとビジネスにしていかないと」には、テクノロジーをその方向性において大事に考える思考も必要であることを物語っているように感じた。
僕は「Web2.0」というキーワードで語られている現在以降の時代においては、より個人の技術が重視されてくるだろうと思っている。
それは何もテクノロジーに限らないとしても、自分でアウトプットを創造できる技術でなければならないのではないかと感じている。

アウトプットされるのは、ブログの記事でもかまわない。
それが何らかの形で利益を生むところまでもっていけるようであれば。
アプリケーションの開発者なら設計書を書くのではなく、自分で動くコードを書くことになるのだろう。
そういう技術と創造性が今後ますます必要にならざるをえないだろう。
小さな会社ならそういうスタイルへの移行はそれほどむずかしくないのではないだろうか?

一方で大企業に数多く存在するミドル層は今後どういう存在になっていくかは非常に気になるところだ。

そして、それは個人の問題ではない。
大企業のミドルはやはり個々として優秀な人間がそろっている。
しかし、そういう人たちも上に書いたような働き方をしていない。
彼らが日々行っているのは調整だ。

大企業がそういうビジネスモデルを形作ってきたからだ。
大企業には個々の従業員をプロモートするという意識はほとんどないのではないか?
あったとしても一部の従業員をピックアップしてプロモートするだけだろう。
社内に何人、外でも通用する人間をつくれるかなんてことは重視していないに違いない。

しかし、これからは先にも書いたように、組織に所属する人であっても、自分でアウトプットを生み出すことで利益を得ることができることが必要とされるのだと思う。
それには個人が自分の意識を変えることも必要だが、企業のほうも個人をプロモートすることで自社の利益が生み出せるようなモデルを構築できなくてはならない。
その際、個々があげる収益はロングテールになるのかもしれない。

Web2.0が既存のビジネスを代替しようとするなら、そうした変化も促進する必要があるだろう。


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